千本浜の秋に青物は出るか

秋の駿河湾はイナダ、マルソーダ、ゴマサバ、カンパチが大量に回遊し、一日中ナブラがあちこちに立って騒がしいほど豊饒、か。試してみようと向かったのは駿河湾の最も奥に位置する沼津市の千本浜です。大きな期待は抱かずとも、多少は、ね。人の子ですから。


ここの海況の予備知識はほとんど持たず、初めてということで、何より恐い根掛かりを気にしつつの第1投が6時過ぎ。浜の参入スペースが十分あり、海面も静かで、空に鳥も見えず、心穏やかな朝は平和そのものです。

これでは、ルアーを投げる気が失せる状態ですが、せめて1時間くらいはやってみるというものでしょう。わざわざ遠路はるばる泊りがけで来たのですからね。遠投カゴ釣り、投げ釣り、ルアー釣りと、結構バラエティーに富んだ釣り場のようですが、それにしても挙動確認可能な範囲の10数人位の中で、釣れているのは、エサ釣りのワッペンサイズのカワハギだけ。

ここは足元が砂利の浜で急深とは聞くものの、投げて届く限りくらいは底も多分同様かと考えてボトムを取ると、案の定グッと掛かってすぐに外れるというパターンが続きます。安心はできないので、着底と同時にリフトするよう心がけて、かつなるべく底付近をトレースする感じで引いてきます。

一度はグイッと重みを感じて、そのままの状態が続いたので、ナニかと聞いてみるも答えは返ってこず、上げてみたら石。海藻が沢山付いていてそれに掛かって上がってきたものでした。何種類もの海藻が見えて少し安心しました。死んだ海では無さそうですから。

午前7時直前に、昨日から通算13時間目にしてヒットあり。底付近でしたか。今度は石じゃないのは、少しの引きとブルブル感で明らか。でも青物でないことも明らか。走らないし引きが弱いので、小サバとか・・。この時期に小鯖というのも有り得ないか。じゃー、???。

わずかな時間にいろいろ妄想を逞しくして楽しまなければ、いつ楽しむんですか。エサも付けずにタダ投げて巻き投げて巻き。釣れないと、愚かしさはナカナカのものですね、きっと傍目には。

25cm//239g

抵抗は抜けずに寄せてきたものは、アレッ。君は9月下旬に敦賀新港で会ったキジハタ君ではないですか。又ここで会うとは、奇遇ですね。こっちに何の用事で来たのですか。問うても返事が無いので、いつものように裏側の鰓蓋からナイフを入れて〆完了。そこに放置で放血。鳥に盗まれるといけないので、板を乗せておくだけの誠におおらかな処置。

柳の下ならぬ、底付近の出会いがしらの2尾目を想定して、チープで軽量なスプーンを2枚重ねてタコベイトを付けるという、なんともはやの先刻来のルアーを再び投げては巻きの繰り返し。1時間ばかり継続するも徒労に終わって、ハイおしまい。

終わってみれば、先刻の1尾は多分周囲で只1尾の釣果だったでしょう。竿頭ですか、いやー、ウレシハズカシ。阿呆な冗談をつぶやきながら帰途につきましたとさ。

この日に家に帰り、そういえばハタの仲間は親族が沢山居たような・・。間違えるといけないので調べてみると、やっぱり間違ってたじゃないですか。たしかに紋様というか柄はそっくりですが、体色や尾鰭の端部の形が違います。正しくはオオモンハタでした。

味の格は先日のキジハタのほうが断然上のようです。まっ、格付けは自分で食べてからにしましょう。

さて次回は何処で何を。サゴシかタチウオか。どちらも食べたい筆頭格なのですが・・。


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