メジナの味/西伊豆・戸田湾で貰った魚


真夏ではないものの、冬から春に旬を迎える伊豆のメジナとしては時季外れのせいか、遠投カゴの釣り師が下さった魚です。

メジナとしては、型物とまでは言えないものの、ちょうど30cmの立派なサイズです。見たところ扁平で薄い魚体に脂が無さそうと見えましたが・・。

生きているうちに釣り場で〆て血抜きをしてから、カマ上のヘッドレスにして洗って車載冷蔵庫に。

ちょうど3日後に三枚におろしてみたら、包丁に薄くですが脂が付きました。ほーっ、この時期にね。そう言えば、こんな時期に良型のメジナは食べたことが無かったか。


刺身(平造り・湯引き) (釣獲3日後)


定番の刺身は、平造りと湯引きにしました。さて、どうでしょうか。まずは純生の平造りから。夏には警戒する臭いは無し。口に運んで、モグッ。固くない程度のモッチリ感が好ましいです。醤油なしでも、味にまったく違和感はありません。さすがの鮮度ですから、当然ではありますが。

メジナ特有の旨味もあって、なかなかの味です。醤油にワサビを加えると、んっ旨いですよ、これは。頂き物の魚としては上等ですね。なんで食べないんだろう、あの人は。もったいないですねー。

続いて湯引きを一口。これも平造りと同等以上の味です。もともと臭みがなかったので、湯引きのマスキング効果は必要ないとも言えるのですが、別物に変身ともいえる味で、どちらかというと私はこちらが好みです。

この時期のメジナも、大丈夫なんですね。また一つ学びました。魚は、時季、場所、その時の海況(餌)で、どうにでも変わるし、個体差まで言うと1尾ごとに違うので、まことに難しいです。

でもとにかく旨かったので、幸せでした。


塩焼き (釣獲6日後)


刺身が良かったので、難関の塩焼きに挑戦です。塩だけの調味ですから、かなり良い物でないと塩焼きで美味に食すのは無理です。覚悟の上のチャレンジです。

縮むのは分かり切っているので、大胆に深い包丁目を入れてたっぷり粗塩を振り、電気グリルで浅めに焼きました。ガス火よりはカラッと焼ける気がします。

焼きあがりを、一口放り込みます。んー、香ばしくて良いですね。柔らかな身をかみしめるとジュワーッとジュースがにじみ出ます、旨っ。

6日間熟成させてからの焼きたてですから、不味いはずはないのですが、魚の力もなかなかのものです。いけます、これは。物が良ければ、まずは塩焼き。正解でした。


アラ汁 (釣獲6日後)


カマ上のヘッドレスから先の2品を取った残りで、みそ汁を作りました。三枚おろし2枚で約300gだったので、推定元重量は約500gの魚です。アラの量もそれほど多くなく、2人分に少し足りないくらいでした。それでも、あえて魚の出汁と味噌だけで作ってみました。

一口吸ってみると、濃厚とは程遠いものの、意外にしっかりと出しが出ていました。汁の表面にはわずかながらも脂が浮かび、整った味に満足です。カマや骨に付いた身も美味しかったです。

やはり釣り魚の贅沢です。メジナは美味!!。


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