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釣り場の水温を測る 3/3

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シンワ放射温度計F-2を使う 釣り場が淡水の場合には、水に近いことと塩害が無いことから、接触式の 棒状温度計 が使えるので簡便ですが、海水でも淡水と同じ物も使えますが、できることならサビを避けやく、海面に近付かずに測れる非接触式の物の方が扱い易いはずです。 防水性能の高い放射温度計から探すなら シンワF-2 と AD-5617WP からの選択になります。仕様がそっくりなので、どちらも同じモジュールを使っているのかもしれません。 IP67は防塵防水性能では、水中で常用する物をのぞけば最高クラスですから、海水に落としても、清水で洗い流せば問題ありません。 シンワとADは外装が微妙に異なりますが、価格比較から、私はシンワ測定器のF-2を選びました。ちなみにダイワブランドでも同様の物がリリースされていますが、明らかにAD-5617WPのOEM製品でしょう。 この放射温度計の実用上の問題点は、遠く離れた位置からの測定がしにくいことです。測定対象物までの距離と同じ長さの直径範囲の測定をすることになるので、離れて測定すると、広範囲の無用な場所の温度を測ることになってしまいます。 取説から転載 なるべく低い位置から、垂直下方向から沖に向かって30度ほど(正確には26.56°)傾けて測ると、前面の海面を測ることになります。 放射温度計シンワF-2 計測試験 比較対象は デジタル温度計 です。事前に校正して、-0.7℃した値が正しい温度と推定しています。 大気温度 20.5℃  (指示値21.2-0.7) 海水中温度 21.5℃  (指示値22.2-0.7) 海表面温度 17.6℃ さて、現場の海は水深30cmほどしかなく、接触式の測定では水面直下も底もほぼ同じ温度でしたから、接触式-放射式=3.9℃の差をどう解釈したらいいのか、どう補正できるのか? いずれにしても私には分からないことですから、メーカーに問い合わせるしかありません。 メールによる質問 ・・・・・・・・・・ 放射温度計 F-2 防塵防水 スリムクリップ 当該製品をAmazonにて2024.05.03に購入し使用しています。測定値の補正についてお尋ねします。 海水面を計測すると、別の温度計(接触式)の測定値との間に乖離があります。実例を例示します。  気温 20.5℃ (接触式デジタル温度計で計測)  海表面温度 

Temu の通販は使えるのか

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格安(逆安)通販サイト Temu に不安を感じる人が多いようです。拡大期の客寄せ販売とはいえ、安さに警戒するのも当然ですが、体験した結果どうやら詐欺の心配はないようです。 Amazonでは2024年4月から、従前の送料無料の下限購入金額2000円が3500円に引き上げられて、楽天市場の"3,980円以上で送料無料"に近くなりましたので、利用者もよりシビアになる必要があります。 Temuで購入した商品 100 個ステンレス鋼釣りスナップ 商品名には ステンレス、 説明には 高炭素鋼 という異なる表示、耐荷重表示が無い等のいい加減な販売姿勢がありますから、大事なことを想像で補う大らかさがないと、買えないですね。 私が購入した物はサイトの写真には見えない29mmサイズの10号100個で、支払った金額は444円でした。その後に値動きがあったようです。 それ以前にAmazonで探していた同等品は、 ローリングスイベル インターロックスナップ で、1199円/50個で☆4つの高評価だったのですが、消耗品として使用するために、最安価格品を探した結果にたどり着いたのがTemuの物でした。 今回のTemuの注文処理と配送はAmazonより格段に良く、中国からは航空便、国内はヤマト宅急便コンパクトの利用で、中5日で届きました。 過去にはAmazonで購入し、中国から直送の物もたびたび利用しましたが、品質粗悪、数量不足、2週間で届けば早い方、などが当然のようでした。 Temuで届いた物を 疑いの目をもって 目視の検品をしました。 数は101個あり、形態異常も無かったので、肩すかしの合格です。 上( A )=Temu   下( B )= YO-ZURI ローリングインタースナップの比較試験 私が過去に使用してきた物は上の写真(下)にある  ローリングインター黒5号 で、これと比較してみます。 1.    A はタル部分がひ弱に見えます。おそらく強度比較では劣るでしょう。 2.   磁石に付けてみると、明らかに A は付着力が強いので、鉄の含有量が多いことが分かります。 左( A )=Temu   右( B )= YO-ZURI 3.    A はステンレスではなく高炭素鋼のようですから、錆びには弱いでしょう。 3%程度の食塩水に浸して12時間置いた前後の写真です。

