西伊豆・戸田漁港新堤でマルソーダを狙う


2018年9月28日 午前5時40分に第1投。

私の定番である25gのゴールドのスプーン+タコベイトで、底を取ったら後は毎秒1回転ペースのタダ巻き。途中で沈めることもしません。スプーンなのでしゃくる意味も無いから横着者の私向きなのです。60m位は飛んでいるので水深は20m近くあるはずで、フリーフォールで沈めると時間がかかります。

ロッドを置いて、弁当を一口入れてモグモグ、お茶を含み、時計を覗いて、ロッドを再び手にして、最後はテンション掛けて、着底。深いのでこれだけの時間がかかります。深いのは良いこと、と勝手に思いこんでいるので、ここは好きなのです。

休みながらも、8時近くまで投げて巻きを繰り返しましたが、ノーバイト。なんじゃこりゃ。回遊魚の青物は、原則としては目の前を動くものが横切れば食いつくはずですから、ルアーチェンジなんて無用、私はそう思っているのです。タナは大事だとは思っていますが、とにかく回遊してくる魚に遭遇するかしないかで決まるのでしょう。

地元ではあまり多くないルアーマンのベテランI氏が来られたので尋ねると、今年のソーダは水面でナブラが立つようなことはほとんど無く、魚影は薄いとのこと。そのせいかどうか、ジグにヒットすることが無いそう。アンマッチ・ザ・ベイトかもしれないという主旨の意見でした。

これを聞いたら途端に投げる意欲を喪失。少し離れた所で投げている遠投カゴ釣り師たちにもアタリは皆無のままですから、どうにもこうにも手が出ません。彼らは15~20mの棚を狙っているので、そのタナには魚が居ないことが分かっています。それなら表層を狙ってみるか、ということで仕掛けを変更することにしました。


弓角を使うのは久しぶりです。ジェット天秤18号+ハリス4号2mにピンクの弓角です。竿は安物の3.0mの投げ竿にナイロン4号ライン。底まで沈めたり、中層で巻き始めたり、いろいろ試すものの・・。得られるものは疲労感だけ。とてもじゃない、こんなことをしていたら1日は持ちません。

投げては巻きでは、基本的に途中のお休みは不可ですから疲れるのです。ということで、次なる仕掛けは表層狙いの省力化仕掛けです。投げた後はいつでも停められるし休める、ということで超スローで巻くことも可能です。飛ばし浮き+弓角という仕掛けです。

自作 飛ばし浮き の初使用




この飛ばし浮きはかなり以前に作ってありましたが未使用でした。100円ショップで見つけた多面体のスーパーボールに穴を空けた物です。この浮きは竿を立てて早く引くと水面をバチャバチャ跳ねるような感じで、竿を水面近くに下ろして引くと時々潜行しながらヒョコヒョコと、初使いの結果は良好でした。

水面にほぼ沈んだ状態の比重が良いのでしょうね。重さは40gですから換算すると11号弱で、鉛よりずっと容積があるために空気抵抗が大きいので飛距離はあまり出ませんが、実用上は問題ない程度に飛びます。ただし、視認性はほぼありません。

ほぼ満足しつつもケチを付けるなら、やや弓角が浮き過ぎの感がありました。表層でバイトするソーダやシイラはこれでヒットするはずですが、ちょっと食わせるタイミングが短すぎるように思えたので、手を加えました。

2mのハリスをトローリングで使うビシマ糸のように改造して、噛み潰しオモリを3箇所に付けました。これが奏功して、弓角が回転するギリギリの遅いスピードで引いてくると、ちょうど水面下10cm程を引けるようになりました。

これでヨシ。ひたすら立って投げては座って巻き、立って投げては座って巻き、・・リフレイン・・。ルーチンワークが不得意な私は、、もうイイワ。
微風の下、空は晴れ渡り、そして岸壁上の釣り人にはドンヨリと沈滞ムードが漂い。

さて、こうなったら何をすればいいのか。時々はネバーギブアップを臨時の信条とする私としては。そうそう、作ったばかりの天秤パイプを試してみよう。

ブッコミ釣りのはじまりはじまり。餌はいつ以来車内で眠っていたか記憶にもない熟成イカ短冊。短冊に切ったイカを塩で〆てから、アミの塩辛に浸けた物です。小魚以外には未だ実績が無いので、これもお試しです。

ブッコミ釣りは、場所によっては仕掛けのロストが激しいのと、餌代が高くつく、それに加えて虫餌のアレルギーで指の皮が剥ける私には、端から向かない釣りだと避けてきたのです。

最近になって興味を持ちつつあるのは、釣り場のバリエーションが広いことを考えたからです。どんな場所でも、とりあえず放り込んでおけば、釣りをしていることになりますから、時間の無駄が無いですね。

さて、根掛かりしにくくて食い込みが良いという天秤パイプの仕掛けに18号のナス型オモリを付けて、ブィーン。フリーで沈めて、着底と同時に手前に少し引いて仕掛けを這わせ、と見てきたようなことを頭に描きつつ、竿を置きます。後は果報は寝て待て、ですから。これが楽なところです。手持ちはシンドイです、高齢者には。

しかし待てど暮らせど竿先はピクリともしません。お茶を飲んで、メールチェックして、周りを観察して、隣の人とお話して、・・一度あげてみるか。

巻き始めたら・・ぐうーっっっ、巻けません。あーあっ、1投目から根掛かりですか。手に巻いたタオルにナイロンラインを巻きつけて体ごとバックしていくと、重いけれどもゆっくりゆっくり糸が引けます。ゴミ確定。糸が切れないようにゆっくりゆっくり休まずリールで巻いてくると、ゴミは途中で落ちて、魚が見えました。あっ、えっ、おっ、魚が釣れた?


