海釣り車の給水装置/2L・サイホン式
また釣り具といえども、メッキや安価なステンレス製の普及品では、リールやロッドの金属部分は簡単にサビてしまいます。けれども、真水をかけて洗い流すだけで格段に寿命が延びます。
釣り場では、蛇口の付いた清水タンク を使っている人を見かけますが、私は車中泊用に 20Lのタンク を常設しています。それはそれで必需品なのですが、釣りではちょっと指先を洗うというシーンが多いので、そのわずかな水を簡便に使える給水装置を作りました。
従来は、2Lペットボトルのキャップに細かな穴を開けただけの散水装置を、片手で持ち上げて傾け、胴体をつかんで圧迫して水を出していました。この方式は工作が容易で、使い勝手も悪くないのですが、一つ難点がありました。
それは汚れた手で胴体を持ち、手洗いでは左右の手でペットボトルを持ち替えるために、どちらの手もボトル本対も完全にきれいになりません。すっきりしないのが、不満でした。
そんなこともあっての今回の改良版は、重いペットボトルを持ち上げる必要がなく、かつ本体を汚しません。もちろんコスパは良好で、材料費は100円程度です。
< 材 料 >
ペットボトル(2L) リユース品シリコンチューブ 内径4mm 外径6mm 観賞魚用
ビニールチューブ(PVC) 内径6mm 外径8mm
ステンレス硬線 外径1.0mm
ペットボトルは、肉厚な物でないと耐久性に欠けます。シリコンのエアーチューブは110円ショップにあるでしょう。ビニールチューブはホームセンターの切り売りで買える?。
< 作り方 >
1. ステンレス硬線を洗剤で洗ってから、ペットボトルに斜めに差し込んで、キャップの上に出る部分をR付の直角に曲げ、余分を切り落とします。両端は、やすりで角を落とします。2. ペットボトルのキャップに、チューブ穴(5.5mm径)と吸気口(2.0mm径)を開けます。(吸気口の口径によって、給水量が変わります。)
3. ステンレス硬線を仕込んだシリコンチューブをキャップに通します。
4. ビニールチューブを1㎝×2切り出し、キャップの内外から挟むようにセットして、シリコンチューブを固定します。(3.の前に外側を通しておく)
5. ビニールチューブがキャップに接しない位置に瞬間接着剤を滴下して固定します。
6. シリコンチューブを必要な長さで切断し、先端に2センチに切ったビニールチューブをかぶせます。
< 使用法 >
使用の際にはサイホンの原理を利用します。はじめに先端から(口で)空気を吸いだし、水が先端近くまで来たら、先端を下げて給水を開始します。水量が少なくて軽いために、チューブを針金細工のホルダーで固定しています。
給水の停止は、シリコンチューブの先端付近を持ち上げて、位置を固定します。(固定位置が低いと流出が止まらず、上げ過ぎると水が全てボトルに戻ってしまい、次の使用の際に自動で流れません。)
要するに、ボトルの中の水位の少し上に、シリコンチューブの先端を位置させればOKです。私の場合には、ペットボトルを置くケースに穴を開け、シリコンチューブの先端にフックを付けて掛けるようにしました。
< 給水量と調整 >
シリコンチューブの長さにも影響されますが、フリー流下では、内径4mmのチューブで2Lの水が使える時間は、ぴったり4分間です。フリー流下の水量を感覚で表すと、両手の石鹸の泡を10秒以内で洗い流せる感じです。車中のタイトな水事情で考えると、十分な流量だと思います。
多すぎてもったいないと思うなら、チューブを圧迫して流量を絞る ローラークランプ を使うと便利ですが、微妙に高価に感じてしまうのは、私だけでしょうか。基本性能のための費用が、100円程度なのですから・・。でも完全止水もできるのは魅力的で、チューブ先端の高低位置調整ができない状況なら、これを使うのが正解ですね。
この サイホン式2Lペットボトルの給水装置 は車載用ですが、工夫すればどこでも使えます。とはいうものの、2kgの物を遠くまで運ぶことは考えにくいので、やはり車周りでの使用が妥当でしょう。
近年、立ち入り禁止、釣り禁止の岸壁が増えたので、自動車横付けという天国釣り場が少なくなりましたが、横着者の私は真水をそばに置ける天国釣り場が好きです。
車横付けの 車中泊釣り は、衣食住すべて揃ったキャンパーが脇に控えているので、まさに天国です。
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