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シマアジの味/愛媛県の魚

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養殖漁業が盛んな愛媛県・愛南町のスーパーには、丸物や刺身のサクが毎日のように並んでいるのです。目を疑いました。価格も他のハマチ、カンパチ、日戻りカツオ等の刺身用のサクとは、大差ありません。 でも、私が買ったのはアラです。上身(じょうみ)よりコスパの高い方を選びます。 潮汁 シマアジ_潮汁 いつも通りに、初めての際は、食塩と料理酒を基本で調味します。昆布が無いので味の素で代用するのが、シマアジさんに失礼かな。せめてもの、針生姜の天盛です。 表面に浮いた脂(EPA DHA)が、過ぎない程度にたっぷり。見るからに旨そうです。で、一口すすると、ウマイ!! グルソーでここまで旨いのだから、昆布を使ったら、旨さをなんと表現するか悩むでしょう。 身の方は、美味な順に、腹骨内外のバラ肉、血合い肉、胸鰭元の筋肉、でした。中落部分は上身と同じ味なのですが、んーイマイチ、でした。 やっぱり、アラを買って正解でした。旨いうえにDHA、EPAがたっぷり摂れて、満足。 潮汁にはパック1尾分の半分しか使わなかったので、翌日味噌汁にしましたが、味噌との相乗効果で、一層旨かったです。1回分(一人前)55円はお得。やはり魚は、産地に限ります。

スマの味/高知県の魚

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スマ刺身用(片身) カツオ類の中で"最も美味"の座を、ハガツオと争うスマ。よわい前期高齢者最後の年に初めて食べました。 愛媛県の南予のスーパーで午前早々の時間に見かけた高知県産のスマです。車で1時間かからない宿毛あたりから来たものと推察するので、前日漁獲の物でしょう。 食べ始めてから、?と気になって調べたら、やはりスマは血合いも一緒に食べられるという情報がありました。 鮮度が悪いとヒスタミン中毒の元になる青背の魚の血合いですが、私は自分で釣ったマルソーダでも、きっちり迅速処理、低温管理したうえですが、血合いまで食べます。 このスマは皮がスルリと引ける程度には脂もあり、不味いはずはないと口に運びました。 刺身 スマ_平造り 未だモチモチ感のある身質に文句は無く、味も上品で目をつぶって食べるとナニ鮪ですか、となりそうです。強過ぎず、物足りなくもない適度な旨味なので、誰からも好まれること請け合いです。 カツオが、板の間で車座になって焼酎片手に食べる味なら、スマは、同じ板の間でも、家長の箱膳に載った御馳走、でしようか。 (差別的内容は表現のあやなのでご容赦ください) とにかく、んまいです。片身を一人では多いので、半分はヅケにしました。明日はヅケ丼が楽しめます。 翌日 漬け丼 スマ_ヅケ丼 醤油と味醂のタレに一晩漬けて、アツアツご飯に載せて、さぁどうぞ、ってセルフなんですが。口に運ぶ前からわかっていたこととはいえ、旨い、のひとことに尽きます。醤油や味醂の旨味との相乗効果が効いた悪魔的な美味しさに、言葉が引っ込みます。ただ、タレが濃すぎたのか、スマが上品だからなのか、魚が負け気味なのが残念でした。

オトメベラの味/愛媛県愛南町での釣果

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オトメベラ in 愛媛・愛南町 初めてみたこの魚の印象は、「んー--、これ食べるか?」でした。体色は派手派手だけれども、毒は無いようなので食べるしかないな、と覚悟していたら、畜養中に逃亡されてしまい、幸か不幸かチャンスを逸した、という前段があったのです。 昨日、活き餌用のハリメ釣りをしていたら、この御仁が掛かってしまいました。いゃー、どうしても食べてみてくださいってことですか。 ベラの仲間なので、ひどく不味いということはないと思うので、とりあえずいつもの酒蒸しで。 酒蒸し   (釣獲1日後) オトメベラ_酒蒸し 頭や尾の紋様は消えず、見た目は美味しそうー--、ではないですが。 食した感想は。遠慮も忖度も無く言うなら、旨味が淡く繊維感のある身質なので、ベラ類の中では、上の部類とは言いにくいですね。やはり外見にばかり気を遣うヒトのようなもんですか。でも、キューセンも派手だけど美味ですね。 食べかけのオトメベラ 顔貌 in 愛媛・愛南町 ベラ類はたいていそうだと思いますが、間違ってもこの歯に嚙みつかれたくないですね。釣り糸は簡単に切りますから。 今度また釣れたらどうしようかな。何のかんのと言いながら持ち帰って、調理に悩むんだろうな、きっと。もう、日本の水産資源は枯渇に向かってまっしぐらなんだから。

