釣り用ドライペレット作り-米糠の発酵とPH調整


左は炭酸ナトリウム水溶液 右は発酵米ヌカ

自作のドライペレットを自作のコマセカゴで使うメソッドの開発に着手して、はや2年でしょうか。少しずつ完成に近付いているのか、はたまた迷路に迷い込んでいるのか。

左=浮くタイプ  右=錘を付けて沈めるタイプ

改良を重ねている"浮くコマセカゴ"のテストを昨日も実行。目指すのは、海中の定位置でドライペレットをポロポロと放出するようなコマセカゴを作ることです。


そのテストで使っている ドライペレット は作ってから1年8ヶ月間、ドリンクヨーグルト容器(リユース)で保存していましたが、カビも生えずに変化ありません。


と言いたいところですが、乾燥が進んだのか、製作後も発酵したのか、製作当初と比べて比重が減じているようです。

なぜなら、海中のカゴの中で浮いてしまうのです。カゴの中で浮いたのでは、コマセカゴ下部の放出孔からポロポロと出て行きません。

しばらく経って十分に吸水すると、ゆっくりと放出下降するようになるのですが、それまでの時間が長くて、実用上は問題です。

コマセカゴの製作は改良進行中ですが、そのテストをするためのドライペレットが不具合では、カゴの良否の確定判断ができません。

止むを得ず、コマセカゴの改良を中断して、ドライペレットの新規作成に着手しました。


米ヌカを発酵させてからコマセに使う


今回のドライペレット釣り用コマセの作成に当たっては、集魚効果を高めるべく、米糠を生ヌカではなく発酵させて、たんぱく質をアミノ酸やペプチドに分解させて使用してみます。

少し前に読んだ 釣り餌の本 で、魚は餌の良否を含有アミノ酸で判断していると知ったからです。科学者ではない私には、アミノ酸組成の分析などできませんので、味覚的に美味しくなる糠床を作るイメージで臨みます。

糠床作りでは、主な発酵は糖を乳酸に変える乳酸発酵が中心ですが、同時進行で様々な酵素の働きがあって、たんぱく質の分解も行われる結果、旨み成分でもあるアミノ酸が生成されます。

この働きを生かそうというわけですが、一つ問題が想定されます。魚が摂食する海中生物で、PHが酸性の物があるのかどうか。そのことで摂餌忌避が起きるのかどうか。

少し前に、生糠団子と糠床団子を海でテストしようとしたのですが、適当なフィールドが身近に無く、濁りや魚不在で未確認に終ってしまいました。


発酵米ヌカの乳酸を中和する


PH=7の中性にしておけば、無難だろうとは想像でき、その方法は重曹(由来物)添加という安価な方法で実現できそうだとも理解しました。

けれども、重曹をどれくらいどのように添加するのか、が分かりません。ググッテみると、計算するにはモル濃度、g当量等、高校の化学で習得する知識レベル+αが必用のようです。

文字面を眺めてみましたが、すぅーっとは頭に入りません。ずーーーっと以前の大学受験では、暗記の苦痛から逃れるために化学を選択したのですから、50年前の当時なら理解できていたでしょう。

でも今、+αまで含めて理解して実用できるまでの自信は、残念ながらありません。試行を重ねることでクリアできるかどうか、やってみます。

タダでもらってきて、既存の糠床を加えて発酵させておいた物を冷蔵庫で保存してあったので、これを主材料とします。


< 材料 >

発酵米糠
アカアミ発酵液(腐らない塩分の塩辛)
カタクチイワシ発酵液(〃)
重曹
 

< 道具 >

pH試験紙
キッチンスケール


< 中和手順 >

1. 発酵米糠のPHを測定します。
2. 重曹に水を加えて加熱して溶かし、炭酸ナトリウム水溶液を作ります。(8%で飽和)
3. 1.に、2.を計量しながら少しずつ加えて混ぜ、その都度pH試験紙で測定します。
4. PH=7になったら中和完了とします。

今回の場合の結果は上の手順No.に対応して、

1. PH=5くらい 発酵米糠重量=100g
2. PH=10くらい
4. PH=7くらい 重曹総添加量 3.5g(10%水溶液で使用)

重曹添加量 左から 0 0.5 1.5 3.5 4 g
水溶液添加であることから水も増加しているのですが、その補正は無視しています。


実験中に気付きました。乳酸と炭酸ナトリウムが反応して発生する炭酸ガスが発生しなくなれば、中和完了なのでしょう。目安にはなりそうです。

PH数値は対数なので、闇雲な試行で解を求めるのは無理かと思っていましたが、どうやらアバウトながら中和ができそうな感触が得られましたので、釣りコマセ用ドライペレットの製作に進みます。
 
釣り用集魚材を発酵米ぬかで自作


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