釣り浮きの自作/昼夜兼用でコスパ最強


今回の製作品は右から2番目

釣りの浮きは餌釣りの場合にはしばしば使われます。最近はルアー釣りかサビキ釣り(竿下)から釣りの世界に入る人も増えたので、浮きを使ったことの無いアングラーも多いのかもしれません。

そうは言っても未だ、釣りの浮きは大事なアイテムです。100円ショップでも売られていますが、ごく限られた種類だけですから、釣具屋さんで買う方も多いようです。そうなると、そこそこ値の張るのが釣りのウキです。

ここでは繊細で美しい浮きを趣味で作るというのではなく、自作で簡単に安く実用品を作ろう、という趣旨です。釣趣も大事ですが、コスパ重視です。

なぜなら、釣りの浮きは細い道糸に接続されているので、ラインブレークで流してしまうトラブルも少なくないために、消耗品的な性格があります。

トラブルのたびに1000円前後を失っていたのでは堪りません。
はい、前置きはここまで。


すきまスティック 13mm径 5m分

今回の浮き本体の素材は、すきまスティックという物ですが、切り売りでなくパッケージで買うと、カールぐせが付いていて使いにくいので、風呂の湯に浸けて事前にある程度延ばしておきます。

< 作る浮き >

想定はタチウオの餌釣り 視認距離 Max.30m 錘負荷=5号
食い上げのアタリが分かるように非自立とするため、錘は内蔵しません。(自立か非自立かはケースバイケースで、どちらも製作可能です。)

< 材料 >



すきまスティック 13mm径 20cm分

 独立気泡の発泡ポリエチレンで柔軟なため、壊れにくくウキに向く素材です。もともと建設・建築現場で大量に使われるものなので、安価です。

 13mm径のスティックは、20cmで浮力が約8号(30g)なので、1cm当りでは1.5gです。およそですが、8号-5号=3号の浮力分、20cm×3/8≒7.5cmが水面上に浮かぶことになります。

両面テープ

 強力な物は、修正の貼り直しができないので、この程度が向きます。

マーキングテープ 蛍光ピンク 30mm幅

 マズメ時は黄色が見やすいので、蛍光イエロー も良いです。

OPP テープ 48mm幅

 OPPテープは意外に丈夫で接着力が強く、水濡れにも強いので向きます。

ビニールテープ

 100円ショップの物は、粘着材に難ありです。

接着剤

 PEが接着可能な物

ビニールチューブ ← ケミカルライト付属の物

ケミカルライト 37mm長 4.5mm径

スイベルと糸


< 作り方 >

1. すきまスティックを20cm切り取り、両端にケミカルライト装着用パイプとスイベルを埋め込む穴を、千枚通しや細刃のハサミ等で開けます。


2. スナップスイベルをPE糸等で縫い刺して縛って留めます。


3. スキマスティックの湾曲を補正するように両面テープを縦一直線に貼り、その上からマーキングテープをらせん状に巻き留めます。


4. OPPテープを20cm余にカットして接着面を上にして置き、その上に3.を置いて、海苔巻き状にテープを巻きます。


5. ケミカルライト装着用パイプの下部に接着剤を塗り、穴に差し込んで接着します。


6. 上端、下端をビニールテープで強めに巻いて、絞るように留めて完成です。




上の記述と写真現物の相違点

・ビニールパイプを不十分な接着剤であるGPクリヤーで行ったために、パイプを2段階にして、埋め込み部分を外径4.5mmの物を3cmほど埋め込んで基礎として強化しました。露出部はケミカルライト添付の内径4.5mmのパイプを使用しました。

・下端を巻いたビニールテープに、赤色を使用しました。

< 完成テスト >

オモリ負荷 3

オモリ負荷 4

オモリ負荷 5

オモリ負荷 6

< テスト結果と評価 >

上の写真は海水を4Lのペットボトルに満たした中へ静かに沈めたものです。いずれも直立して浮いていますから、想定どおりの錘5号負荷程度に出来上がりました。

ぎりぎりまで浮力を殺すなら、6号錘でも使えそうです。ただし、波浪次第ですが常時浮沈を繰り返すと見難いので、基本は5号でしょう。

昼間は視認性重視で3号錘、夜釣りでは5号錘という考え方もあります。

< この浮きの長所と短所 >

 長所・・安価なうえに壊れにくい
 短所・・スタイルが理想形でないために飛距離が伸びない

安価が特徴ですが、さて製作原価はいくらでしょうか。

すきまスティック(浮き1個あたり)が12.4円、その他はそれ以下ですが、正確には計算できません。合計は多分20~30円ではないでしょうか。

ただし同じものを25個以上作ればで、これはDIYの宿命です。仕掛けによって錘負荷を変えようとすると、浮きの号数違いを買い揃えることもありますから、そんな場合には、この自作浮きは自由自在です。


私は過去にも径(太さ)違いの材料でもいろいろ作って使ってきました。遠投カゴ釣りでも(下部に錘を仕込み 電気ウキトップ に換えて)実績があり、実用になることは間違いないので、このDIYはお勧めできます。

込み合う釣り場では見劣りしますが、37mmのケミカルライトが、最安で1個5.6円ですから、このセットで使えば、夜釣りの浮きのコスパとしては比類無しの最強でしょう。

最近はまぶしいほど明るい電気浮きが増えて、夜釣り独特の風情が壊されているように思うのですが、私だけでしょうか。


・・物を大切に・・  し過ぎかな

夜釣りでも、日暮れから夜明けまでの通しでやることはあまりなく、実際には、未だケミカルライトの灯が残っているうちに終ることも多いでしょう。

その場合は、持ち帰って冷凍しておくと再び使えます。暗めなら、水中の仕掛け周りで使うと良いでしょう。


追記 2019.11.02

作り方 2. の PE糸等 ですが、PE糸を使う場合には解け難い結束をしたうえで、接着剤の使用が望ましいです。耐久性で劣りますが、滑りにくい太目の木綿糸を使うのも良いです。


コメント

  1. やっちゃん2021年7月5日 7:09

    作ってみました!めちゃめちゃ簡単で、ちゃんと実用に耐えそうなものができました。百均ウキよりはるかに安く、しかも好みの浮力に作れるのが良いです!最高の情報をありがとうございます!

    返信削除
    返信
    1. 御礼をいただくなんて程の物ではありませんが、お役に立てて幸いです。釣具屋さんの物はなんでも高いので、共にDIYに励みましょう !!

      削除

コメントを投稿