クロダイの味/静岡県・湖西市での釣果

2024.09.18 釣果第1号のクロダイ

浜名湖では漁業者(のり、あさり等)から害魚扱いされているクロダイ(チヌ)です。これを 退治 すべく黒鯛釣りを始めました。もちろん 自産自消、食べるのも目的なので、ここでは白身ゆえの多彩な調理で、食味をじっくり紹介していきます。

アラ汁

2024.09.18
中骨で出汁を引き、味噌、味醂、砂糖で濃い目の鯉こく風の汁を作り、そこで梨割のアタマ、カマ、ハラスをサッと煮て完成です。本当は30分以上煮て、皮も柔らかくなるくらいが美味しいのですが、崩れて写真うつりが悪いので、今回はサット煮にとどめました。

先ず一口汁をすすると、んー美味。甘さ(味噌+味醂+砂糖)と少量のグルソーにも助けられてはいるものの、中骨から良い出汁が出ています。身の方は軽く火を通しただけなので、旨味がそのまま残っていてこれも美味。皮が硬いのは煮たりないので仕方ありません。

この料理の栄養的な最大の利点は、目や脳の周りにあるDHAを食べられることです。

また、釣魚を食べる価値は、この アラ汁 魚醤 を作れることにあると、私は思っています。まさに自産自消の釣り人の特権です。最後に残った骨は、家庭菜園で肥料になります。

ムニエル

2024.09.19
皮目に切り込みを入れて塩コショウし、小麦粉を薄くまぶしてオイルでソテーします。身の方から焼いて薄っすら焦げ色が付いたら、返して火を通します。仕上げにバターを加えて味と香りを足し、食べる際にレモン汁を垂らして、いただきます。

んー、美味。身が締まることも無く、柔らかな白身の淡白で繊細な旨味を元気づける小麦粉とバターが、この魚にピッタリの調理法です。(トラッドなフレンチの基本では魚の皮を下にして盛り付けます)

酒蒸し

2024.09.20
定番の食味調べの料理です。皮目に切り込みを入れて、酒塩に半日浸けておいてから蒸しました。

口元まで運ぶと、かろうじて分かるかどうかの磯の香が、鼻腔をくすぐります。究極の身質の柔らかさと酒で補強された旨味が、好ましい一品になります。ポン酢をかけたら、また一段と旨くなりました。

ブレサージュ トマトソース添え

2024.09.24
フィレにしたクロダイのアラでフュメドポワソンを作り、トマト缶、ニンニク、タマネギに白ワインを加えてトマトソースを作ります。フィレは白ワインで蒸し煮にして、ソースの上に盛りました。

肉系のトマトソースと違って、魚だしベースなので、トマトを使いながらもとてもマイルドです。蒸し煮の優しいクロダイの味を殺すことなく、意外といえるほど合います。一般家庭ではあまり作らないでしょうが、たまにはこんな料理も良いかも、です。

漬け丼

2024.09.26
ヘッドレス
にしてひと晩冷蔵した物を、そぎ造りの刺身に切りつけ、醤油:酒:味醂=2:1:1 の浸けダレに密封して一晩漬けました。その後冷蔵庫から冷凍室に移して2日間置いたのは、いきなりの生食に抵抗を感じる近年の風潮だけではなく、少々細かな寄生虫が見えたからです。‐18℃以下48時間以上の凍結保蔵は、寄生虫を完全に取り去るのが難しい場合の、標準的な措置(殺滅)です。

酢飯ではなく、炊き立てアツアツのご飯に乗せ、白ごまを振り、青じその千切りを天盛にし、わさびを添えていただきます。

しっかり味が染みているのは色から分かります。むっ、旨いですよ、これ、脂はゼロなのに。漬けダレとの相乗効果で、白身の強すぎない旨味が増したように感じます。2日間の凍結では、食感の劣化も無く、ヅケ特有のモッチリ感もあって、秀逸!!

家庭産の冷凍物は普通に刺身で食べるのにはイマイチですが、こうすれば生のヅケと遜色なくイケます。とっても良いのですが、家庭用の冷凍室(‐18℃)では長くても1か月以内ですね。それ以上置くと細胞の損壊が進んで、テクスチャーが残念な状態になるので、使い忘れに要注意です。

  今後の予定は、丸揚げ、etc.

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