釣り用ドライペレット乾燥コマセ製作-1

乾燥コマセ 開発の経緯


釣りエサは針に付ける付け餌だけでなく、魚を寄せるコマセを使う場合があります。昨今は生物系の餌を使わないルアー釣りをする人が多くなっていますが、今でも餌を使う釣りも健在です。

今回のテーマのコマセをドライ品にする乾燥化は、一般にも有用な場面が少なくないことが考えられますが、私の個人的な必要性は、釣りが遠征中心で、かつ軽バンの車中泊という制約が元になっています。寝起きする狭い車内に生のコマセ餌を置けば、いつ腐敗臭に見舞われるか分かりません。

今までも生コマセは塩蔵で塩辛状にして車載していましたが、いつでもどこでもコマセ釣りをするわけではないので、必要量だけ使えて保存の容易なドライペレットの製作に挑むことにしました。

ドライペレットの製作にはそれなりの道具や設備も必要になりそうなので、既成品が利用できればそれも考えたいところですが、どうもコスパ的には市販品は難しそうです。生餌より加工コスト分高くなるのは当然ですから、より安価で有効な物を求めるなら自作するしかありません。

ターゲットは、当面はマアジ(大)とし、利用形態はカゴ仕様とします。ドライペレットの製作はかなり難しそうですが、はたして釣れるところまで到達できるのでしょうか。


乾燥コマセの 機能目標


・遠投カゴからポロポロと出て行くこと
・沈降時にはペレット形状を維持すること
・海水中でゆっくり沈降すること
・ターゲットの魚が食べること


乾燥コマセの 設計


釣りは自然相手の趣味(生活の一部ではある)ですから、自然を壊すことは許されないと考えます。なので、環境に負荷をかける行為は極力慎む点に留意してドライペレットを設計します。

乾燥コマセの主材料は米糠とします。これは色々な釣りで実績がある物であることと、自分が無料で入手可能だからです。これに加えて海産生物由来の物では、アミの塩辛(塩蔵アカアミ)とカタクチイワシの魚醤(塩蔵カタクチイワシの汁)を使います。つなぎには小麦粉(強力粉)を予定しています。

製法は、原材料を練り混ぜてミンサーから押し出した物を乾燥させて砕き、ふるいで粒径をそろえる、というのが当初の計画です。当面の冬は天日乾燥ですが、実用段階では機械乾燥に移行する可能性も有ります。

釣法との関連


ターゲットを大アジとしているので、タナは底を狙います。ウキ流しでは正確に底を狙いにくいので、仕掛けは底から立ち上げる形とします。底にオモリ、その上に胴付き仕掛け(サビキ)、その上に浮力体内蔵のロケットカゴ、という仕掛けを予定しています。市販のロケットカゴに改造を加えたオリジナルの釣り方です。これを下カゴ仕掛けのように一直線に投入するためには、重い生アミでは困る、というのもドライペレットを志向した理由の一つです。鯵はアミコマセにピンクサビキが最も自然で釣れるのですが、ドライペレットコマセではサビキ仕掛けではなく、餌(擬似)付きの胴付き仕掛けが相応しいかもしれません。


ドライペレット化のルーツ


米糠はそれだけを撒いても粉状ですから、アジは寄っても口を使いません。けれどもこれに魚醤やアミ汁を混ぜてまとめると、アジは食べます。食べることによってアジのテンションが上がるのは、見ていて良く分かります。テンションが上がって奪い合って食うようにならなければ、サビキ針に食いつくことにはなりません。米糠に味を付けてまとめて食わせる、というのがコマセとしての米ぬかドライペレットのコンセプトです。当然ながら近年のアミ価格の高騰も、ドライ練り餌を開発する動機です。

シーズンの成果はオフの努力から


冬の間は寒さに向かって無理な実釣をしてもロクな釣果が得られないので、シーズンに向けた準備の一つとして取り組むことにしたペレット作成ですが、正直のところ難しそうです。多くの手間をかけるくらいなら、観賞魚用の餌やドッグフードのペレットでも使った方が手っ取り早いのもたしかです。でもそれらは決して安いものではないし、カゴに収用して送り届けるのに向くとは限りません。時間に余裕のあるリタイア人は自作でと考えましたが、さて本当にできるのでしょうか、ね。暇つぶしに終わるか、大アジを釣り上げて歓喜するか。


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