釣針は通販で購入がお得

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釣針は種類が多く、少量ずつ購入するのが一般的のようですが、たび重なると馬鹿にならない金額になりますから、常用する物は通販利用でコストダウンすることを推奨します。 例えば一例として、 自作サビキ仕掛け に多用される針で比較してみます。 がまかつ  22.9円/本  小アジ(金) 胴打 7号    12本入 275円(税込)   送料なし 実店舗価格上代 ハヤブサ  9.4円/本  小アジ胴打 金 7号     56本入 528円(税込)   送料 無料(条件あり) タイガー針  8.7円/本  小アジ(胴打・叩) 7号  100本入 675円(税込)   送料 190円 土肥富  9.5円/本  アジ針[胴突],叩 7号    100本入 682円(税込)   送料 270円 国内メーカーが製造(企画)販売する物は品質に大きな違いが無いと考えるなら、価格の違いで選ぶことになるでしょう。 Amazonでは同時にAmazon発送の商品を3500円以上買わないと送料が無料にならないので、要注意です。届くのが早いのは利点です。 メーカー直販は低価格ですが、送料、届くまでの日数、支払方法(手数料)に留意が必要です。 私は、最近もタイガー針から白針を200本買いましたが、送料込の1本あたり価格は 7.1 円でした。この針は サビキ仕掛けの自作 に使いますが、ハリスが縮れたら交換して再利用できるほど、耐久性に優れています。 ちなみに、タイガー針では一種類1000本まとめて買うと30%値引きになるのですが、さすがに700本使い切る前に、高齢のこちらが終わりそうです。 ともかく、釣具は何によらず高価だと思うのは私だけではないようです。こんな細かな積み重ねで出費は抑えたいものです。 関連記事 サバ皮サビキ仕掛けを自作 サバ皮の代用品でサビキ針を自作 ピンクスキンのサビキ針を自作

活き餌の小アジを弱らせないための注意

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泳がせ釣りの活き餌の定番は小鰺です。 アオリイカを狙うヤエン釣り   とともに青物やフラットフィッシュ等を狙う 呑ませ釣り でも、アジは必須といえる活き餌です。その小アジの活性が釣果を左右するので、弱らせないための扱いは重要です。注意すべき主なポイントを記します。 1.   魚体を空気に触れさせない 魚は生まれてから死ぬまで、常に水中で過ごす生物ですから、魚体、特にエラが空気に触れるのは厳禁です。地上で暴れさせると、口やエラブタが開くことがありますが、これが最悪の状態です。 実釣では掛けた大物をタモ入れする前に空気を吸わせる操作をしますが、これは弱らせるための操作です。 活き餌を水中で針掛けできない場合には、海水を含ませた マット やスポンジなどで覆って操作すべきです。素手で握るのもNGです。 2.   衝撃 (打撲や温度変化) を与えない 打撃的なショックについては、投入着水時になるべく優しく、が肝心です。現地で釣って自給の場合には、釣獲時に地面に落下させずに生かしバケツ(バッカン等)に直接落とし入れることです。あわせて容器容量に対しての 過密収容による傷 にも注意が必要です。 温度変化は、海水温と地上に置くバケツの水温差に気遣いが必要です。水温差の1℃は空気温度差の10℃に匹敵するとも言われています。5℃もの水温差があると、生死に関わる相当のダメージになるようですから、海水温と気温の差に注意しましょう。 3.   出血を抑える 出血の原因は針掛けの針穴です。血管のほぼ無い軟骨部分である鼻掛けが最も出血が少ないです。背掛けや尾掛けでは、血管を意識して避けることはできません。 針を尾柄に縛る方法 もあるので、試してみましょう。 4.   保管・移動中は酸素を切らさない 最近では、釣り場に12v仕様の揚水ポンプと水槽を持ち込む人も見受けますが、かなり大掛かりな設備になるので、 スカリ か 活かしバッカン  等が適当でしょう。 車での移動には、 アジバケツ が向きます。少数で短時間ならブク無しの 蓋つき密閉バケツでの移送 も可能です。私は、自作の 活かしバケツ を使っていますが、網製やシート製でないことの利点は破れないことです。 ウツボの食害  も避けられます。 泳がせ釣り は食物連鎖上位の大物狙いなので、そもそも釣果が得られにくい釣りです。つまり、餌代が

