未利用魚をミンチにして食べる

骨ごと挽いたエゾメバルのミンチ

どんな魚も、毒が無い限り食べられますが、魚体が小型で骨が固い魚は、調理法の工夫にも限界があるので、食べにくいために敬遠されます。そんな魚を食べるための最終手段が、骨ごとのミンチ化です。

元々あまり美味ではない魚でも、味付けも材料添加も自由で、「魚種を問わずにどんな魚も食べ尽くす」という時代の要請にも適いますから、魚ミンチはとても有意義です。

ここでは挽き材の例を"エゾメバル"にします。北海道の方なら"ガヤ"という通称を知らなくない魚でしょう。大型ならそれなりの調理法で普通に食べられますが、残念ながら旨味が今一つの魚です。

おまけに骨が固いので、幼魚でも唐揚げで骨まで食べるというわけにはいきません。未利用魚ではないものの、現地では釣れても投げられる(捨てられる)ことの高い魚です。

2023年9月の北海道に鮭鱒釣りに行って、海水温が下がらずに空振りした私。仕方なく 穴釣り に興じていたら、ガヤ(エゾメバル)が溜まってしまい、ヘッドレスにして冷凍した物をたくさん持ちかえりました。

ヘッドレスを料理酒に漬けて脱気後に冷凍したガヤ

本来なら採肉、擂潰して"すり身"にして使いたいのですが、それには専用の機械が何台も必要なので、家庭ではフィレにしてすり鉢であたるしかありません。それはなかなかの手間のかかる作業です。

その代替としてミンサーで挽くことで、すり身に近い結果が得られます。ただし、水晒しするすり身とは別物です。(筋原線維たんぱく質&筋漿タンパク質)


ここでは、骨ごと挽いた物を全部食べるために、骨がほとんど気にならないように、ミンサーのブレードとカットプレートで切ります。電動が必須の作業です。

そこそこ使える 電動ミンサー であれば、骨ごと処理できるので、包丁の手作業は ヘッドレス までで済みます。カットプレートはできれば2mm目が欲しいところですが、高価な上に入手困難ですから、挽く回数を増やして対処するのが現実的です。

今回挽いたのはガヤなので、粗目と7mm目で各1回、5mm目で2回、3mm目で4回挽きました。それなりに時間も掛かります。ここまで何度も挽くと、骨はほぼ当たりません。市販品で言うなら、イワシ入りの 黒はんぺん 程度の骨です。

電動ミンサーの機種選定

私は、家庭用電動の1台目は使用に耐えないゴミを買ってしまい、捨てました。そもそも家庭用レベルのミンサーで骨を挽けると標榜している機械は無いはずで、自己責任です。当然のように「魚の骨も挽ける」物を求めるなら、私も昔使っていた ボニー 電動式ハイパワーミンサー のような業務用の物になります。


けれども私が現在使っている 福農産業 電動ミンサー SG-30 でも実際には骨ごと挽けています。ただ、もともと付属するのは「カットプレート:粗目/7mm/5mm」であり、3mm目のプレートは捨てた1台目の付属品からの流用です。


カットプレートには、形状と径サイズで何種類かあり、径サイズの表示がされていないことも多いので、プレーとのみの探索には苦労します。

なので、無責任ながらお勧めするとしたら、使用経験がない機種ではあるものの、Poafamx ミンサー が良さそうに思います。これに別注で円盤型プレートをオプションで追加できれば、プレートが4枚になり、ほぼ完璧でしょう。

電動ミンサー 2800W は余りに安くて不安を禁じ得ませんが、写真では3mm目が付属しているようにも見えるので、当たりかも。遊び心でチャレンジするのも、良いかもしれません。

ここではガヤを例にしたので、カットプレートを変えながら8回も挽きましたが、内地の魚で同様に硬い骨の筆頭格は、イサキ、タイ類でしょう。他の魚なら、挽く回数を減らすこともできます。

魚ミンチにチャレンジするなら、まずは骨なしのフィレ(切身)から始めて、骨付きならイワシや小アジなどの骨の柔らかい魚で試すのが良いでしょう。

旨くても小骨の多いエソやクロシビカマス等、サイズに難ありのアジやタチウオ等を挽くと、美味しく食べられるので、ぜひお試しあれ。

ここで作ったミンチを使った料理は エゾメバルの味 で紹介しました。

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