浜名湖でスピナーを投げたら

この日も近くの海で運動をするために、自転車をこぎ始めました。少し走っているうちに、予報では4m/sの西風が、私の体感では5m/sを観測したのでUターンして舞い戻りました。計画していた遠州のサーフは砂が細かくて、風速が5m/sを超えると飛砂が始まります。よってNG。

さて、どうしよう。暖かくて風が弱いのだから、どこかへ行って竿を振り回さなければイケナイのです、私の健康のために。

先日の フローティングミノー をまた投げたいのですが、今朝塗ったウレタンが未だ乾いていません。たぶん海水に浸ければ、ベタつくことはないのでしょうが、溶剤が水中に溶け出したら魚が避けそうに思うので、駄目でしょう。

いゃー、困ったなー。浜名湖内の釣りはほとんどやっていないので、何をすればいいのやら。餌釣りの仕度を今から始めるのもなぁー。こういう場当たりの釣りにはルアーだな、やっぱり。

ということで、手持ちの道具の中から、小さなスプーンとスピナーを取り出してはみたものの、これで何か釣れるのかなー。もちろん私に釣れないのはごく当然で仕方のないことですが、誰にも釣れない釣具を使うのはさすがに望みません。

ちょちょっとググッてみたら、スピナーには海=ソルトウォーターでも実績があるような記事が出てきたので、サマリーだけ読んで中身はパス。何しろ陽が傾いてきているので、早速の出発です。

急行する現場は、って殺人ではなく殺魚現場ですが、浜名湖内某所。報道陣には伏せてあるので、ここには書けません。ではなく、私の自宅から徒歩圏内で竿が出せ、流れが速いので定員1名限定の場所ということで、公開はできません。

歩いても行けるのですが、人の性というやつで楽をします。自転車で数分コギコギして到着。数日前に来たばかりの場所ですから勝手は百も承知。釣り場に入って仕度をして、はやる心を抑えずに、まずはスプーンで第1投。

底からアサリの貝殻ヲ拾ってきたスプーン

ソルトウォーターでスプーンが使えるのは当然で、私にもささやかな実績が 2017年の北海道 に残っています。いゃー、また行きたいなー。道内の人には馬鹿にされた釣果でも、アメマス釣り は私には極上の記憶です。

潮がほとんど止まった海(近隣の人は浜名湖のことを海というようです)に投げます。さすがに8g=108円のダイソーのスプーンは飛距離が出ません。たいてい外海で釣りをする私には、こんな飛びで釣れるわきゃないか、と思えます。それでも、アンダースローでも意外に飛ぶことを知りました。


5gのスピナーに変えたら、これはもっと飛ばないです。スプーンの半分とは言わないまでも、飛距離は3割減位でしょうか。ブレードが回転するだけに、リトリーブのブルブル感の手応えが面白いですね。これはずーっと前に3種パックで100円で買った物の1種で、初使用です。

それにしても、こんな機械的な動きに反応するとしたら、その魚は相当な低脳じゃないですか。そう思うと続ける気が失せ、再びスプーンに交換。しばらく投げたらまた気分が変わって、2度目のスプーン。

これもじきに飽きて、またスピナー。まぁ、結果はノーフィッシュだろうと観念しはじめたのが、ちょうど日没頃でした。軽いのですぐに浮き上がりそうになるスピナーを、護岸下の捨石のかけ上がりに沿わせるようにゆっくり巻き上げてきた、その時。


スピナーで浜名湖の海水魚が釣れた!!


突然のゴンッ。護岸からの水平距離が3.0m、水深が1.5m程のあまりにも目の前だったので、何が起きたのか理解不能。ゴンッに続いてグイグイと引きます。

おーっ、魚だ。生きた魚が引いている。いつ以来のことか、情けない思いを恥じながらも、短いやり取りを経て揚がった魚はこれ。何ですかね。カサゴやソイ等のロックフィッシュであることは分かりますが、色が色ですから、擬態か??。


スピナーの小さなトリプルフックを丸呑みしていましたが、口が大きいので外しは楽に終えて、釣りを続行します。久々の魚なので1尾でも満足なのですが、まぁ、残された人生、じゃなく時間、努力だけはしてみるべきですから。

それから5投目くらいでしょうか。始めた頃には止まる寸前の弱い下り潮だったのが少しの間止まって上り潮が動き始め、辺りが薄暗くなってきた頃に、10m程離れた場所で、またもやゴンッ。これも1尾目と同様の護岸に近い場所でのヒットでした。

先ほどよりは強い引きで、逃亡を企てます。頭を振って暴れる様はこれぞスズキのエラ洗いでしょう。細長くて銀色の魚ですから、私にとって初めてのマダカに決まりです。

こんなお気楽な釣り場にタモなんぞ持っているわけも無く、ルアーウェイトがMAX.=35gの クロスビート ゆえの不安を感じながらも慎重に抜き揚げました。


ランディング成功。はい、記念撮影して・・・、鰓蓋からナイフを差し込んで締めて血抜きして・・・。横顔をチラチラ見ながらの作業中に目が合って、何となくの疑念が湧きました。そういえば口は小さいし、エラブタに鋭いトゲがありません。

ん、キミ美容整形したの?。キミ、本名は? 本籍は? 家族は? 。駄目だよ嘘言ったって分かることなんだから、正直に言うんだよ、本官の手間を取らせずに。

黙秘権を行使するキミは、本当は鈴木君じゃないでしょう。言わなくったって本部に写真照会するから、じきに分かるんだよ。多分ウグイってんだろう。

無言なわりに大暴れした氏名不詳のこ奴のせいで、ラインシステムを壊されてしまい、釣りはここまで。

久々の釣果、と言えるほどの物ではなくとも、竿を曲げてくれただけで感謝、です。素敵な今日をありがとう。でも、今日もし遠州灘に行っていれば、ヒラメかマゴチかワラサが釣れたかも、というのは止しましょう。欲が深いなぁー。

それにしても、スピナーって釣れるんだー。こんなモンで。あのブルブルに我慢ができなくなるんだね。哀しい性だこと。人間がケイザイに狂うようなもんかな。

上 マルタ    下 タケノコメバル

帰ってからの調査で、ロックフィッシュの方はタケノコメバル、ウグイと思ったのはマルタと判明しました。


ウグイは通常の分類では、ウグイとマルタがポピュラーですが、他にエゾウグイ、ジュウサンウグイ、ウケクチウグイ、交雑種等いろいろあるとの情報も目にしました。

2017年に北海道でも2度ウグイを釣ったと思っていたのですが、今になって写真を見ると、降海型のウグイマルタ だったようです。どちらも25gのスプーンで釣ったのですね。


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