車載ソーラー大容量システムの使用感想

車中泊車両をキャラバンNV350で自作 -21

歯舞港温根元 in 根室半島
小型貨物車(NV350キャラバン)への積載限界ともいえる1020Wソーラーシステムを使って、2022年夏に長期の車中泊をしてみた感想です。

北海道へ約2か月のの旅で感じたのは、サブバッテリーは 25.6V×200AH=5120W で、不足は起きない (エアコン無しが前提)ということです。

北海道は高緯度ゆえに発電量が落ちるというのが定説のようですが、全国平均の約86%との数値もあるので、日射に関する地域差をあまり気にかける必要はないでしょう。

それよりも季節と月毎の変動が大きく、自分の静岡県内の発電設備の実例では、月によっては年間平均値より35%も少ないことがあります。これは天気次第の日射量が大きく振れるからです。

たまたま旅の間に雨が降り続けば・・、という想定は システム構想 でしていますが、これも概ね大丈夫なはずです。

今回の旅期間は雨の日が少なかったものの、曇は多く、平均から大きく外れることは無かったように思う気象条件の下でした。

1020Wソーラーシステムの仕様

ソーラーパネル JKM340M-60H 340W×3直列使用
チャージコントローラー M4860(60A)
バッテリー リン酸鉄リチウムイオンバッテリー 25.6V 200AH
インバーター DC24V→AC100V 純正弦波 3000W
バッテリーモニター DROK DC 0-300V 200A

使用した電気製品

 常時使用

家庭用冷凍冷蔵庫 75W

 随時使用

IHクッキングヒーター 1400W (Max)
電子レンジ 700W (Max)
ホッとサンドイッチメーカー 420W
空調ファン 75W (Max)
ホットマット 110W (Max)
ノートパソコン ?W
その他小電力機器(送水ポンプ等)

バッテリーの状態を知るために設置した バッテリーモニター の表示にタイムラグがあるため、以下は、チャージコントローラーの挙動も含めた観察からの総合的な判断によるものです。

リアルタイムで充電状態を知ることはなかなか難しいことのようで、バッテリーの状態を正しく知るためには、充放電を止めて静置して30分ほど経たないと無理なのだそうです。

ただ、ここで使っているチャージコントローラーは、充電方式が、バッテリー電圧の上昇に伴って MPPT→BOOST→FLOAT と変わっていくので、それを見るだけでも状態を推量することができます。

この充電方式の変化とともに、チャーコンに表示される実際の充電量の変化も参考になります。バッテリーが空に近いほど充電量が多く、1020Wのパネルでは、最大700W程度に達します(一度だけ実見)。同じ天気(日射)でも満タン近くになると、わずかしか充電されません。追記2023.09.20 北海道礼文島にて バッテリーモニター表示値で802Wを実見しました。

メーカーごとに搭載するBMS(バッテリー制御基板)が異なることから、実容量を知るのは難しく、判断には経験も有用になります。

と、御託を並べましたが、現在の私の知識と感覚では、2か月の旅の間のバッテリー残量は、ほぼ4/4の時間が最も長く、減っても通常は3/4まで、最低で2/4までしか下がらなかったと見ています。

残量が特異に一度だけ最低(1/2位?)を記録したのは、IHヒーター(150~400~800/1400W)を3時間にわたって断続的に使用した時でした。前後して、電子レンジやホットサンドイッチメーカーも使ったかもしれません。

今回は就寝定員2名の1名使用でしたが、2名であっても電力には十分に余裕が有ったと推察します。

寒い時期(月)には発電量が減り(ピーク月の6割程度)、調理と暖房で電気使用量が増えるので、車内電力事情がタイトになる可能性はあります。これも、経験してから以下に追記します。

余談 : たまたま長期滞在でご一緒した方が、用意してきたポータブル電源が故障で使えずにお困りでした。私は予備の ポタ電 を持っていたので、繰り返し充電してお貸しして喜ばれました。これは災害時に想定したことで、役に立てて良かったです。

追記 2024.11.02

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー24vシステム電圧・残容量対照表

自車の25.6vシステムにおける電圧と残容量の関係を、チャーコンの入れ替え を機に、あちこちの資料を見て、指標となる数字を算出してまとめました。車内だけでなく、ここにも参考に掲示しておきます。数値の信ぴょう性に責任は負えませんので、悪しからず。

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