泳がせ釣りを能登半島で 2018年5月

5月下旬、能登の海は初夏か晩春か。魚との出会いを求めて太平洋から日本海への釣り旅を敢行しましたが、結果や如何に。などと大袈裟に言うまでもなく、いつもどおりの渋ーい結果を、淡々と日記風に記します。


能登・北陸の海に向かって山道を踏破 2018年5月27日(日)



浜名湖至近の自宅を出て北へ向かう。岐阜県から国道471号線経由で、富山県境近くの 白木峰山麓交流施設大長谷温泉 に浸かって、その辺りの静かな山中で1泊するという計画を立てて行きましたが、国道471号線が不通で、道際に雪の残る山中の酷道をさまよった結果、富山市内まで足を伸ばして汗を流し、近くのパークゴルフ場のパーキングをお借りして快眠。


能登半島・輪島港マリンタウン客船岸壁で泳がせ釣りの活き餌釣り 2018年5月28日(月)



明るくなって起きだし、富山新港へ向かい、開港記念碑緑地広場前の岸壁(↑)と隣接の海王埠頭駐車場前の岸壁(↓)を覗くも、釣り人は少なく閑散としていて、釣れていないようなのでパス。


次いで氷見へ向かい、氷見漁港ウォッチング。泳がせ釣りができるかと期待して行きましたが、立入困難でちょっと無理のよう。羽咋市経由で北上して輪島市を目指し、輪島港マリンタウン客船岸壁に到着。


水深が7.5mで延長250mという大きな岸壁は、ガランとして人けもゴミもなく、とっても良さそう。車の横付けが不可なこと以外は、ほぼ理想的なロケーションですが、肝心の魚が居るのかどうか。

夕刻16時半頃から漁業資源調査(釣り)を開始。泳がせ釣りに必須の活き餌の小魚を釣るべく、味付き小角イカで探ると、こればかり。


大きさ的には手頃なサイズですが、クサフグばかりは餌にはならないでしょう。もしかして単なる思い込みだろうか??。小アジやイワシなどの好適餌が獲れないままに、終了。

ここには17時を過ぎる頃からポツポツと人が現れ、青物狙いでジグを投げたり、マダイ狙いでユムシを投入したりと数名が釣りをしていましたが、いずれも釣果は無し。


能登半島・能登町宇出津新港で泳がせ釣り 2018年5月29日(火)


4時半頃に目覚めたら外は明るくなっていて、カーテンを開けて寝ぼけまなこで岸壁を眺めていたら、立て続けにジグでフクラギが2尾揚っているのを見てしまいました。ヤッ、出遅れです。あわてて仕度をしてジグを投げましたが、釣れていた人もパッタリ止まり、終了。

朝食後、泳がせ釣りのための小魚を求めて輪島漁港内を見学に行きました。


活気溢れる漁港内はプロの世界で、小魚釣りなんぞ出来る雰囲気はありません。だいいち車を停める場所も皆無に等しいのです。岸壁から寄せ餌(コマセ用ペレット)を撒いて確認したかったのですが、それすら出来ずに撤退しました。



移動先は能登町宇出津新港です。ここには全長437m(地図上測定)の長い堤防があり、建前の立入禁止が有名無実になっています。だから入って良いということではありませんが、ベタ凪なので禁を犯して散歩しました。


沖側にはびっしりと海藻が繁茂し、釣り辛そうです。海面からの高さもありますが、先端付近では水深もありそうなので、遠投カゴ釣りなんかが向きのように思います。足元には小メジナとスズメダイが見えていました。


堤防の付け根の岸壁に陣取り、小魚釣りの開始です。底まで澄明な眼前にはスズメダイが多く、推定水深約5mの下層に小アジが少々居ました。隣の先行者が時折小アジを釣ってプレゼントしてくれたのと、私も2尾釣って、小アジは合計9尾まで増えましたが、午後からはほとんど居なくなってしまったので増えず。

活かしバケツの中にはスズメダイやベラ等も入りまずまず賑やかです。さて、夕方からはいよいよ泳がせ釣りを開始。ただし目の前の海は海藻だらけで、大きな期待は出来そうになく、使用する餌は小アジを温存して、雑魚中心で臨みました。


