マアジの味/越前漁港での釣果
あまりにポピュラーな魚ですから、食べる機会が多く、それゆえ味の違いを知っている魚です。どこでも手に入る魚ということで、今まで本気で釣ろうとしたことが無かったのですが、今回初めて中アジを狙って釣りました。
活かしバケツで海面に漂わせて生かしておき、釣り終了時にサバ折で絞めてバケツに入れて再び海面に。血が抜けた頃に引き上げて、海岸でヘッドレスにし、アラはカニさんに進呈しました。
真水で洗ってからビニール袋に入れて、冷蔵庫(+3℃)に収納しました。ブランド鯵でもない限り、こんな丁寧な処理をされることは無く、ほぼ完璧な処理をしたマアジが、どんな味になるのか興味深いところです。 → 釣った魚の鮮度保持方法・・ヘッドレスを低温下に
刺身 (釣獲2.5日後)
22㎝のマアジでしたが、脂は皆無なので、淡白は覚悟の上です。切り口を見れば、市販品との処理の違いが歴然です。2日以上経っているのに、身色に濁りがありません。もちろん細かな血管が見えることもありません。身の弾力も失われておらず、熟度から言うと、ちょっと早まったのかもしれません。これでも。
まず初めの一口目は、試しに醤油も付けずに口に運びます。ウーン、無臭です。舌に乗せると、かすかなマアジ信号が送られてきます。噛み進めていくと、少しずつ旨味が湧いてきました。おー、やはりマアジです。この旨さは、カツオやブリ等の強さはないものの、淡白でありながらも「ワタシは真鯵」とキチンと主張しています。
二口目は、ちょっぴり醤油を付けて。あーぁ、もう十分に旨いです、はい。コリコリ感を楽しむならこの日までで、旨味重視なら翌日の3.5日目がベストだったようです。
いずれにしても、雑味の皆無なマアジが食べられるのは、釣り人の特権です。
たたき (釣獲2.5日後)
20㎝に満たない、少し小さな鯵をタタキにしました。タタキと言っても包丁で叩くのではなく、細切りにし、生姜、小葱、紫蘇を薬味にします。
上の刺身と、魚はほぼ同じなので、食味の違いは薬味に左右されます。針しょうが、小ねぎ、しその味が混然一体となってマアジの旨味を盛り上げてくれますから、これは旨くないわけはありません。
西洋料理では味わえない和食の、しかも飾らないお惣菜の極致、かもしれません。旨いっ、です。
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