釣りのライセンス制を望む

田ノ浦漁港/和歌山市
釣りという趣味は実に幅広く、クルーザーでカジキを釣るトローリングから、淡水の狭い水路で極小の針を使うタナゴ釣りまで、多種多様です。

遊漁船やプレジャーボートからの船釣りは、すでに魚種によっては釣獲量に規制を設けつつあり、船舶の管理に紐づける形がとれることから、管理の仕組み作りに進むことも想像できます。

ここで考えるのは、もっと身近な、いわゆる"陸っぱり"の遊漁についてです。

なんでもオカミが規制するという発想は、そもそも民主主義とは相いれないように思うので、私個人としては好みません。

しかしながら、釣り人を公共水面(港湾施設等)から締め出す動きが進む現状を見れば、健全なリクリエーションとしての"釣り"を守る方策が必要になっていると、考えざるを得ません。

そもそも、自由に釣りのできた場所から釣り人を締め出すことになった理由は何か。

1. 公共の場所を汚す
 ゴミを持ち帰らずに釣り場に残置したり、釣り餌などで汚した場所を清掃しない等の行為により、管理者や他の釣り人に損害を与えることがある。

2. 危険行為を行う
 消波ブロックに入って、また悪天候の中でする釣りに代表される危険な釣りの結果、無謀な登山同様の事故を起こして人命救助され、漁業者や行政(消防)に負担をかけることがある。

3. 他者への迷惑行為を行う
 迷惑駐車に始まり、騒音発生、器物損壊、漁業の阻害などにより、他者に損害を与えることがある。

釣り場から締め出される理由は、概ねこのようなものでしょう。これらは"マナー"という以前の低レベルの、"犯罪"同様の行為だと言っても過言ではないと思います。

このような行為による被害が発生すれば、「釣り禁止」「立入禁止」になるのは自然の流れです。(ただし、禁止にする管理権限や法的根拠には注意が必要です。法治国家ですから。)

残念な現状を見ると、トラブル防止策を、"啓発"で事足りるとは考えにくいのではないでしょうか。

犯罪には司法が対応しますので、悪質な行為には、現在でも警察や海上保安庁が乗り出します。これは、一定の抑止効果はありますが、自由な釣り場の維持拡大には寄与しません

真っ当な人たちが、どうすれば、気持ち良く釣りができるのでしょうか。

つまるところ、公有水面で釣りをするに相応しくない人には退場願うしかない、そう思います。

「他者の迷惑にならないように気を付ける」という簡単なマナーを守れる人のみが"遊漁"できる仕組みを作れば良いのです。

全ての釣りはルールの決まったライセンス制として、違反したら、権利を剥奪すれば良いでしょう。

これは、国民の権利制限になることなので、とても難しいようにも思えますが、公共の福祉のために私権の制限を行うことは、必要があるなら止むを得ません。

鳥獣に関しては古くから行われている免許制度に倣いつつ、より簡素化するだけで可能と考えられます。

制度設計は、釣り人と業者の団体がいくらでも知恵を出すでしょう。

窓口は市町村役場として、委託監視員に権限を委託して管理する。年間ライセンスは全国共通で、1200~6000円程度とする、など。

規則の骨子は、
・ゴミは全て持ち帰る(釣魚の現場処理は認める)
・釣り場は独占しない
・権限ある管理者および監視員の指示に従う
・ライセンス識別標識(QRコード付き)を常時着装する
・フックはバーブレスのみとする(移行期間を設ける)等

以上

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