足元の垂らし仕掛けと沖目に投げたエレベーター仕掛けの二刀流で、紅い月に照らされながら20時頃まで粘りましたが、努力の甲斐なくノーフィッシュ。

風呂に行って戻り、岸壁で小鯵に添い寝。


能登半島・珠洲市の飯田港で泳がせ釣り 2018年5月30日(水)


前夜から悩んだ結果、早朝の釣りはここ宇出津新港を捨て、小木港へ向かうことにしました。いよいよ活き餌連れの旅の始まりです。午前2時頃に起き出し、10L入り蓋ピッタリ角バケツ の中に自作穴あき活かしバケツを入れ、助手席の足元に置いて出発。



約30分で能登町小木の岸壁に到着し、すぐに活かしバケツを海に降ろしました。総員元気一杯、は良かったのですが、薄明かりで見た海面にはたくさんのブイが浮かんでいます。そんな事実は事前の机上調査では知り得なかったことです。


段々と明るくなって仔細に見ると、どうやらブイの下のロープは各々独立した1本で、海底から直立しているように見受けられました。なので仕掛けは入れられそうですが、大物を掛けて走られたら絡む危険は覚悟しなければなりません。んー、、、。転進決定。活き餌帯同の2度目の移動です。

向かった先は珠洲市の飯田港。30分ほどの移動で活き餌には変化なし。少々あわてていたようで、事前の目当ての場所とはずれてしまいましたが、港内であまり条件に差がないように思えたのと、すぐそこにスーパーがあり、かつ空いていそうなこの岸壁に決定。


この岸壁は水深6m位でしょうか。水は濁っていて底が見通せませんが、あまり澄んでいるよりは良いでしょう。前日同様に小アジを温存して、スズメダイ、ベラ等の雑魚エサで足元とエレベーターの二刀流。

それに加えて、実釣テストが初めてのペレットコマセの遠投サビキ釣りをしました。3号3.6mの遠投磯竿で、仕掛けは遊動ウキの12号を付け、(改良)ロケットカゴSの下にサビキ4本針、そしてオモリ12号という構成で投げると、回転はせずに一直線で飛んでいきますが、今一つ飛距離が出ませんでした。

ウキを中通しに変えたり、オモリを重くすれば飛距離は稼げそうですが、竿も変えねばなりません。本気でアジを狙う時までに要検討です。ペレットとサビキ針との組み合わせが如何なものか、これも一考を要します。思い切ってサビキ針でなく、イカタンのエサ付けにした方が良いようにも思います。周りの人達がアミコマセを使うと負ける可能性もありますが、生エサの強みとの比較優位はどちらでしょうか。やってみなければ分かりません。

試行と思考で曇り空の一日を過ごしましたが、またもやノーフィッシュで終了。この湾内も海藻がびっしり繁茂しているために、投げサビキ仕掛けが針掛りして停まってしまいます。

風呂に行って戻り、今夜も岸壁で小鯵に添い寝。


能登半島・輪島港マリンタウン客船岸壁で泳がせ釣り 2018年5月31日(木)


目覚める前からの雨音が エブリイ のトタン屋根に響きます。本日は夕方まで雨の予報。昨夜から出しっぱなしの竿に雑魚を掛けて二刀流を投入し、あとは車中で読書。能登半島の先端まで行ってみたいという気持ちはあるのですが、泳がせ向きの場所ではないように思えて・・。夕方までに輪島を再訪することに決定。雨の止み間の10時過ぎに撤収し、活き餌帯同の3度目の移動です。


ここまで元気な小アジ達は総勢7尾。スズメダイ他2尾を加えた9尾が、酸素無補給で約1時間の旅に絶えられるのか、というテストにもなります。時期的には水温も気温も夏ほど高くはないので、多分大丈夫でしょう。

半島を横切って内浦から外浦へ出て輪島を目指します。一日雨の天気予報が外れ、輪島港マリンタウン客船岸壁に到着した昼前にはピーカンで、150wのソーラーパネル が126wの発電をしていました。(126wの数値はコントローラー内蔵の suaokiポータブル電源 の表示数値)

車から外に出るのに日照を遮る完全装備が必要で、とても釣りになる状況とは思えず、食事したり、シュラフを干したりとウダウダと過ごして、そろそろどうかと竿を出したのは15時半頃でした。


