旅釣りは臨機応変に

ワーム初体験 in 能登島大橋

初めて訪れる土地での旅釣りでは、いわゆる土地勘は一切ありません。想像力と総合力で臨むしかないので、不利で難しい釣りになります。

でもまた、その難しさが旅釣りの醍醐味でもあります。生活がかかっているわけではありませんが、人間力を問われているようなものですから。

今回は、荒天避難で来た能登半島内浦の海岸に閉じ込められた際のお話です。

登山で言うビバークのようなことは、車中泊 の旅では珍しくありません。そんな時でも、周囲の観察や天候回復後の身の処し方は考えます。

2023.10.21
2日続きの雨の降り始め直前に見た50cmほどの浅海には、多い順に中小のチヌ(クロダイ)、鉛筆サヨリ、小メジナ、小アカエイが確認できました。

食べるための釣りの自分にとっては、あまり魅力を感じる魚達ではありませんが、狩猟本能には響きました。ヒトが見下ろしている姿が見えながらも、手ぶらの丸腰だと侮り悠々と泳ぐ様には、応える必要が有りはしないかと。

言葉を替えれば、暇な爺が魚を見てその気になっただけですが、ハハハ。

んー、どうしてくれようか。浅いがゆえの難しさに加えて、何をターゲットにするか? 底に這わせる パイプ天秤 のブッコミ釣りかな、イカ短冊を餌に。塩辛風味も生冷凍も用意しているので。

気になるのは、浅いこと。水深0.5〜1.0mでは、陽がある間はエサ釣りでは無理のように思いました。何しろ、陸から丸見えで泳いでいるのですが、見える魚は釣れないというのが定説ですから。

しからば、動きで誘うか、ルアーで。得意とは言い難いルアー釣りは、青物ジギングのナブラ打ちくらいしか実績がなく、苦手領域です。

でも、海を前にして試合放棄は情けない。さてさて、しばし熟考。何を狙うか定まらないなら、何でも釣れるとも言われる、ワームに決定。

DAISOで買って未使用の1.5gのジグヘッドに出所不明のワーム様の軟体物を挿して、雨の止み間に投げてみました。が、風が少しあったことと、ロッド が硬いことが災いして、飛距離は10m程で、お話になりません。

1.5gは別世界のようです。エサ釣りで言うなら、0.4号錘を投げるのと同じですから、飛ばせるわけがありません。

雨に閉じ込められた車内でググること半日。結論が出たので、雨の中をDAISOと上州屋に行って買ってきました。ジグヘッドはカルティバ(オーナー)の静ヘッド、ワームはDAISOのシャッドテールワーム。リズム感の私には、タダ巻きでOKが決め手でした。


静ヘッド
は、念のために5.7.10gの3種類買ってみましたが、フックサイズ1/0と2/0の違いがほぼ無く、同様にワーム(L=50mm)のセットができました。重さの違いが棚のキープにも影響があるはずですが、飛距離の数mの違いが主でしょう。

2023.10.22
翌朝、雨が止んだので海を見たら、前日の濁りは取れて静かになっていました。場所は能登島大橋の下のごく狭い隙間からで、橋を通る車の音はあまり気にならないものの、キャスト条件悪し。

何投目かに、ゴソゴソの違和感。砂泥底に石と海藻が混じるためのゴソゴソかと思ったら、弱いながらもプルプルがあり、ヒット !!


揚げてみたら、あー、ネズミゴチね。数十年前の夏に佐渡の真野湾で釣りました。まぁ、それでもなんでも、釣ったんだから上等。1個12円の100均ワームでね。


感謝の気持ちを込めて愛でていたら、アレッ?角がない。よく見ると、なんとマゴチのチビ。小さいだけに、扁平が際立っていました。

選り好みせずに何でも食べる私ですが、浦島太郎を夢見て、丁寧にフックを外してリリース。


その後、軟質塩ビが好物?のフグ?にワームをかじられて、納竿しました。

"どこでも釣り場"を目指す、臨機応変な釣りの一話でした。お後がよろしいようで。

追記 2024.01.02
2024年1月1日発生の能登半島地震により、被災された地域の皆様に心よりお見舞い申し上げます。上の記事は地震発生前に記したものであり、地震後の変化への対応がなされていません。情報の利用にあたりましては、別途最新の情報を収集され、ご判断いただくようお願いいたします。

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