活かしバケツを改良/泳がせ釣りの活き餌用

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改良前 ← 活かしバケツ → 改良後 泳がせ釣りの活き餌とする小魚を生かすためには設備が必要ですが、最も簡便で確実な方法が、海中に置く  スカリ  や  活かしバッカン  です。自作なら100円ショップのプラスチックバケツに穴を開けると、安上がりです。 上の写真はその自作バケツですが、身(本体)の下部に穴を開けていない訳は、地上に引き揚げた際の魚のスレ傷を防ぐためです。アジの場合に顕著ですが、互いのゼイゴで傷付けあって保ち(生存時間)が悪くなります。 (全面網のスカリや活かしバッカンでも起きます。) バケツの全面に穴を開けないことにより、水の入れ替わりが不十分なために魚が酸欠で弱る傾向があるので、蓋部分の開孔率を更に高める第二次の改良を加えました。 自作で蓋をステンレスメッシュに替えたのですが、これには少しばかり手間がかかりました。当初は市販の ステンレスざる の利用を考えましたが、実寸に不安があるので、バケツ現物に合わせて蓋を自作しました。 ダイソーにもサイズ的に使えそうな200or300円のステンレスざるが有りましたが、 強度 (線材が細い)と 材質 (SUSの種類)に 不安 があり、 ゴミ になることを恐れて避けました。 今回はちょうど 獣害防止 に使うために手元に在った物を利用したので材料には困らなかったのですが、この ステンレス亀甲ネット はホームセンターの切り売りに無いと、少量の入手は難しいようです。 作り方は、亀甲網の中に 硬質ステンレス線 を円形に縫い刺して通し、その外側で亀甲アミをニッパーで切断して、端をラジオペンチ折り返して止めるだけです。難しい技術はありませんが、根気の要る仕事でした。 参考ですが、亀甲網の切断には 強力ニッパー が無いと難儀するでしょう。このニッパーは、パチンパチンと小気味よく切れる優れ物です。 バケツの身への網蓋の取付は2点で、固定する側は5mm径の ショックコード で結び、開閉する側は モビロンバンド と自作フックで着脱できるようにしました。 主材料の亀甲網が計算上は1枚分約300円だったので、蓋付きバケツの100円と比べると高価ですが、さて効果のほどは如何なものでしょうか。 見た限りでは、開孔率が大きく向上していますので期待はしていますが、結果は分かり次第追記します。 なお、本記事のプラスチックバケツは、

活き餌用小魚の"針掛けマット"を自作

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泳がせ釣りでは、釣り針を小アジ等の小魚に掛けることが必須ですが、この操作時に小魚を弱らせないことが大事です。アガッた(死んだ)餌は泳がないので、餌の価値は致命的に低下しますから。 活き餌を弱らせないための総論は 別記事 にしましたが、ここでは針掛け時の静置環境に絞って対策法を記します。平たく言うと、暴れさせて弱らせないための 目隠しふとん 作りです。 魚も人間同様に、目からの視覚情報に反応するので、目をふさぐと静かになります。また、皮膚が空気に触れることも嫌うので、棲息していた場所と温度の海水で覆うことが必要です。 これらを実現するのが、棲息場所の海水で濡らした柔らかな 敷布団 と 掛け布団 です。これで頭からすっぽり覆えば、暴れることが少なくなり、弱りが軽減されます。 私は従来、焦げ茶色の小さなタオルで包むことで、それなりの効果をあげてきましたが、一つ問題がありました。動くと前に進んで、タオルから抜け出してしまうのです。 位置直しの手間だけでなく、動く際に魚体表面の粘液がはがれてしまうことになるので、改善の必要を感じていました。 特に  尾柄と針を糸で結ぶ方法  など両手の指先を使う操作では、魚を手で押さえることができないので、魚が暴れないことが必須になります。 "針掛けマット"の作り方 マットを作るにあたって、まずは素材です。水を多く含みやすいマイクロファイバーの物で、ダイソーのダスターを選びました。 同様の素材であれば、加工のしやすさで他の選択もあるでしょう。 右は解体後の1枚で、これを半分に切り、折って切断辺を縫い留める。 製品そのままでも使えなくはないのですが、2枚を縫い合わせている糸を リッパ- で解体した後に半分に切ることで、2枚×2 = 4枚作れます。体側片側が開いた寝袋状の物です。 実際のミシン作業は、(2辺を閉じるように)1辺を縫うだけのことです。結果は、縦横の長さが違うので、2種の長さで使えます。 "針掛けマット"の使い方 左端が縫い留めた辺 魚を定規のように2枚の布の間に挟み込む 使用時には、海水に浸けて温度を同じくした濡らした台(板)の上で、随時マットに海水を掛けながら行います。(台とマットの間にごく柔らかいスポンジを入れると、なお暴れにくいです。) 本記事では、小アジの 尾掛けを想定 して