ヤミハタの味/愛媛県愛南町での釣果

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ヤミハタ 釣果 in 愛南町 初めて見た時、横縞模様が無ければ、ガヤ(エゾメバル)に似ているね。で、あんた誰?でした。普段釣りをする中部地方の私のテリトリーには居ない魚なのです。 場所と形態からハタの親戚筋とは想像していたので、ねぐらに帰って調べたら、わりと簡単にヤミハタにたどり着きました。○○の仲間と 推定できれ ば、わりと同定は楽です。 ハタ類の中でも小型で、味の評価も高くないようでしたが、自分の舌でキチンと判断します。いつもどおりに、初回は酒蒸しで。 小型なので、寝かせるのは2日にしました。釣り場で血抜きした魚を冷蔵して、翌日セミドレスにして再度冷蔵に。2日経過で調理しました。 酒蒸し   (釣獲2日後) ヤミハタ_ 酒蒸し やっと火が通るかどうかで火を止めて、あと少しは余熱で仕上げます。調理のご法度は火の掛け過ぎですから。 さて、お味を、、。 意外に、も何も初めてなんですが、身がしっかりしています。フワトロのように見えたのですが。繊維感というほどではないものの、焼いたら締まりそうな身質です。 幸いにも酒蒸しですから、柔らかくいただけます。自己主張しない控えめな白身の旨さがあります。美味しいですよ、それなりに。 ガヤ よりは上かな。 このヤミハタは、成魚でも20~30cmとのことですが、20,30の差は大きいです。身おろしできれば、調理で助けようが有りますが、尾頭付き限定(今回の魚は18cm)では、、。ちょっと難しいかな。まっ、総菜魚としては合格、で良いんじゃないでしょうか。 もし次回があったら、煮付けにしてみましょう。 それよりなにより、ハタはハタでもオオモンハタが釣れてほしいですね。 煮付け   (釣獲1日後) ヤミハタ_煮付け また釣れました。甘辛の醤油味で煮つけたら、なんでも美味しくなりますね。評価しにくくなりました。それでも、元々が今一つに感じているので、そのせいか、「旨いなー ! 」にまでは至りません。 あくまで、ぜいたくを言えばです。総菜魚なら、この程度で納得できる口にダウングレードしないと、経済シュリンクのこの国の未来を生きられなくなりそうです。 うん、美味しいですよ、ヤミハタ。 あとは、油の力を借りるなら、まだ満足度は上がるでしょう。見た目は美味しそうな色をしているのでね。カサゴのように姿揚げにしたら、きっと ◎ でしよう。でも立たないかな...

