オオモンハタの味/千本浜での釣果


白身でも身割れしやすいとの情報があったので、少々早目が良いかと、即〆冷蔵から36時間後の今晩はじめて試食してみました。

調理法に悩みましたが、刺身と酒蒸しにしてみました。酒蒸しは酒塩をまぶし、少し置いてから蒸し上げたものです。


まずは刺身を。(三枚おろしの包丁に脂が付きました)



脂は少々、旨みはホワーと口中に広がり、歯ごたえはモッチリと、臭みはゼロ。
これは旨い。噛むほどに旨みがにじみ出るようで、嚥下がもったいない。


次に酒蒸を。(蒸していて、滲み出す肉汁に脂が浮いていました)


脂は少々、旨みはシッカリと口中に広がり、歯ごたえはホロッと、臭みはゼロ。
これはなお旨い。ジューシーで締まらない白身の身質はサッパリとクドクなく、それでいて美味。かなり上等の食味です。ポン酢をかけて食べてみると、これは絶品。やはり魚には醤油が必須ですね。これに柑橘の香りと酸味が魚の味を引き立てます。


このオオモンハタの上品な味は白身のハタ系ならではでしょう。大物で脂の乗ったハタ類とは別種の、淡白でいて舌をくすぐるような旨さとでも言いましょうか。
総じて、旨い魚です。オオモンハタは上々でした。今日の魚なら料理法を選ばないでしょう。

先日のキジハタより、食味は明らかに上でした。

地域差、季節差、個体差などで大きく味の異なる魚のことですから、絶対はありませんが、オオモンハタは間違いなく美味な魚です。




追記 2019.09.23

2019年9月20日(金曜日)に西伊豆・戸田漁港で釣ったオオモンハタの味についての追加です。

釣り場で即〆し、血抜き後にヘッドレスにして冷蔵で持ち帰りました。


煮付け (釣獲2日後)


薄味のごくプレーンな煮付けですので、魚の味が素直に出るでしょう。全長20cmと小振りですが、さて一口。

淡い旨みが、柔らかな白身からゆっくりゆっくり浮き上がってきて、一口ごとに舌の上で旨みが積み重なっていきます。形が小さいせいか、文句無しに美味とまでは言いませんが、おいしいです、やはりオオモンハタは。

唐揚げ (釣獲3日後)


リリースしようか迷った15センチほどの幼魚でしたので、唐揚げを試してみました。塩を振って片栗粉をまぶし付けて、カラッと揚げました。

骨を外して口に運ぶと、香ばしさの後から旨さが湧いてきます。や、これは旨いです。モチッとトロッをミックスしたようなテクスチャーも良いです。

もっと大きくなってから食べてあげたいとも思いますが、この味を知ったら、リリースできなくなってしまいます。


追記 2025.12.03

愛媛県・南予での釣果

オオモンハタ釣果 in 愛媛県・南予

モツ煮 (釣獲1日後)

オオモンハタのモツ_腑分け後
畜鶏のモツよりもクセが弱く、魚のモツ(内臓)はとても美味です。本体の身肉より旨いことが多いですが、自分で釣るのでもなければ、新鮮なものが手に入りにくいので、釣り人の特権でしょう。ただ、岸壁釣りで釣れるような小さな魚体から採れるモツは分別しにくいので、私もたいていは利用しません。今回は釣り場に恵まれて30cm程度のサイズが5尾まとまって釣れたので、腑分けしました。写真に無い廃棄部分は、腸と胆嚢です。煮たてた煮汁でサッと煮ていただきます。

オオモンハタ_モツ煮
臓器ごとに味わいが異なります。肝臓は淡いキモの味で優しい美味。胃袋は、オヤッと思うほどの弾力があり、噛むほどに旨味が湧いてきます。後は腹腔内脂肪と一体になって、ニンマリと頬が緩むコク旨です。全体に回ったほのかな酸味はどこから出たのか、初めての経験でした。総じて美味、安い日本酒がベストマッチ。適量飲酒は健康に資するそうな。逆の意見も知ってはいるが。


追記 2025.12.04
兜汁 (釣獲2日後)

小さめの頭部だが凛々しい面構えのオオモンハタ
冷凍して持ち帰るのに嵩張る頭を落とした物を、汁にしていただきます。カマ上で切ったので食べるところは量的には少ないのですが、頭部、特に脳に多いDHAが摂れるので、捨てるのはもったいないのです。

オオモンハタ_兜汁
中骨やハラスなども入るアラ汁のようには出しが出ないうえに、昆布も無いのでグルソーで補い美味風にして食べます。頭はひたすら箸で解体しながら、しゃぶり尽くします。

オオモンハタ兜汁_食後
食べにくさを補って余りある美味。何と申しましょうか、これぞ日本人の魚食文化の極致でしょう。お見苦しき画像、平にご容赦願います。

刺身 (釣獲1・2日後)
オオモンハタ_刺身
釣獲当日にヘッドレスにしておいた物を、翌日と翌々日に片身ずつ刺身で食べてみました。全長22cmという小さめの魚体だったので、基本的に未完成の味のはずです。

1日目(翌日)
食感は弾力が有り過ぎでしたが、味は旨味が出始めていました。少しの脂が助けてくれて、さっぱり感の美味でした。でもでも、やっぱりハタは旨い。

2日目(翌々日)
トータルの美味しさは2日目の方が上と感じました。言葉にしにくいのですが、マイルドながら旨味が増したように感じました。ただし、身は崩れやすくなったので、軟化していたのでしょう。白身のオオモンハタといえども、小型では翌日~翌々日あたりが食べ頃ということのようです。雑味や嫌味のない洗練された旨さは、なかなかのものと思います、オオモンハタ。

近年、釣獲エリアが北上し、数も増えているようなので、自分的には期待の魚種です。

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