車中泊釣り/2023年の総括と2024年の目標

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越前漁港で釣った1.8kgアオリイカ 昨年2023は、数えてみると7回の旅で82泊(車中47泊)しました。前年より少なかった主な原因は、3月の手術(白内障)でしたが、釣りの中身はどうだったか検証してみます。 2023年の目標と結果の総括   2023年の目標  (1年前に決めたこと) 1. アオリイカ を自給の活き餌で釣る。 2. マアジ を必要十分に効率よく釣る。 3. タチウオ を必要十分に釣る。 4. 健康維持と増進に努めて1.~3.を担保する。   2023年の結果 1.は 〇 。2.は 〇 。3.は △ 。4.は  〇 。 目標に挙げなかった 礼文島 での鮭鱒釣りが 穴釣り に化けてしまったのは、温暖化による海水の異常高温のせいだったので、残念無念としか言えません。 和歌山・新宮港で釣ったF4タチウオ  2024年の目標 1. タチウオ を必要十分に釣る。 2. マアジ を必要十分に効率よく釣る。 3. アオリイカ を自給の活き餌で必要十分に釣る。 4. キジハタ 釣りを習得する。 5. 健康維持と増進に努めて1.~4.を担保する。 北海道(利尻・礼文)の 鮭鱒釣り も計画したいのですが、内地の他の釣り物と時期が重なることと経済が許すかどうか、フェリー運賃総額約10万円がネックになるので、目標化は保留します。 旅釣りも数年の積み重ねによりターゲットが絞られつつあるので、深めることと楽しむことを目指したいと思います。 そのためにも、体力維持を目的とするウォーキングを続けます。これをサボったら旅釣りには行けないものと考えて。 さて、2024年はどんな魚たちに出会えるのか、楽しみです。良い年になりますように !! 関連記事 2023年の総括と2024年の目標 2022年の総括と2023年の目標 2021年の総括と2022年の課題 2020年の総括と2021年の課題 2019年の総括と2020年の課題 2018年の総括と2019年の課題 2017年の総括と2018年の目標

未利用魚をミンチにして食べる

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骨ごと挽いたエゾメバルのミンチ どんな魚も、毒が無い限り食べられますが、魚体が小型で骨が固い魚は、調理法の工夫にも限界があるので、食べにくいために敬遠されます。そんな魚を食べるための最終手段が、骨ごとのミンチ化です。 元々あまり美味ではない魚でも、味付けも材料添加も自由で、「魚種を問わずにどんな魚も食べ尽くす」という時代の要請にも適いますから、魚ミンチはとても有意義です。 ここでは挽き材の例を"エゾメバル"にします。北海道の方なら"ガヤ"という通称を知らなくない魚でしょう。大型ならそれなりの調理法で普通に食べられますが、残念ながら旨味が今一つの魚です。 おまけに骨が固いので、幼魚でも唐揚げで骨まで食べるというわけにはいきません。未利用魚ではないものの、現地では釣れても投げられる(捨てられる)ことの高い魚です。 2023年9月の北海道に鮭鱒釣りに行って、海水温が下がらずに空振りした私。仕方なく 穴釣り に興じていたら、ガヤ(エゾメバル)が溜まってしまい、ヘッドレスにして冷凍した物をたくさん持ちかえりました。 ヘッドレスを料理酒に漬けて脱気後に冷凍したガヤ 本来なら採肉、擂潰して"すり身"にして使いたいのですが、それには専用の機械が何台も必要なので、家庭ではフィレにしてすり鉢であたるしかありません。それはなかなかの手間のかかる作業です。 その代替としてミンサーで挽くことで、すり身に近い結果が得られます。ただし、水晒しするすり身とは別物です。 (筋原線維たんぱく質&筋漿タンパク質) ここでは、骨ごと挽いた物を全部食べるために、骨がほとんど気にならないように、ミンサーのブレードとカットプレートで切ります。電動が必須の作業です。 そこそこ使える 電動ミンサー であれば、骨ごと処理できるので、包丁の手作業は ヘッドレス までで済みます。カットプレートはできれば2mm目が欲しいところですが、高価な上に入手困難ですから、挽く回数を増やして対処するのが現実的です。 今回挽いたのはガヤなので、粗目と7mm目で各1回、5mm目で2回、3mm目で4回挽きました。それなりに時間も掛かります。ここまで何度も挽くと、骨はほぼ当たりません。市販品で言うなら、イワシ入りの 黒はんぺん 程度の骨です。 電動ミンサーの機種選定 私は、家

