クロソイの味/北海道鬼脇港での釣果

ソイというと寒海の魚というイメージがあるように思いますが、分布域は広く、沖縄を除くほぼ全国と言われています。

釣りの世界ではロックフィッシュと称される、いわゆる根魚のカテゴリーの有名どころです。

根魚という名の通り、岩礁帯に居付く魚ですから、釣り人の多い海岸では釣り尽くされ易い魚で、大型魚は船からの釣りになるのが通例です。


今回のクロソイは利尻島で釣ったもので、さすがに最果ての離島まで来るとこのサイズが堤防の穴釣りで釣れます。

ただ、ロックフィッシュに共通することとして歩留まりが悪く、頭でっかちゆえに可食部は少なめですから、料理する者としてはこの程度のサイズは欲しいところです。

白身の筋肉質ですが、ソイの仲間の中では解硬(鮮度低下)が早いと言われていますので、硬いのは新鮮の証ともいえます。

今回の魚は、釣獲後の経過時間としては、少し早めかと思います。

刺身 平造り (釣獲1.5日後)


旅先ゆえにお皿の用意も無く、バットに盛った刺身は、なんだか科学実験材料のようです。まっ、味には影響はないはずですから。

口元まで運んでも磯魚のような特別の匂いはなく、抵抗なく口に入りました。舌の上で転がすと、ほのかな甘みが拡がります。

噛締めると、歯ごたえ十分な中から、旨味がにじみだします。悪くないお味です。

続いて、わさび醤油をまとわせて試すと、やはり格段に味が上がりました。いつもながら、旨味の相乗効果に感心します。

理想に近い処理をした魚なので、もう1、2日冷蔵で熟成させた方が旨味が上がるのかもしれません。

酒蒸し (釣獲1.5日後)


皮付きの身に切れ目を入れて、酒をふりかけて振り塩をパラパラ。少しなじませたら、電子レンジでチン。旅先なので、酒蒸しもどきです。

まずはそのまま口に運びます。特別の香りは無く、熱々の身から美味しいジュースが溢れます。アッサリの中に上品な旨味があり、なかなか佳いですね。

次にポン酢を垂らしていただきます。んー、これは旨いです。立派なお味を体験して、"北海道の鯛"と呼ばれることに納得がいきました。

2023年 礼文島 編

2023年に再訪した北海道、この時は礼文島でした。この島で 穴釣り で釣ったクロソイの味を紹介します。

潮汁 (釣獲当日)

脂の浮いたクロソイ潮汁
 潮汁でいただける魚は、多くはありません。さばいた二つの頭だけを鍋に入れた時、これは味噌汁ではなく、潮汁でいくと決めました。魚の個性、鮮度、大きさ(36、27cm)、そして直観です。汁を味わうことに徹して、長めに煮出しました。

一口すすってみたら、、、正解。旨いっ、の一言でした。記憶にある限りで言うなら、アラの潮汁には負けますが、他には負ける魚はなかったように思います。

 骨以外は残さずしゃぶり尽くしましたが、出し殻になってしまったのか、身の味はさほどではなかったです。まぁ、当日の硬直中の魚の身なので、味ができていないのも当然でしたが。出汁は、主に骨から出るんでしょうか?

 使用した昆布が、乾燥途中で生乾き状態の未完成品だったので、グルソーを少々追加しました。

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