釣り用の電気製品は使用開始前に錆止めを

水中集魚灯(点滅式)

ショアの海釣りで使う電気製品というと、釣り専用品では、1番が電気浮きで、2番が集魚灯でしょうか。私はどちらも使っていますが、電気ウキは過去にいくつダメにしたか分かりません。使用不能になった原因は、最終的にはサビによる故障がほとんどです。

パッキンとして使われている、ゴムのOリングの劣化や篏合(はめあい)不良により海水が侵入し、電気部品やその接点が腐食して駄目になります。

海釣りは、電気製品を使う環境としては淡水よりずっと悪条件です。もちろん私も注意はしていて、使用後は外を真水で洗ってから開けて電池を取り出し、水の侵入がある時は、可能なら真水で内部も洗って拭き取り、自然乾燥させています。

ていねいにやっているつもりですが、それでも腐食が出ます。ステンレスでもアルミでも、色は違えど錆が出ます。やはり海の釣りでは、完全に塩を付けないことが難しいのです。

電気ウキにしても水中集魚灯にしても、安い物ではありません。昔の豆電球ではなくLEDですから、錆さえ出さなければ、ずっと長く使えるはずです。

ただし本来の寿命まで長く使うには、それなりの対策が必要です。それも一度でも使うと、微量とはいえ塩が付着してしまう危険がありますから、対策をするとしたら、使用開始前でなければなりません。

緑の基盤の上にLED素子が載っている

一例として、私は今回 水中集魚灯 を買いましたので、これに実釣で使う前に錆止めの対策を講じます。

この集魚灯は、構造的には電気ウキに似ていますが、国産の高価なものではないので、修理はできない前提です。ですから、電子基板と一体の発光部は、一旦押し込むと外れません。

対策の実際は、電子基盤上の短絡や部品の劣化、損傷を防ぐための絶縁塗装をすることです。電池との接点に塗装してしまうと通電しなくなりますから、そこは除外します。接点だけの錆なら、削り落とせば復活します。

塗装には、本来なら 専用の塗料 を使うべきです。特に高価な物を守るためなら、コストも見合います。でも、安い物のためにでは、コスパが落ちますから、今回は代用品で間に合わせます。要するに、基盤の上に電気を通さない樹脂膜を作れば良いのです。

そう、接着剤を塗れば良いはずです。ここから先は自己責任になりますから、悪しからず。理屈に納得行った人だけが、お試しください。

最近は導電性の樹脂系接着剤も開発され使用されていますが、ごく普通の安価な接着剤には使われていないようです。

身近な接着剤では、乾いた後もほとんど縮まない エポキシ樹脂系の接着剤 がベストと考えられます。ただし2液混合のわずらわしさと、固化するまでの時間の長さが難点です。

そんな時に私は、より安価で簡便な 塩ビ用接着剤 を使います。溶剤が7割くらいを占めるため、乾くと縮みます。といっても柔軟性があるので、亀裂が入ることは無く、塗膜が薄くなるだけです。

今回のように塗膜形成だけが目的なら、これで良いです。適度な粘度があって使いやすいですし、何より安いです。過去いろいろな所に錆止めで塗っていますが、直射日光が常時当たるような場所でなければ大丈夫です。


中心の電池⊕との接点を養生(テープ貼り)し、周囲の電池⊖とのリング状接点を避けて、緑の上の穴をおおうように接着剤を塗ります。表(反対)側も塗って保護したいところですが、専用塗料ではないので、止めた方が無難です。

今回の水中集魚灯の場合は、電池ケース側は電子部品が入っていないので、使用後は真水で洗って自然乾燥させれば、錆が出ることはありません。

ちょっと面倒、をいとわなければ、海で使う釣り具は電気製品に限らず、飛躍的に長持ちします。 無駄な出費を抑えて豊かな暮らし って、どこかにありそうな標語のようですね。

この水中集魚灯は、この後の 発光と浮き適合テスト を経て実釣に供します。

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