ナガサキスズメダイの味/愛媛県愛南町での釣果

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ナガサキスズメダイ in 愛媛・愛南町 泳がせ釣りの活き餌用の小魚釣りで釣った物です。1週間ほど畜養しておいたのですが、より向くハリメ(ネンブツダイ・クロホシイシモチ)の溜まり場を発見したため、スズメさん達は不要になったので、私が食べることにしました。 以前にも食べたような気がするものの、記憶は忘却の彼方。で、味を忘れているなら、酒蒸しか塩煮か。 昼前に活かしカゴからだして、ササッと処理して冷蔵庫へ。夕飯にいただきました。 塩煮   (畜養7日後) ナガサキスズメダイの塩煮 潮汁の要領で、料理酒、食塩、味の素の汁で煮ました。素っ気ない味付けなので、魚の味が良く分かるでしょう。 リーディンググラスをかけて慎重に身を剥がして一口運びます。オッ、良いですね。でも、本家 スズメダイ には負けるなー。汁に脂は浮いても、お義理程度だし。旨味も控えめかな。汁が淡白ながら美味でした。 簡単に釣れてくれるので、もっと褒めてあげたいのだけれど、、。味と食べにくさを考えると、はい、補欠合格。 余計な一言:小魚を食べるのに箸操作と時間が必要なことは、ファストフードのような過食を防ぐには良い文化だと思います。おまけに繊細な味覚を磨けるのですから、かなり有意義な行いなのでしょう。骨取り魚も文化ですが、幼老人には必要でも、健康な成人が食べるものではない !  と言ってはいけないんでしょうか。

ヨコスジイシモチの味/愛媛県愛南町での釣果

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ヨコスジイシモチ in  愛媛・愛南町 メバルに近いのかと思い調べていて、違う。ネットを探って、ようやくこの名前に行きつきました。 夜釣りのブッコミ仕掛けの底付近で釣れたものです。13cmと小型なために、餌の定期チェックで揚げるまで、針掛かりに気づきませんでした。 何でも、少なくとも1度は食べてみる主義なので、食べます。活〆して冷塩水内で一晩置いた殿様待遇の魚ですから、鮮度低下はありません。 酒蒸し   (釣獲翌日) ヨコスジイシモチ_蒸し煮 初めての調理法ですが、皿に料理酒を張り、両面塩をふった魚を載せ、ビニール袋で包んで、200wの電子レンジで蒸しました。理想だとは思えませんが、環境による間に合わせです。でも、意図通りできました。 加熱中にも匂いはありません。白身ですから淡白を覚悟で口に運びました。えっ? うっ、旨い!! この旨味とテクスチャーのどちらもがトロケルような美味、という魚はそう多くはありません。 しいて似たものを思い起こすなら、アカメバルでしょうか。身の柔らかさはこちらの方が上です。天下一品。 なんと言うか、「図ったなお主 !! 」。名も知られぬ地味な風体、普通ならポイされそうな小魚が。これだから、知らないからと言って捨ててはいけないのですよ、釣り人は。 その気持ちを、なお強くしてくれた逸品でした。 オイルソテー   (釣獲翌日) ヨコスジイシモチ_オイルソテー ここで褒めたせいか、翌日は3尾釣れたので、しっかりキープしました。 旨い魚であることは、上の蒸し煮で分かったのですが、何しろ小さいので調理法に迷いました。脂の無い魚で旨いと来れば、油で調理するのも良いのですが、せっかくの上品な旨味を殺しかねないので、塩焼きを目指しました。 が、設備が限られる環境だったので、フライパンで、味に影響しない程度のごく少量のオリーブ油をパン表面との間に挟んで焼くことにしました。 魚に軽く塩して置き、焼く前に水気を拭い取り、フライパンに並べて、中火から弱火に落として焼き目を付けたら表裏を返して、蓋をして蒸し焼きにして火を通します。 出来上がりには、何もかけずにそのままで。表面がパリッと焼けた、香ばしい香りを感じながら一口運ぶと。 うー-ん。高温調理で硬くなった皮が、身の柔らかさの前に立ちはだかります。つまり、身との旨さの一体感を阻害するのです。それぞれは良い音...

