サゴシ(さわら)の味/敦賀新港での釣果


貴重な試食材料のサゴシの処理経過は、


敦賀新港で釣り上げたのが11/01の10:40頃で、すぐに脳の後方で血管と神経を切断して血ヌキをし、続いて頭と尾を落とすとともに内蔵を除去して海水で洗い、引き続き釣り場近くで真水の流水を使って内外を洗いました。それを急冷はせずに、空っぽ同然の+5℃ほどの車載冷蔵庫内で保存しました。帰宅後も+5℃ほどで冷蔵保存を継続。

2日余り後となる11/03の15時頃に再度内外を真水の流水で洗浄してから三枚におろしたところ、まったく身割れはなく、透明感が継続していました。これを調理して

湯霜造り    きずし

<サゴシの湯霜作り>

 三枚おろしの片身の中心部分を使い、腹骨をすいて小骨を抜き、湯霜作りにして再び冷蔵し、釣獲80時間後に食しました。少し臭いのある皮目にも味が潜んでいるので、皮を引かずに湯引きにしました。
 案の定で臭いは皆無に近く、大型のサワラから脂の分をマイナスするだけの美味でした。ただし、脂無しのマイナスは結構大きく、脂は味を構成する重要要素であることがよく分かりました。

<サゴシのキズシ>

 三枚おろしの片身の中心部分を使い、腹骨をすいて小骨を抜き、振り塩をして冷蔵庫に3時間ほど寝かせた後に水洗いして、水をふき取ってから甘酢に一昼夜浸け、釣獲80時間後に食しました。
 当然のごとく臭いは皆無でしたが、〆過ぎて魚の味を殺すとともに、締まり過ぎて固くなってしまいました。脂無しを考慮しなかった失敗なので、評価は保留です。浸けるのは2時間くらいが適当だったと思います。振り塩の保蔵も1時間でよかったでしょう。

他にも酒蒸と浸け焼きを食べてみました。

<サゴシの酒蒸>

 酒蒸(釣獲56時間後)はわずかながら特有の臭いが感じられましたが、旨みとホクホク感が素直に分かり、それなりに美味しく頂けました。ポン酢で食しましたが、土佐酢が向いているかも。

<サゴシの漬け焼き>

 三枚おろしの片身の尾に近い部分を使い、漬け焼きダレ(酒、みりん、醤油、砂糖、スダチ汁)に48時間漬けて、釣獲108時間後に焼いて食しました。薄めの味付けにして魚の味を殺がないように注意しました。
 非常に上品で美味な一品に仕上がりました。漬けたので当然ですが臭いは皆無で、魚の旨みと調味料の旨みの相乗効果が発揮されて、文句無し。脂無しの焼き物をここまでホロッと柔らかく食べられるのは、サゴシならではです。ちなみに、長い魚は尾に近い部分が旨いという定説があり、このサゴシにも当てはまるようです。

この他にも作ってみたい料理は多々ありましたが、1尾ではここまでで精一杯。釣りの腕を上げて、いろいろな料理を作ってみたいものです。釣りへの意欲の湧く魚であることが確認できた試作と味見でした。できることなら、より美味な脂のあるサゴシ(~サワラ)を釣って食したいものです。


和洋中華、何にでも使えるサゴシは貴重ですが、残念ながら流通を経たサゴシは美味とは言い難いです。小型ゆえに安価ですが、最も新鮮と思われるものでも、身割れと内臓の色移り(苦味も出る)した物を避けるのは至難です。場合によっては腸管内のアニサキスが身肉に移動しています。これでは安全に美味しく食べることは無理です。サゴシを美味しく食べることができるのは、処理方法を身に付けた釣り人が釣った場合に限られると言っても過言ではないでしょう。


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