カワハギのキモ(肝臓)を美味しく食べるための解体方法

新鮮なカワハギのキモは極上の美味

ブッコミ釣りで釣り上げたカワハギ 2021.04.06

カワハギは旨い魚です。身はモッチリして特有の濃い旨味があって、美味です。でも、その旨い身を上回る美味が、キモです。脂肪分が多く、旨味が濃く、臭みも皆無に近いのですから、美味なのは当然です。

重要ポイントのことを ○○のキモ と言いますが、そのキモを漢字で書くと肝で、元々は人体の重要臓器が肝臓であることから発しています。

4つ足の肝臓であるレバーも、それなりに美味ですが、かなり好みが分かれる物です。これに対して、カワハギやアンコウのキモはクセが無く、嫌う人はほとんどいません。

もっとも、カワハギの新鮮なキモを食べる機会など、釣り人以外には少ないのですから、未経験者がほとんどのはずです。

ただし ラウンド のままで鮮度が落ちたり、血が抜けていなかったりすると、少し臭みが感じられます。ですから、釣り上げたカワハギのキモを美味しく食べるには、その処理が大事です。

適切に処理したカワハギのキモは、生食も可能です。醤油を垂らして口に運ぶと、クリーミーで濃厚な味わいが脳天を突き抜けて宇宙のかなたまで昇華する、超絶の贅沢です。

釣ったカワハギの肝(キモ)の取り出し方

釣り上げたカワハギは、いわゆる活〆にします。目の後ろで、背骨の最前部を切断するようにナイフを入れます。(合わせて、危険な棘も切り取ります。)

これにより、背骨の上側を通る脊髄神経と下側を通る大動脈を同時に切ることができます。これが活〆です。

活〆の即殺で体色が白く変わります

この状態で、直ちに海水の入ったバケツに入れると、延髄が機能停止するまでの数分間は心臓が止まらないので、血液が流れだします。出血が止まったら、続いて解体に進みます。


頭部と体部を両手で持って引くと、二つに分かれます。


腹腔内最前(奥)部で内臓全部が固定されているので、ナイフを差し込んで接続部を切り離します。肝臓と他の内臓は傷つけないように、ナイフで分けます。キモ以外は廃棄します。


肝だけを再び海水に10分ほど浸けて、血抜きをします。活〆直後の血抜きが成功していれば、この段階では、あまり出血はありません。最後に、真水で表面を洗い流したら、ビニール袋などに入れて、クーラーに収めて低温保存します。

カワハギの身肉(みしし)の処理方法

上にある 頭部と体部の2分割 の写真の体部の状態で、腹腔内の血や汚れを海水で洗い、真水で全体を洗い流したら、そのままクーラーに入れて持ち帰ります。

鮮度低下と汚染を防ぐために、外皮は調理に取り掛かる時に剥ぎます。ヒレは、小型なら手でむしり取れますが、大型はハサミで切り落としてから、縁から皮を引いて剥きます。

白い薄皮は、加熱調理ならそのままで調理できますが、刺身の場合には包丁で引いて取ります。

コメント