旅釣りは臨機応変に

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ワーム初体験 in 能登島大橋 初めて訪れる土地での旅釣りでは、いわゆる土地勘は一切ありません。想像力と総合力で臨むしかないので、不利で難しい釣りになります。 でもまた、その難しさが旅釣りの醍醐味でもあります。生活がかかっているわけではありませんが、人間力を問われているようなものですから。 今回は、荒天避難で来た能登半島内浦の海岸に閉じ込められた際のお話です。 登山で言うビバークのようなことは、 車中泊 の旅では珍しくありません。そんな時でも、周囲の観察や天候回復後の身の処し方は考えます。 2023.10.21 2日続きの雨の降り始め直前に見た50cmほどの浅海には、多い順に中小のチヌ(クロダイ)、鉛筆サヨリ、小メジナ、小アカエイが確認できました。 食べるための釣りの自分にとっては、あまり魅力を感じる魚達ではありませんが、狩猟本能には響きました。ヒトが見下ろしている姿が見えながらも、手ぶらの丸腰だと侮り悠々と泳ぐ様には、応える必要が有りはしないかと。 言葉を替えれば、暇な爺が魚を見てその気になっただけですが、ハハハ。 んー、どうしてくれようか。浅いがゆえの難しさに加えて、何をターゲットにするか? 底に這わせる パイプ天秤 のブッコミ釣りかな、イカ短冊を餌に。塩辛風味も生冷凍も用意しているので。 気になるのは、浅いこと。水深0.5〜1.0mでは、陽がある間はエサ釣りでは無理のように思いました。何しろ、陸から丸見えで泳いでいるのですが、見える魚は釣れないというのが定説ですから。 しからば、動きで誘うか、ルアーで。得意とは言い難いルアー釣りは、青物ジギングのナブラ打ちくらいしか実績がなく、苦手領域です。 でも、海を前にして試合放棄は情けない。さてさて、しばし熟考。何を狙うか定まらないなら、何でも釣れるとも言われる、ワームに決定。 DAISOで買って未使用の1.5gのジグヘッドに出所不明のワーム様の軟体物を挿して、雨の止み間に投げてみました。が、風が少しあったことと、 ロッド が硬いことが災いして、飛距離は10m程で、お話になりません。 1.5gは別世界のようです。エサ釣りで言うなら、0.4号錘を投げるのと同じですから、飛ばせるわけがありません。 雨に閉じ込められた車内でググること半日。結論が出たので、雨の中をDAISOと上州屋に行って買ってきました。ジグヘッドはカル