泳がせ釣りの活きエサは、いよいよ小アジ君たち真打の登場です。雲も出てきて日照が落ちてきて何となく良い雰囲気になってきました。足元に垂らした仕掛けと沖目に投げ込んだエレベーター仕掛けのいずれにも元気な小アジを針掛けして泳がせます。

でも未だ明るいので、まぁ、準備運動ね。そう思っていたところが、なにやらエレベーター仕掛けの竿がクゥー、フッ、クゥー、フッ、という動きをしています。恥ずかしながら、この時までこのエレベーター仕掛けでは魚を掛けたことがないので、アタリの出方を知りません。

何度も続くクウー、フッに、もう呑むなら呑んでいるだろうと、聞き合わせをすると、なにやら手応えが。それでも判然としないままに巻いてくると、銀色に光る物が見えてきました。
おぅーっ、魚だ!!。色からしてイナダです。否、ここは北陸ですから、コズクラorフクラギ。

25号負荷の鮭用投げ竿を使っているので、やりとりらしきセレモニーも無く、あっけなく軽々と抜き上げてしまいました。何はともあれ、能登まで来て完全ボウズは免れました。嬉しい、というよりは、肩の荷が下りてホッとした、というのが本音ですかね。

39cm フクラギ

続いてもう2.3尾は揚げたいところですから、〆て血抜きだけはして、すぐにまた元気な小アジを投入しました。釣った魚をヘッドレスにしてビニール袋に入れてクーラーの水氷に浸け終わった、16時頃には空の暗さが一層進んで怪しげな雰囲気になってきました。


こりゃ来るな、という危険を感じて、一部の道具と自分を車に退避させた直後、ポツポツ、パラパラ、ボトボト、ザァーッと本格的に降りだしました。ピカッ、ゴロゴロ。そのうちには、ピカッ、ドドーン。派手な演出です。


およそ1時間も続いた嵐が終わり、17時頃にはまた岸壁に戻って釣りを再開しました。
20時半頃の撤退までには何も起こらず、お隣の常連氏とおしゃべりを楽しんで、お終い。

翌朝にもこの場所で釣り続行の予定で、かつ以後は誰も来そうに無かったので、竿はそのまま置いて風呂に行き、戻って釣り座が見える所で就寝。


能登半島・輪島港マリンタウン客船岸壁で泳がせ釣り & 富山新港東堤で・ 2018年6月1日(金)


奥の灯が輪島漁港

前夜の釣り座に戻って釣り開始したのが3時半頃。数日前の朝のフクラギ目撃は5時半頃だったので、それを目安に気持ちを維持します。元気だった小アジも残るは2尾。この朝でここでの釣りが終わることは規定事実になっていました。

そんなこちらの都合には関係なく時は過ぎ、エレベーターで投入して海藻に絡んで傷んだ小アジを交換し、6時頃には最後の小アジが失われて、あとはスズメダイでの消化試合。

最後の小鯵を奪った犯人は、どうやらマダコだったようです。足元に垂らした仕掛が大きく上下し、これはアタリと判定して聞き合わせをすると、グゥーッとしめこんだのですが、直後にフッ。針だけが上がって来ました。

魚狙いのためにシングルフックでしかもネムリ針なので、まず絶対にイカ・タコには掛かりません。んー、口惜しいですね。タコ釣り専門の地元の人の言によれば、そりゃタコに違いない、今の時期だと1kgはあるから、と。掛け針をミックスした魚・イカタコ兼用仕掛けを自作考案中なので、なるべく早期に完成させる必要があります。

ともかく、ここでの釣りは終わりです。小アジやイワシなどの活きエサの調達が出来ない以上、ここでは粘りようがありません。それに加えて、6/2.3の2日間行われるイベントの準備が始まっていて、落ち着かないここで釣りをする気にはなれません。撤退あるのみ。

撤退の前に昨日釣った魚の処理を済ませます。駐車場脇に水道があるので、これもお借りして、ドレスで0℃保蔵してあったフクラギを剥き身にして、浸け焼きのタレに付けて冷蔵庫へ。今回初めての試みですが、どんな味に仕上がるか楽しみです。→ イナダの味