コウイカの味/愛媛県の魚

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イカ類は、その種類が多いだけでなく、呼び名が地域で変わるので厄介です。"真イカ"と称されるイカが本邦にどれくらいあるのか。数えきれないでしょう。その地方で多くとれる普通のイカ=真イカ、のようです。この宇和海では、きっとこのコウイカがたくさん獲れて普通のイカなんでしょうね。 私はイカ釣りが苦手で、アオリイカしか釣ったことが無く、このコウイカに触るのも初めてです。でも、この値段なら買えるので、迷わずカゴに入れました。 未だ子イカですが、初めてなので贅沢は言いません。さて、どうやって食べるか。丸ごと煮てもいいサイズですが、スミイカと呼ぶ地方もあるくらい墨が多いようなので、墨煮は避けます。 刺身だけの歩留まりは3割程度しかないはずなので、可能な限り食べ尽くします。胴は刺身、頭足(腕)は茹でて、エンペラや皮は味噌汁に入れてみます。 刺身 こういか_刺身 in 愛媛・愛南町 硬いと残念なので、細めの糸造りにしました。食べてみたら、型が小さかったせいか全然硬くなかったです。ねっとりに旨味と甘みが加わって、絶品ですね。 昔々、嫌というほど獲れたスルメイカで育ったのでイカを好きになれなかったのですが、今になってイカ類の魅力にハマりそうです。 塩ゆで こういか_塩ゆで in 愛媛・愛南町 頭部を釜揚げ風に薄めの塩加減で茹でて、わさび醤油でいただきます。軟骨があるのでコリコリの食感も楽しめ、これ旨いですねー。 噛めば噛むほど、じんわりと湧いてくる優しい旨味は、暴力的な味のファストフードには実現不能の美味です。安易な生き方を問い直される、なんて大げさなことを言うと笑われるのでしょうが、そんな厳粛な気持ちになってしまいました。なぜなら、この一口も私の体を作ることになるのですから。 酢の物 こういか_酢の物 in 愛媛・愛南町 ゲソを茹でて、塩もみしたキュウリのスライスとともに甘酢で和えます。イカは幼くて柔らかく、キュウリはひねて硬く、バランスが悪かったですが、それなりに舌を悦ばせてくれました。 味噌汁 こういか_味噌汁 in 愛媛・愛南町 このイカの茹で汁を流用して、エンペラや皮などの雑品をなんでも入れてしまいました。生では嚙み切れない皮も、加熱すれば美味しく食べられます。モッタイナイ精神の後始末のような料理でしたが。 大根と一緒に煮ましたが、スルメイカのような独特の匂い...

キビナゴの味/愛媛県の魚

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キビナゴの産額が大きいのは九州のようですが、四国でも頻繁に鮮魚を見かけます。スーパーで獲れたての鮮魚を見て、迷わず買いました。税別で1パックが198円均一で並んでいましたが、よく見ると量目の表示がありません。昔なつかしい魚屋さんの一盛いくら方式です。帰ってから計ったら約280gでしたので、100gあたり税別で71円でした。高くはないものの、特別安いとも思いませんが、鮮度的価値でOKです。 さて食べ方をどうするか。当日中に食べるのが良いことは当然なので。考えた結果、刺身と塩煮にして、余分は釣りの餌にするために冷凍しました。干物も美味なので作りたかったのですが、またの機会に譲ります。 刺身 きびなご_刺身 in 愛媛・愛南町 作り方は凡そ知っていましたが、実際に作るのは初めて。やってみると、あー、カタクチイワシと同じ要領の手開きね。ちょっと鮮度が良すぎて骨離れが悪かったですが、なんとかできました。 調理中に1尾分つまみ食いしたので、まずはその感想から。ちょっとビックリのあっさり味です。イワシのような青魚特有の個性が感じられないのです。クセが無いとも言えますが、旨味が弱いようにも感じました。 サイズや漁獲時期の違いで、脂がのる冬でなく、産卵期の子持ちでもなく、とまぁあまり良い時期ではなかったのかもしれません。 きびなごは出自をたどると、カタクチイワシと同じくニシン目ですが科が違いますから、当然いろいろと相違点があるのでしょう。同じ煮干しに加工してもキビナゴの方が「クセが少なく、やさしい旨味が特徴」と言われるようです。 初めてなので不細工な出来ですが、それでもはっきりくっきりのストライプ模様が鮮やかできれいです。ショウガが合いそうですが、無いのでわさび醤油でいただきます。 初めは醤油だけで。おっ、良いですね。何もつけずに食べた時とは大違いです。鮮度が良いのでコリコリ感もあって、上等です。 次いでわさび醤油で。。言葉不要の美味。やはり刺身には、たとえモドキでもわさびの辛みも必要なんですね。納得の美味でした。 塩煮 きびなご_塩煮 in 愛媛・愛南町 どうせ食べるなら鮮度の良い内にということで、刺身に続いて食べました。 調理までの間は、ラウンドのきびなごを、2%くらいの冷塩水に浸けて半日冷蔵しておきました。調理はあらためて3%くらいの塩水を煮立てて、かろうじて火が通ったくらいに...