釣魚のアラで魚醤を作る

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魚醤   ( ぎょしょう )  を普段の料理で使う人は多くないように思いますが、残念なことです。この旨味を知ると何にでも入れたくなるはずです。伝統食品であるとともに、現代の加工食品にも多用されている旨味調味料です。 この魚醤の濃厚で芳醇な味が、釣り人ならただ同然で作れるのが魅力です。必要なものは、釣れても廃棄(リリース)する魚、食塩、容器、これだけです。屋外の物置に置ければベストです。 素人が魚醤を作る場合には、普通は店頭でカタクチイワシを買って作る場合が多いのだと思います。この場合には魚体のすべてを利用するので、当然に頭や腹ワタも入ります。栄養素的には、筋肉組織よりもアラ部分の方が同等以上に価値が高いと考えられること、そして廃棄部分であることから、今回は ほぼアラのみ で作り、経過と結果をシェアします。 魚醤の作り方 継続仕込み完了から15日後 1. 昆虫が出入りできない程度の密閉性のある蓋付きの容器に、新鮮な魚(全部または一部)を入れます。 2. 魚の重量の25%分の食塩を振りかけて混ぜ、陽の当たらない場所に静置します。  最後の投入後二夏経過すれば完成ですが、環境(温度)条件次第で一夏経過でも使えます。舐めてみて旨味ができていればOKです。(塩分を減らすことは不可能です。) 3.   シノア 又は 目の細かな金ざる(+濾し布)で濾し、醤油さしのような容器に詰めて常温保存します。濾すレベルは料理にもより、最低限は骨が混じらなければ良いのですが、透明にまで濾すとかなり減ります。 常温保存中も腐敗はしませんが、年単位で味が変わっていき、少しずつ旨味が落ちていきます。 魚醤の使い方 魚醤は製造(保存)中に腐らせずに発酵させる必要から、食塩を飽和状態で維持します。結果として旨味は強いですが、塩分も強く臭いもありますから、使い方に工夫が必要です。 魚醤を汁物に入れるなら、総量の1%程度までが臭わない限界です。これで食塩濃度は推定0.3%程度なので、汁物の標準食塩濃度1.1%との差分は、食塩を含む醤油や味噌など他の調味料も合わせて使えます。  濾した残渣は肥料として利用するのがベストですが、塩分が強いので使用量に要注意です。 魚醤製造経過の画像と味の変化 2023年9月に製造開始した物です。材料は北海道・ 礼文島の穴釣り で釣ったガヤ(エゾメバル)、ソイ類と買った ホ

釣獲魚(白身)の食べ頃と熟成

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遊漁者が釣り上げた小型の白身魚は、どのように処理して、いつ頃食べれば美味しいのか。北海道のエゾメバルを材料にした処理・管理方法と食味官能試験の結果を記します。 釣り人の多くは、魚は新しいほど美味しいと思っているようですが、それは必ずしも正解ではありません。なぜなら、大型魚や魚種によってはあてはまらないからです。 同じ魚類であっても、マグロ(赤身)とヒラメ(白身)では異なります。また同じ魚種でも大きさで異なります。これは周知の事実です。 釣った魚は、いったいいつ食べると美味しいのか。それを本当に分かるには、実験してみるしかありません。ということで、実際に試してみることにしました。試すのは、ガヤ。 釣って持ち帰ったエゾメバル 通称=ガヤ 北海道内、どこに行ってもガヤガヤとうるさいほど居るということから、道内での通称は" ガヤ "。少々馬鹿にしたネーミングかとも思いますが、愛称ということで。 道内では珍重されないガヤですが、内地人の私は数年前から ガヤの味 には親しんできて、蔑むほど不味い魚だなどとは思いません。外見に違和感は無く、きれいな白身ですから、扱い次第、調理次第とも思います。 より美味しく食べるには。先に結論を言うと、"熟成"です。 一尾ずつ釣り上げ、即締めして 血抜き し、ていねいに捌いて、雑菌を除去して、低温下に置き、熟成させて旨味を作る。 そのプロセスに難しい操作は何もありませんが、ガヤがこのように高級魚並みにていねいに扱われることは稀だと思います。目指すのは、コリコリのテクスチャーの鮮度感ではなく、寿司だねにするような、旨味重視の仕立てです。 いわゆる熟成には時間がかかるために、腐敗や変敗を防ぐ必要があり、これがポイントになります。遊漁者である私には、特別の装備や道具はありません。その中で考えた方法は以下の通りです。 長期保存による旨味創出のための魚体処理と管理 内蔵を傷つけずに取り出すために  カイコーン  を使用 腐敗の原因は雑菌(腐敗細菌)です。魚体表面(ウロコの裏側を除けば)には、細菌は多くは居ません。一番多いのは、消化管内で、次がエラです。なので、作業としては、ウロコを落とし、内臓に傷をつけないように腹を裂き、頭とエラごと除去します。 次いで、背骨の下側の血ワタ(腎臓を含む)や浮袋等を、ブラシも使って