水中集魚灯の発光と浮きの適合

キャスト可能な水中集魚灯を使用前テスト

タチウオやアオリイカ釣りに効果があると言われている集魚用灯火のうち、仕掛けに組み込んで使える物を新たに導入しました。今までも 陸から照らし たり、仕掛けにケミカルライトを付けたりしてきましたが、装備強化を考えてのことです。

安価で海中で使える 水中集魚灯 です。同様の物を釣具屋さんで買うといくらするのか見ていませんが、安くは無かったような記憶があります。

選んだ基準は、単3×1本仕様という点です。外見が似ているこのクラスの水中集魚灯には、ボタン電池を使用する物が多いようですが、ランニングコストが高くつくのでNGです。

単3使用は重いのが欠点ですが、重いことが遠投性能アップにもなるので、あながち悪いばかりではありません。販売ページには重さの表示がありませんが、私は単3×1の 電気ウキ を使っているので、感覚的には想像がつきました。

また、LEDは1.5Vでは発光しないために昇圧回路が入っていることも、以前に 電気ウキの修理 経験があるので知っていました。ただ、今回の商品の回路については説明が無いので、明るさや発光時間は試してみないと分かりません。

通販サイトで見る限りでは中国ブランド品のようですが、評価もマァマァなので、そこそこの期待をして買いました。でも実釣でいきなりトラぶるのは困るので、テストすることにします。

数値的な検証までは必要も能力も無いので、使ってみるレベルのテストです。以前の 電気ウキのLEDのテスト では、電池電圧が0.83Vまで下がっても 37mmのケミカルライト 程度には発光していたので、多分これも大丈夫でしょう。

水圧については水深300mまで耐えるとうたっていますが、私はショアなので、水深はせいぜい20m位までですから、その心配はしません。というかそんなテストは、釣り場でなければできません。

水中集魚灯のテスト-1

テスト開始時

明るさ

透明度の高い暗い海の中では、この水中集魚灯の光の点滅は、数値化できないものの、かなり遠くまで届くことでしょう。

点滅周期

毎分約100回点滅します。ただし、電気回路の精度が低いようで、個体によるずれがあります。

発光時間 ( 単3形ニッケル水素電池 使用)

購入した4個すべてに電池を入れて、念のために発熱対策として水に浸けて試しました。初期不良の水漏れも、これで分かります。

 開始時 電圧 =1.41V (4個平均)
 24H後 電圧=1.17V (2個平均)
 48H後 電圧=0.62V (2個平均)

48H後電圧は、いつも重宝に使っている バッテリーテスター では測定不能だったので、旧式のカイセのテスターで計りました。

24H後
24時間後では明るさが目視ではよく分からない程度の減衰でしたが、48時間後には、1本は消灯していて、もう1本も時々ごくわずかな光を発しているにとどまりました。

実用可能時間は、24H以上48H以下ということになります。ただし新品のアルカリ乾電池(1.5V)であれば、Web上のレビューにあるように48H可能なのでしょう。

水漏れについては、4個とも3重パッキンのいずれにも水の侵入は無かったのですが、実釣では着水時の衝撃や、水中で受ける水圧など、比較にならない悪条件になるのですから、あてにはなりません。

テストとしては、初期不良も無く、元々の電圧が低いNH二次電池でも発光時間が十分なので、合格とします。電気代が極めてわずかなのがありがたいです。

水中集魚灯のテスト-2

適合ウキ

この集魚灯は中空構造なので浮力を生じますから、ただ重量を図っただけでは適合ウキは分かりません。実際に水に浮かべてみて、適合を確認します。

まずは、電池を入れた状態で重さをはかります。53.7gでしたから、浮きの浮力は14号(52.5g)以上の必要はないことが分かりました。

自作で安価な棒ウキ

テストは10号から始めましたが、浮き過ぎでした。次々と下げていって、この辺りかなというのが or号 です。思った以上に、この水中集魚灯には空隙が多くて浮力が働いているようです。

以上のテスト-1、-2の結果、実釣の目途が立ちました。

この水中集魚灯についての雑感

・この水中集魚灯は連続光でプランクトンを集めて、結果として食物連鎖上位のフィッシュイーターを寄せるのではなく、断続光の刺激で興味を引き、魚を呼び寄せるのだと思います。

・単三電池を使うので、重いです。電池込で54g+仕掛けをキャストする場合には、投げ竿か磯竿の3号以上、またはルアーロッドのMクラス以上が必要でしょう。

・軽量化するのであれば、電池スペーサー を使って単3電池を 単4電池 に替えると、10g=3号弱ほど軽くなります。もちろん発光時間は短くなりますが、それでも途中で交換が必要になるケースはあまり無いと思います。

・研究者の論文を読むと、魚の習性(走光性)には魚種ごとの違いがあり、連続光と断続光(サイクルの違いも含む)の適否があるようなので、この集魚灯のうたう対象魚「イカ アジ タチウオ イワシ・・」に本当に有効なのか、全面的に信じていいものかどうか、疑問はあります。

でも、せっかく使うのですから、それなりに淡い期待くらいはして臨みます。さて、どちらを狙いましょうか、タチウオかアオリイカか。

今回のテストの前に、錆防止の対策 を講じておきました。ご参考に。

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