釣った魚の長期保存・・生食用

遠征釣り釣果 魚の長期保存方法


いきなり理屈ですが、まず初めに、魚介類の筋肉中には元々は腐敗細菌はほぼ皆無です。ところが魚は蓄肉や鶏肉と違って、未だにラウンド(丸ごと)で流通するのが主流で、細菌を魚体内外にたくさん付けたままで、腐敗の危険に晒されています。

釣果の魚の扱いにおいては、即〆、血抜きなどはそこそこ浸透してきているように思いますが、何も手を加えずにそのまま丸ごとクーラー冷蔵で持ち帰り、というのも釣り場では今も普通に見かけます。

以前の記事で、釣った魚の 鮮度保持方法 について記しましたが、今回は一歩進めて殺(静)菌作用を期待する鮮度維持方法です。

魚の切身を 漬け焼きのタレ に浸けると長期の保存(加熱調理用)が可能になることを応用します。釣った魚は即〆してヘッドレスにして低温保存し、死後硬直したら刺身の短冊にし、タレに浸けて置くというものです。作業途中で付着した細菌は清浄な真水で洗い流してから浸け込みます。

漬けタレは本来は煮切って使うのものですが、この場合は煮切らずに使います。そうすることで酒とみりんに含まれるアルコールによる防腐効果が発揮されます。

これにより消費期限はかなり長くなり、凍らない低温(0~3℃程度)で保存すれば、摂取する細菌数から見るなら、平均的に1週間くらいは生食可能になるはずです。

食味の点では、熟成によるイノシン酸生成量のピークが食べ頃になりますが、この旨さのピークは魚種や釣り上げ以後の取り扱い(〆方や温度)で大きな違いが出ますから、一概には言えません。

魚の扱いにはある程度の知識と技術が必要ですから、自己責任で試しましょう。
腐った物は腐臭が出て分かります。ただし、腸炎ビブリオのような食中毒細菌は食味や臭いでは判別できないので、注意が必要です。

私の場合には車中泊での釣りの釣果を少しでも長く賞味できることが必要になるので試行錯誤していますが、基本は安全に(腐敗させない)、美味しく(低温熟成)を目指しています。

今回のこの方法は魚に味も漬けてしまうのですが、ごくオーソドックスな醤油系の味付けですから、後で困る場面は少ないでしょう。応用としては、醤油を入れずに酒(と味醂)に浸けるという方法も考えられます。これなら洋食に使っても違和感はほとんど無いはずです。

 参考 → イナダの味/輪島港・マリンタウンでの釣果

魚の漬け焼きタレ

 
   魚    100g に対して
 
   醤油     10g
 酒      20g
 みりん    10g

この漬けタレは焼き魚用で刺身のヅケには味が薄いので、刺身で食べる場合には、切ってから醤油(+わさびorしょうが等)で和えて調整すると良いです。

結果として焼くことも有り得るという想定で、薄めの味付けにしておくわけです。


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