アカササノハベラの味/愛媛県愛南町での釣果

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アカササノハベラ in 愛南町・赤水 ベラ類を狙って釣るのは関西以西で、関東では執着しないと言われたものですが、最近はどうなんでしょうか。釣れる魚が減っているのですから、変わっているのかもしれません。そもそも旨い魚なのですから。弱点は、小さいので食べにくいことです。 活き餌用の小魚を釣っていたら比較的大きめが釣れたので、調理しました。 酒蒸し   (釣獲2日後) アカササノハベラの酒蒸し 塩を振り、なべ底にわずかの料理酒を張った中に置いて、蒸し煮にしました。 暖かい内に一口。やっぱりベラです。安心感のある美味。とんがった特徴的な旨さではなく、バランスの良い教科書的なおいしさ、とでも言いましょうか。 最後まで、醤油系の旨味を足さずに、酒塩だけで満足できましたから、十分の美味です。多少は繊維感があるものの、塩焼きなら焼き過ぎにご用心、という程度です。 これで切り身になるような大きさなら、立派に高級魚の番付に名を連ねるのでしょう。 ベラもこのサイズになると、延べ竿で釣る際には糸を鳴らして竿を曲げ、俊敏な動きで楽しませてくれます。都市近郊の釣り場では釣り尽くされて、このサイズにはめったにお目に掛かれないのかもしれません。 釣って楽しく、食べておいしいベラ類は、大好きです。

アヤメエビスの味/高知県土佐清水市での釣果

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アヤメエビス in 足摺港 遠くに旅して釣りをすると、初対面の魚に会えるのも楽しみの一つです。この魚も、釣り上げた瞬間、なんだこりゃ、の驚きがありました。紅白幕のような派手な紅と白の縦縞が鮮やかで、熱帯に近づいたことを思いました。 硬い鱗を剥がす際に、2尾でそれぞれ一度、棘の刺さる不幸に見舞われました。事前に調べて知っていたのに、です。なかなか手強い奴です。傷が痛みそうだったので、麻酔剤入りの キシロA軟膏 で処置しておきました。 釣獲後に即締め脱血、ヘッドレスにして冷蔵、と基本の処理した魚です。食べる時点では紅白の縦縞模様の色合いは、少し落ち着きを見せていました。 アヤメエビスの腹腔内脂肪塊 大小2尾のサイズの違いが、腹腔内に表れていました。小サイズには無かった腹腔内脂肪が、大サイズにはしっかり詰まっていました。 これで味に期待していいのかというと、それは魚種次第なのです。腹腔内に脂肪塊の多い魚でも身肉には薄いことも少なくないのです。そうなると、せっかく貯えた脂肪は、刺身では口に入りません。 とりあえず、そのことは脇に置いて。 刺身   (釣獲5日後) アヤメエビスの刺身 身が硬そうだったので、薄めの平造りにしました。手元にアジ出刃しか無く、身を崩してしまったので意図が狂いました。 食感は、未だコリコリ感が残る程度で、熟成もある程度進んでいたはずですが、、。 白身の刺身で、生まれて初めてほのかな「酸味」を感じました。うーーん、としか言えません。もちろん食べられないような酸っぱさではないのですが。体調のせいか? 青背(赤身)の魚では、鮮度の良い時に感じるのが普通ですが、白身魚にも同様の乳酸の生成があるのでしょうか? 身には脂もあるのですが、旨さを感じる脂ではないようです。脂肪酸組成の違いなんでしょう。 ほのかにクセもあり、特段の美味とは言えないというのが私の感想でした。もちろん、しいて言えばという程度のケチ付けです。 鱗も骨も硬い魚なので、無理に刺身にまでしなくても良いのかな、という印象です。 酒蒸し   (釣獲5日後) アヤメエビスの酒蒸し 小さい方は、塩を振ってしばらく置き、鍋に料理酒を注いだ中で、蒸し煮にしました。 火が通ったかな、の寸前で止め。余熱で、優しく火を通します。硬い皮も破れずに仕上がったのは偶然の幸いでしょうか、新鮮過ぎたら破れていたかもしれませ...

