ルアーのロストを避ける方法と対策
ルアーフィッシングをするアングラーの共通の悩みは、根掛かりでルアーを失うことではないかと思います。ルアーのロストがゼロの日は自慢したくなるほど、という釣り人も少なくないようです。
ロストの最大原因は、本体に接続しているトリプルフックやアシストフックの根掛かりによるものでしょう。
釣りのタックルは消耗品で成り立っている、と言っても過言ではありませんから、それも仕方ないとあきらめている人が多いのかもしれません。
が、私にはそれが不思議でなりません。
高価な物は2000円位もするルアーのロストを防ぐ手立てを、なぜ講じないのでしょうか。
釣具の製造や販売に従事する業者は、アングラーが次々にロストしてくれると商機がやってくるので、ロスト対策など考えるわけがありませんから、釣り人が自衛するしかありません。
先日行ったサーフ でロストルアーが打ち上げられていたので拾いました。遠州浜の細かな砂で磨かれて、両サイドの塗装はすっかり剥げていました。
けれども目玉も健在で金属のアイも錆びは無く、丈夫な物だと感心しました。表面さえリメイクすれば、本来は長く使える物なんですね。そういう意味では価格にも納得がいきます。
前に広がる海に本物の沈み根は無さそうなので、おそらくは大物のゴミを掛けて、その根掛かりでラインブレークしたのだと思われます。
2つ拾ったうちの片方にはトリプルフックが2つ付いたままで、もう1つはフック無しという違いがありましたが、いずれもスプリットリングは残っていましたから、金属のスプリットリングが、とても強いことを示しています。
その強いメタル接続は、根掛かりした時にルアーを失う原因になりませんか?
たしかに大物を掛けた時には、スプリットリングは安心感があります。でも、その接続強度が本当に必要ですか?
高切れは別にして、ラインシステムの中では、メインのラインから、リーダーを経てスナップスイベルまでの間に、もっと弱い部分があるために、結果としてルアーをロストすることになるんですね。
そうだとしたら、ロストしないためにどこの強度を一番弱くしておけばいいのか、自明です。被害を最小限にしたければ、最先端のフックを捨てるのが良策です。
ルアーフックの接続に金属は使わない
そう、ルアー本体のアイとフックの接続を金属のスプリットリングでなく、もっと弱い物で接続して、根掛かりの際にはそこが切れるよう設定すればいいのです。
フロロ、ナイロン、テトロン、いろいろありますが、全体のタックルバランスとラインシステムを考えて、必要な仕様、強度(耐力)のハリスを使えばOKです。
NYハリス3号を8の字結びでリング状に接続 |
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でも、そもそも釣り場で針先を研ぐことはあっても、ルアーのローテーションのようにフック交換を頻繁にする人は少ないでしょう。実際には釣行前にスプリットリングからハリスに結び変えておくだけでのことです。
もう一つの問題があるとすれば、そのハリス接続をスプリットリング並みの短小に仕上げるには、少々慣れが必要です。特別の道具は不要で、私が使うのは、千枚通し、ニッパー、ラジオペンチ、ライター、です。
アシストフックについても同様で、タチウオやサゴシのような歯の鋭い牙族をターゲットにする際のワイヤーハリスを別にすれば、ザイロンやケブラーの強過ぎる強度は、ルアー本体ロストの原因になると考えられます。
NY4号のチチワを含む最短ハリス全長は10mm |
このフックを自作するには、道具として レース針 も必要です。チチワを作る8の字結びでは、輪の中に輪を通すという手順が必須ですが、この時にレース針を使う(輪の中から輪を迎えに行く)と、ハリスを短くできます。
昨今、海洋のプラスチックゴミが問題になっています。生活ゴミに比べれば微量とはいえ、アングラーがプラスチック製のルアーを海に置きざりにして、ゴミにするのは良くないでしょう。
釣り人が海の汚染を減らすことに熱心であるのは、あまりに当たり前のことです。
ただでさえ魚が減っていて、釣れないストレスにさらされている被害者なのですから、加害者になっては駄目ですね。
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