可愛い姿は何でしょね。すぐには名前が浮かびません。翌日確認してメイチダイでした。
小型ゆえにシメルまでの必用は無かろう、ということで、ビニール袋に入れてから、たっぷりの水氷に浸けました。初めてのブッコミで、しかも過熟エサで、釣り(れ)ました。私のモチベーションにとっては、結構重要な1尾なのかも。

とりあえず、サイズに拘らなければボウズを逃れたことになるので、一安心です。続いて投入。何投したかなど数えるほど律儀でない私の記憶に残るのは、揚げる度にゴミとの格闘をしたことだけ。


早朝からの努力に免じて、お昼は麦系カン飲料付の豚角煮入りモヤシラーメンで至福のひと時です。車横付けの場所は、お陽様で作った電気で調理したり、車で日除けもできて最高です。これで釣れれば、もう天国の向こうの極楽です。

昼食後しばらくして、またゴミかと揚げたら、魚が一緒に上がってきました。おー、今度はなんだ?


これは分かります。高級魚のハタ。オオモンハタです。でも、高級は大きくなればの話しで、リリースという言葉が頭をかすめるサイズなので・・、心中複雑です。

またも針を呑まれていましたのでお持ち帰りです。やはりブッコミ釣りにはネムリ針を使うべきですね。それにしてもちゃんと呑んで掛かっているということは、パイプ天秤の遊動仕掛けが効いているのかもしれません。

それにしてもこの日のここには、海藻ではない陸生植物の根や枝等が、底にはどっさり在ったようです。度重なる台風で戸田大川から流れ込んだのでしょう。仕掛けを2セット失い、ラインを切り捨て、それなりに失うもののある釣りである事は分かりました。

今までブッコミ釣りというのを真面目にやったことがありませんでした。なんだか技術不要のようで馬鹿にしていたのかもしれません。やってみれば、良いかも、です。そう言えば、このブッコミ釣りで大型のマダイを釣る人と能登の輪島で出会ったっけなー。

前夜の寝不足と早朝からの通し勤務でくたびれきっていたものの、夕まづめを迎えてからは最後の気力で飛ばし浮きを投げてソーダを狙ってみたものの、18時半前に至って、完敗が決定しました。また人生の貴重な1日を健康的、かつ爽快に、ただし成果無く過ごしてしまいいました。後悔はしませんが、反省の要はありかな。


翌日も午前中はなんとか天気が持ちそうな予報だったのですが、6時過ぎには早くも降りだしたので、竿を出さないままに撤収しました。製氷所前の岸壁に行って、カゴ釣り師から話だけは聞きました。夜釣りではサバが数出たが型は小さい。春のミニサイズの頃から途切れずに居るようで、大きくなったとはいえ、20cm前後のようです。他の物は何も出ず、とのこと。ご苦労様でした。

昼間のソーダは釣れてもほとんどがマルソーダで、たまにヒラソーダが混じるが、いずれも浮くことはなく、5~15mのタナでしか食わないソーダ。8月にはまだ数釣りがあったが9月には数が落ちたソーダ。

話を聞き終わって足元を見ると、居るじゃないですか、キンギョ(ネンブツダイorクロホシイシモチ)がウヨウヨ。私には垂涎の魚が。やはりここで夜の泳がせ釣りですな。秋が終って冬を迎える頃の再訪を約して、さようなら。


後日の情報では、前日9/27と翌日9/29の釣果情報は出ていましたが、この日9/28だけは釣果情報の発表なし。たしかに見えていた係留船2艘に釣り人の姿はありましたから、釣れたなら情報が出たはずです。やはり、この日は最悪の日だったのでしょうか。あまりの不運ですが、こんなものとも言えるのが釣りの世界、ですね。

そもそも今回は、三重県度会郡南伊勢町田曽浦を目指したのですが、台風情報を頭の中で処理する際にミスをして、一旦西に走り出してから途中で方向を転じたのです。より固く行こうとしたのですが裏目に出たのかも。

田曽浦へも年内には是非行ってみたいのですが、台風は24号が今夜来て、一週間後には25号が来そうな雰囲気ですから、まったくもってココはフィリピンか、そう思ってしまいます。地球温暖化なんてウソだとうそぶくトランプ御大が健在な間は、地球は受難の時代が続くようです。


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