クロガシラカレイの味/北海道・根室市での釣果

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根室港での投げ釣りで釣ったクロガシラカレイ 2025.07.03 カレイは日本人の食卓には珍しい物ではないと思い込んでいるのですが、実際はどうなのでしょうか。煮付けることが多いカレイなので、若い人には馴染まない魚なのかもしれません。 珍しくないと言いながら、私はカレイを釣ることがほとんどありません。地元の浜名湖には少しは居るようですが、冬の魚であることと数釣れる魚ではないので、本気で挑む気になれません。餌とする虫餌(ぜん虫類)が苦手(アレルギー)というのも一因です。 地元のスーパーに並ぶカレイは、ほとんどが輸入物の冷凍臭が気になる切身(コガネカレイ)です。味的にも魅力が薄いので、買うこともありません。なので、我家の食卓にカレイが載ることも、最近はほとんど無かったのです。 国内では東北や日本海ではまとまった漁獲もあるようですが、何といってもカレイ類が豊富なのは北海道です。 釧路のスーパーで見かけたカレイの鮮魚が1枚95円也。浅羽かれい、砂かれい、宗八かれい、みんな同じ値段というのが、へぇーーでした。 釣る気が失せる価格で、そっくり買い占めて持ちかえりたくなります。 私は静岡県・遠州住まいのカレイの素人ですから、種ごとの味や調理法も知らないのと、持ちかえる 冷凍容量 が限られるのでできませんでした。 カレイの雑談は終わりにして、釣果の料理です。直近の 北海道への旅釣り で釣ったカレイは、冒頭の写真のクロガシラガレイ(黒頭鰈)です。子持ちの時期は4~5月なので産卵後でしたが、身の厚さに驚きました。 釣り上げた魚を活〆してヘッドレスにしたものを、ビニール袋の中で脱気したうえで料理酒に浸してひと晩冷蔵で寝かし、翌日冷凍して持ち帰りました。 煮付け 丸ごと煮付けにするには大きかった(ヘッドレスで200g↑/尾)ので、1尾を二つ切りにしてごく普通に煮ました。 生では硬かった皮も柔らかくなり、身と一緒に食べるのに支障はなくなりました。 一口含んでみると、んーーカレイだ、という当然の感想。飛び切りの感動は無く、自然でつつましやかな美味、です。カレイ特有の旨味も、しっかりではなく控えめに口に拡がります。 特別なご馳走ではなく、上質の惣菜ですね。こんな魚が、日常的に当たり前に食べられたら、文句はありません。 新鮮な魚 の優位を再認識する味でした。〇。 残した一切れを冷蔵して翌日再加熱...

