丸パイプ用 竿受け を自作
ルアー釣りではロッドを置いていることは少ないですが、餌釣りでは置き竿も普通のことです。その際に使う竿掛け(受け)は、場所に合わせたいろいろなタイプがあります。
少し特殊のようにも思いますが、海釣り公園のように管理して開放されている所では、転落防止の安全柵の上端に丸パイプが多用されています。
このパイプ用の竿掛けにも、市販品はあります。船釣りのように竿を受けて固定する、パイプ用の 竿受け は、しっかり作られている反面、高価な上にかさ張って重いのが難点です。
足元の竿下に仕掛けを垂らす釣りの際にはこのタイプが必要になりますが、投げて置き竿にする場合には、竿を地面に立ててパイプに寄り掛からせるだけで構わない場合もあります。
ただし、その場合に竿が左右に動いて倒れると、竿の穂先が折れたりガイドやリールが破損する危険があるので、竿の振れを止めることが必用です。
私は過去、パイプにタオルを巻きつけて掛ける等のごまかしでやって来ました。でも、いつか破損事故を起こしそうな不安があるので、次回の釣行に向けて丸パイプ用の竿掛けを用意することにしました。
イメージ的には、市販のこんな ロッドホルダー を考えますが、1個=975円ですか。100円ショップにでもありそうな物ですが、ダイワ価格ですね。
買おうか止めようかと悩むまでもなく、DIYの設計に入ります。さて、何でどう作りますか。
< 必要条件 >
寄り掛からせた釣り竿が風で倒れない
50mm径(以上)の丸パイプに簡単に取り付けられる
かさ張らない
材料が安価である
製作が容易である
相変わらず欲の深い条件です。そうなるとやはり、針金細工ですか。でも立体になるので、この自作は私にとってはあまり簡単ではないです。3次元の図面が描けないので、実物の試作から入ることにします。
実際に曲げてみて何度もやり直すとなると、ステンレス線では金属疲労で折れてしまいます。曲げやすさと折れにくさを(経験から)考えて、試作には銅線を使うことにしました。
リユースと言えばスマートですが、廃物利用の1.6mm芯の 電線 の被覆を剥いて、ペンチやラジオペンチにループプライヤーも揃えて、準備完了です。
手元に太目の遠投磯竿を置き、屋外の単管パイプに行ったり来たりして、現場合わせで銅線を曲げての試作です。曲げ始めはバンドの付いたリング部分から、左右対称になるように曲げていきました。
曲げたり展ばしたりを何度か繰り返して、機能的には良さそうな形が出来上がりました。ただし、フックの良案が浮かばないまま・・・。
次に、実際のステンレス軟線でトレースして作ってみました。やはり軟線とはいえステンレスですから銅線のように自由自在には曲がりません。フック部分は本体端末に半田で後付するつもりで・・・。
安易に考えていた半田付けが思いのほか難しかったので、変更です。曲げ始め時点の左右の長さを変えて、片方の余り部分を折り返してフックを形成することにして簡略化しました。
そのフック部分の端末は半田付けだけで留めることにしたので、その一点に無理な力が掛からないように、接点がぴったり接するように形作るのに手間取りました。
実用で強度不足ではがれるようなら、細いステンレス針金で巻いてから半田付けするように改良すればいいでしょう。
シリコンチューブを滑り止めとクッションを目的に入れました。竿が接触する受け部分は必須と考えましたが、取り付けるパイプに当たる部分は、無くてもいいように思いました。滑り止めはモビロンバンドが担っています。
左端が銅線で基本形状を試作した物です。少しサイズ調整をしてフックを後付けにしたのが中の物。片方の端末を延長して曲げてフックを形成した完成形が右の物です。
横から |
上から |
実際に単管パイプに取り付けた状態で見ると、こんな感じです。なかなか良さそうです。ちょうどバンドの長さが適当で、簡単には動きません。ただしコンパクトに作ったので、強風であおられるとどうですか。多分使い方(掛ける角度等)で結果オーライでしょう。
パイプが太い場合は、固定用のモビロンバンドを継ぎ足せば大丈夫です。
今回の製作では、半田付けの工程が入ってしまったので、針金とペンチだけで・・・と言えないのが残念です。
< 材料 > 費用概算 = 30円/1個分
ステンレス針金(軟線) 1.6mm径 280mm
シリコンチューブ 外径3.0mm 内径2.0mm 70mm
モビロンバンド(ポリウレタン製) 1ヶ
半田 少々
モビロンバンドはポリウレタン製なので、紫外線に当て続けなければ、ほとんど劣化しませんから、長期使用が可能です。ステンレスも同様なので、大袈裟に言うと一生物です。
それがとても安くできて良かったです。かさ張らず軽量にできて、今回は大成功、かな。これで不安無く、置き竿で大物の到来を待てます。大魚が来るかどうかは魚に聞いとくれ、ですが。
使用の感想は、福井・越前での → 泳がせ(エレベーター)釣りの弱点
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