ただしフクラギ自体は痩せていて、身質も透明感がなくて白っぽく濁っていました。人間で言うと「産後の肥立ちが悪くて・・」ということでしょうか。スーパーで見たガンドブリ(ワラサ)ですら、脂は皆無でしたから、時期のせいでしょうね。


輪島を後にして富山新港に向かいます。ここまでは道連れの小アジ君たちへの気遣いがありましたが、伴侶無き独り身になると気が楽です。途中の公園で昼寝をして、開港記念碑緑地広場前の岸壁についたのはお昼過ぎ。釣り人はわずかで、アジはほぼ皆無、25cm位のクロダイが1尾バケツの中で泳いでいました。タコをばらした瞬間を見てから再び昼寝。


陽が傾くのを待って富山新港東堤に移動し、釣り人の少なさに驚きました。東堤全体で一桁という寂しさでしたが、私には好都合でした。

東堤先端から付け根方向を見る

でもやはり釣れていないのですね。20cmほどのクロダイを1尾見ただけで、他にはコノシロがポツポツ。日没を挟んで1時間ジグサビキを投げた私には、4バイト2ヒット2ゲット2リリースと、コノシロが遊んでくれました。1尾はスレ掛かりでしたが、


1尾はサビキ針をくわえて揚ってきたのが、ちょっぴり嬉しかったです。


頑張った1日も暮れて寒さが背中からしのび寄って来たのでオシマイ。
近所の銭湯でさっぱりして、360度道路に囲まれているわりには静かで、トイレ付きの駐車場でオヤスミ。


富山新港海王埠頭駐車場前の岸壁でジグサビキ釣り 2018年6月2日(土)


土日祭日は竿を出ないことにしている私ですが、例外的にちょこっと早朝のみ。
日の出の4時半頃には既に海王埠頭駐車場前の岸壁は釣り人が居ました。アジ狙いのベテラン爺にファミリー、そしてクロダイ狙いの人達が頑張っています。


先端の港内向きが空いていたので、そこからジグサビキを投げます。初めはそれなりの期待感もありましたが、30分も空振りが続くと、もういけません。

釣れない気分がムクムクと沸き起こり、あとは投げ練習に徹して、なんとか真っ直ぐ投げる方法が身に付きつつあります。でも飛距離がイマイチです。エサ釣りの副業のルアーでは、マスターという領域に達することは無いのかとすら思えてきますが・・。

なにしろ魚に巡り会う頻度が低すぎて、プラスの経験からの学びが得られなくて困ります。と、ブツブツ言いながら、1時間で撤収。この準備と片付けの楽さがルアー釣りの捨て難いメリットですね。

背中が見えていたアジ釣りのベテラン達は何時から来ていたのか、5時にはサッサとお帰りになりました。アジは少なくて10尾くらいとのこと。他はコノシロにヒイラギのようでした。

昨年秋のここでの釣り 以来の久しぶりでしたが、これにて今回の能登・北陸釣行はおしまい。

途中で2度の昼寝休憩をしながらも、夕刻には浜名湖岸の自宅に安着。
それにしても下道は遠く長く辛い。


5月末の能登・北陸への釣り旅の覚書


北陸地方・能登では今期は海藻が離れるのが遅く、小アジが少なく遅れているとの言葉をあちこちで聞きました。夏から秋にかけては間違いないと知っていながらも、そろそろ良いかと思って行った私には、決定的な悪条件となりました。何しろ当てにしていた小アジが手に入らなければ泳がせ釣りが出来ないのですから。そんな中でも貴重な1尾のフクラギを釣ったのは、私の努力の結果でもありますが、活きエサに使った小アジを譲って下さった若者のお陰です。先生ありがとう!!。彼女とお幸せに。そして輪島の岸壁で話を聞かせてくださった、地元のベテランSさんにも御礼申しあげます。5/8に釣られた78cmのマダイの記録更新を祈念します。

日本の海から魚影が薄くなって苦境に晒されているのは職漁師だけではなく、私たち遊漁者も同等以上に泣かされています。居付きの魚が減ってしまったので、せめて回遊魚でも、かどうか、マアジを狙う釣り人が増えました。餌釣りでは、北陸地方はどこへ行っても(投げ)サビキ釣りのアングラーが多いです。泳がせ釣りを主体にする私のような者は、どこへ行っても異端爺のようです。でも、この道を進むのも面白いかと思っています。


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