時鮭の味/北海道の魚

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シロサケの季節外れの沖獲りの物をトキサケ、トキシラズ、などと称します。漁獲量が秋に接岸するアキアジとは比較にならないほど少ないので、美味ですが高価です。 秋に定置網に入る産卵直前のシロサケは、卵や精巣に栄養が取られて、身肉の味は落ちますから、本来うまい物ではありません。脂が無いので脂焼けしないことから塩干に適していて、新巻として利用されるのです。塩を効かせると、どんな魚でも旨味が強調されて美味に感じますから、これはこれで旨いです。 でも、生殖に栄養が取られていない春から夏のトキシラズが、シロサケ本来の味とも言えます。身色も紅味が強く、他の鮭鱒類に負けない美しさです。 アスタキサンチン の含量も多いので、栄養的にも良いはずです。 旅の途中の釧路のスーパーで、トキサケの切り身に半額ラベルが貼られている現場に遭遇しました。貼り終わるのを待って近づくと、これが紛れていました。 間違いなく、こちらが買いです。旨いだけでなく、EPA、DHA、コラーゲン等々、栄養の宝庫ですから。 それにしても、アラが正価=500円ですか。さすがトキサケ様です。一瞬逡巡したのは、調理できるか?です。 自作の キャンピングカー にはシンク(流し)が無いので、調理に手間が掛かるのです。週末で釣りはお休みするので、買いました。 冷蔵庫 に持参した調理済み食品も底をつきつつあったり、皮膚科の医者からも、EPAを摂るように言われていたこともあって、です。 アラですから、調理方法は一択の汁ものです。煮付けても同じですが。味を塩にするか味噌にするかの選択のみです。 旅に出てから、毎日の味噌汁習慣が途絶えているので、ここは味噌で。スーパーで同時に買ったネギとシイタケをお供にします。 煮あがったものを盛り付けて、いただきまーす。 一口目、かぶりついた頭のどこだったか。皮と身肉と軟骨とが口の中で合同演奏会を開演です。 ひゃー--、うまい  !! 過ぎるほどにウマイ !! 味の出ない菌床シイタケは無視して、半生ネギもウマイ。 米飯の解凍が面倒と言い訳しながら、安い日本酒を継ぎ足して味のコラボを楽しみます。 肴がアラ汁と解凍枝豆だけすが、朝から 公園の駐車場 で一人宴会です。 中落をしゃぶり尽くして、とりあえず御終い。 アラ汁は半分しか食べていないので、鍋の残りは明日、雑炊にして食べます。蓋をしたまま沸騰さ...

キジハタの味/富山県・射水市での釣果

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2025.05.29 02:51 撮影 釣りたて直後の写真では、目視では見える点々の水玉模様ではなく、横縞模様が顕著です。岸壁から狙って釣ったアコウの33㎝は、まずまずの型です。釣り場で活〆にしたラウンドを冷蔵で持ち帰り翌日ヘッドレスにして寝かせ(低温熟成し)ました。 刺身   (釣獲4日後)   身おろしの際の手の感覚では、未だ硬さが残るようでしたが、4日後なので平造りにしました。口にすると、まだコリコリ感の残る鮮度良好の反面、旨味は弱かったです。ただ、そもそも白身の繊細な旨味なので、期待し過ぎに応えてくれなかっただけとも言えます。クセや臭みなどという言葉には無縁で、噛み続けても湧き出る旨味が衰えず、嚥下するまで愉しませてくれました。んー、京料理の板前さんなら、どう扱ってどう出すのか。もっと持ち味を引き出すのだろうなー。 今度釣ったら、皮目の旨味をプラスする焼き霜造りにしてみよう。 アラ汁   (釣獲4日後)   昆布が無かったので、味の素で代用し、安酒を加えました。脂のごく薄い純粋無垢の白身からどんな味が出るのか。汁を口に含むと、弱めながらも芳醇で清冽な旨味が感じられました。美味いです、やはり。頭をしゃぶり尽くし、カマやハラスの身肉を味わい、汁を飲み干すと、残ったものは、、満足。 酒蒸し   (釣獲5日後)   やっと熟したようで、前日までより旨味が増しました。ほっこり柔らかく、奥ゆかしい旨味が堪りません。んー、いつか西京漬けか粕漬けで食べてみたい。 キジハタの味/福井県・敦賀市での釣果 オリーブオイル焼き   (釣獲5日後)   敦賀新港の釣り揚げで即締め・放血して冷蔵し、翌日ヘッドレス処理して、また冷蔵庫で寝かせました。 鍋にニンニク漬けのオリーブオイルを30gほど敷き、そこに塩コショウした魚を置いて、蒸し焼きにしました。 ソースを付けて一口運んで口中に拡がった瞬間、これは大正解の調理だったことを得心しました。 アコウの優しい旨さをオイルで包んで高みに昇華させる、とでも形容しましょうか。 多少ギシギシ感はあるものの、短期熟成で旨味の上がった白身は、皮目の味とのコラボで、文句無し。 焦がしたニンニクが旨味の上にアーモンドのような香ばしさを載せて秀逸でした。 日本人なら、ここに数滴の醤油を垂らしたくなるところですが、グッと我慢。たまにはイタリア人の食味を体験する...

