スズメダイの味/西伊豆・戸田湾での釣果



釣り上げた魚を即締め、ヘッドレスにして冷蔵保存した物です。


塩焼 (釣獲3日後)


箸で身を取って口に入れると、何の癖もなく、ホロリとした身からはっきりとした旨味が脂とともに出てきます。へぇーっ、美味いという情報は嘘じゃなかったんですね。

成長しても10cmという形が災いしなければ、立派に惣菜魚以上の価値がある味です。ヘッドレス5尾で100gという小さな物を、夢中で食べました。

ただ、骨が硬いので、気をつけないと危険です。それを割り引いても、良いです、旨いです。でも、これを食用とする地方はごく限られるようなので、食べたければ釣るしかないですね。

昔から目には馴染みの魚でしたが、食べたのは今回が初めてです。何でも食べてみなくては、と感じ入りました。ただし、岸壁で処理する際には手も道具も脂まみれになって、往生しました。

そうそう、釣り場で刺身にしたものを車中の夕食に食べましたが、旨かったです。それで持ち帰る気になったのでした。ただし、片身で寿司種1カン分になるかなー、というサイズなので、造るのには技術と包丁が必要です。


追記 2019.05.16

2019年5月7日 火曜日から行った 西伊豆・戸田漁港で釣った スズメダイの味についての追加です。


釣り場で活かしておき、全部まとめて即〆・ヘッドレスにして冷蔵で持ち帰りました。処理の際のナイフにはあまり脂が付かなかった代わりに、赤い卵が熟しかけていました。

翌日に調理したものですが、死後硬直したままの身質には透明感があり、鮮度低下は感じられなかったので、おそらくベストタイムだったと思われます。


刺身 (釣獲1日後)


成魚でも全長で10cmという小さな魚で、なおかつ骨が堅いのですから、調理技術を試されます。身の固さに助けられ、小骨も1本残さずに抜いて出来上がりました。

見目麗しい綺麗な白身です。まずは匂いを嗅ぎますが、何も無し。ついで、醤油をほんのわずか付けて、口に運びます。

薄い脂が口中に広がり、噛みしめるとコリコリの触感を感じた直後に、旨味が溢れ出てきました。

上等ですねー、この味は。4尾で造った一皿ですが、あっという間に2人で食べ尽くしました。

手間をかける価値のある魚です。その前の鮮度維持が大事なのは言うまでもないことですが。


煮付け (釣獲2日後)



身をせせって食べるのが面倒、という横着な気持ちから、圧力鍋で煮てみました。圧力をかけていたのが30分でした。

甘露煮か佃煮かという濃い色が付いて、なにやら旨そうでしたが、鱗は剥がれずにしっかり付いたままです。

口に入れると、んっ、鱗が触ります。噛むと、身が柔らかになっているので、骨が気になります。ちょっと気をつけて噛めば、骨も食べられる程度には柔らかくなっていましたが・・。

そちらに気が行ってしまい、忘れられそうですが、身はやはり旨いです。ホクホクの食感に、上品な旨みですから、文句はありません。

圧力鍋で煮るなら、次回は45分ですか。それとも普通に煮て、せせって食べますか。悩むところです、旨い魚だけに。

冷蔵保存して翌日に食べたら、味が馴染んだのか、初日より旨かったです。


丸干し (釣獲3日後)



丸干しというと、イワシの丸干しのようなラウンドの干物を思い浮かべる人が多いと思いますが、開き干しとの区別からいうと、ヘッドレスのこれも丸干しになります。

魚と同量の2.8%の塩水に、冷蔵庫内で一昼夜漬けてから干しました。半日後、干しあがる頃には、表面に脂が浮いてきました。

焼きあがった姿を見ると、コロンとして肉厚に見えます。とは言うものの、やはり小さいですから、食べにくさは承知のうえで箸を取ります。

身をほぐして口に運びます。

旨いですねー。もともと旨いのが凝縮されているのですから。これはC級グルメのグランプリ確定です。ただし、干したせいか、わずかに匂いが出ているようにも感じました。

皿に残った脂が黄色かったのはなぜでしょうか。西伊豆・戸田では見かけない魚ですが、カゴカキダイの脂もこんな風に黄色くなります。不飽和脂肪酸の酸化なのかもしれません。
そんなことはともかく、旨いんですから、


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