スズキの味/富山県・射水市での釣果

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フッコ in 富山新港 スズキは出世魚で、成長にしたがって名前が変わります。地方によっては異なりますが、標準的には30cm以下をセイゴ、30~60cmまでをフッコ、60cm以上をスズキと呼びます。 今回の魚は港湾産ですが、ルアーマンが釣る大都市近辺のシーバスとは違い、地元富山の釣り人が「臭く無い」と太鼓判を押してくれた富山新港産なので期待しました。 細長い魚なので、釣り場で ヘッドレス にして 車内の冷蔵庫へ 。スズキには届かないフッコですが、自分で釣ったのは初めてなので、食べる適期を手探りで3日目からとしました。身おろしした感覚では適度に柔らかく当たりを感じました。腹腔内脂肪もあり、身質の色にも少し濁りが見えたので、身にも脂があるようでした。 刺身   (釣獲3日後)   平造りでも硬さを感じない、好ましい食感で、美味。旨味は強烈な自己主張する赤身の魚とは違う、繊細でいてしっかり存在を感じさせるものでした。寿司だねにしたら、上々でしょう。 以前に、静岡県の伊東で魚を扱っていた時の味とはかなり違うようで、明らかにコチラが旨い。ふーーん、スズキって美味しい魚なんだ。というわけで、魚は獲れた場所、季節、個体による差が大きく、それが奥深さと興趣につながることを再認識しました。 アラ汁   (釣獲3日後)   残念ながら、頭なしの潮汁です。昆布も手元になかったので、味の素で代用しました。なので大きな期待はしなかったのですが。 ところが、です。アラの出汁の力強さでしょう。汁の旨さは上等の上。んーー、侮れない美味しさです。腹身やカマの身肉もしゃぶりつくし、汁を飲み干して満足。 刺身と一緒に食べたので、満足の相乗効果です。これだからめったに釣れない釣りが止められません。 酒蒸し   (釣獲4日後)   どうせ酒蒸しにするならと、料理酒に一昼夜浸けた物を蒸しました。前日までに、魚の旨さは既知だったのですが、心新たに食してみると。蒸しゆえの柔らかさで、とろけるような は言い過ぎですが、繊維をほとんど感じないままに、嫌味の無い旨味が湧きだしてきました。美味し。 塩焼き   (釣獲4日後)   酒蒸し同様に、料理酒に一昼夜浸けた物をIHのロースターで焼きました。焼き加減が良かったのか、塩焼きとしては超ジューシーで旨味がほとばしり、繊維感はあるものの惣菜にはモッタイナイ美味でした。これだけ...

シロギスの味/富山県・射水市での釣果

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釣り場で活〆にはしたもののそれ以上の手間が無く、ラウンドを冷蔵で持ち帰りました。少々鮮度に不安はありましたが、市場経由の物なら「鮮度上々」の日数なので、考えすぎとも言えます。 腹を開けてワタを抜き、塩を振って1時間。IHのロースターで焼きました。水気をぬぐう手間を惜しんだせいか、焼き目が付かなかったのが、ちょっと残念。 塩焼き   (釣獲2日後)   ほとんど市販されない魚なので、食べるのはいつ以来か。モッチリの皮目とホクホクの身を一緒に口に運ぶと、芳香とともに旨味が拡がります。 おーっ、旨い  !!。  皮と身のコラボの美味に感激。どうりでシロギスを専門に釣る人が居るわけだ。姿形だけでなく、 アカカマス に似た上等の味でした。否、カマスより上かも。 今回の1尾は、外道で釣れたのですが、いつか専門に狙ってみるのも悪くないかな。 関連記事 ホタルイカ餌のブッコミ釣り釣果 in 富山湾