車中泊での冬の寒さ対策
冬に車中泊する場合は、車体の壁に断熱を施して、FFヒーターを付ければ、ほぼ快適に過ごせます。というのは理屈、です。
そんな大掛かりなことをせずに、如何にして車内に侵入する冬の寒さをしのぐかというのが、ここでのお話です。
テントにも劣るといわれるのが、普通の車の断熱性能です。その原因は、鉄板とガラスという、極めて熱伝導の高い素材で作られているからです。
結論的には、普通の車に後付けで車室内全体を保温する対策は、あきらめた方が無難です。せいぜい、一時的に車室内温度を上げるまでです。
12Vで使用できる ヒーター もいろいろありますが、普通の車で使うには能力不足、電力不足、取り付け不可などで、実際には難しいでしょう。
私の車は 車中泊用に架装 したものなので、搭載している150wのソーラーパネルが、真夏なら100w/hを超える発電(蓄電)をします。けれども、真冬になるとその半分以下になってしまい、暖房の熱源には不足です。
カセットガスストーブなら、予備のボンベさえあれば連続使用が可能ですが、車内に排気ガス(CO2)と水蒸気がこもると、ガス中毒や大規模な結露の原因になるので、車内使用は危険行為です。
ということで、冬にエンジンを止めた車室内全体の温度を上げるのは、普通の車では困難です。でも、何とかしなければ、スキー場などの極寒地では、命にかかわります。
経験者なら知っていることですが、眠りに就く時に車内温度が車外温度より数度高くても、朝になると、外と中はほぼ同じ温度になっています。
そんな車でどうすれば車中泊が可能になるのか。地味で当たり前のことの積み重ねになりますが、以下のような対策で乗り切ります。
車中泊での冬の寒さ対策
1. 体を冷やさないように、衣服でカバーする。
日中に体を一旦冷やしてしまうと、入浴以外で暖めるのは困難です。車室内全体を温められないのであれば、まずは体を冷やさないことが大事です。そのための体の保温です。
特に、手や足の末端と首周りなどの保温が大事です。
2. 温かい食品で内部から温める。
体温を上げて維持するために、ヒトは体内で自ら熱を作っています。これに加えて外部から直接に熱を入れると、すぐに体が温まります。
食事は暖かい物を摂り、飲み物も熱いお茶や、お酒なら、ビールでなく熱燗やお湯割りなどのホットを飲むことです。
3. 寝具を必用十分に使う。
暑くても寝苦しいのですが、寒くても寝つけません。シュラフのように周囲が閉じられて熱を逃がしにくい物を使い、その上に掛ける物を必用十分に使うことです。
それだけでなく、マットレスも厚い物を使って空気層を確保し、下からの冷気をさえぎり、また熱を逃がさないのがポイントです。
電気敷き毛布は意外に消費電力が少ないので、下からの冷気をさえぎるのに向いています。ただしこれも、サブバッテリー等の補助電源無しでは、一晩中は無理です。
いずれにしても、車中泊では住居で使う普通サイズの寝具が合わないことも多いので、工夫が必要ですし、見た目より保温力が優先です。
秋冬用の一例ですが、下から順に、木製ベッドすのこ、マットレス、ベッドパット、シュラフ(封筒型)、こたつ布団二つ折り、です。厳寒期には 電気毛布 をプラスします。シュラフは表裏を反転させて、外側の滑りを抑えています。
4. 明け方の低温を意識して備える。
事前に寝具を温めておかない場合には、寝具が温まるまでの就寝時は寒く、寝具が温まると暑く、明け方には寒く感じるのが、基本のパターンです。
就寝中に寝具や衣服を加減できるようにしたうえで、必要に応じて靴下や手袋を付けます。マスクは喉の乾燥予防になるだけでなく、体温が逃げるのを防ぎますので、利用がお勧めです。
5. 車中で使用可能な暖房器具を使う。
車のバッテリーから走行中にインバーターを介して、電気のカイロや湯たんぽを温めておいて、寝具に入れておくだけでも温まります。
換気に十分な注意が必要で、自己責任になりますが、カセットボンベ使用の ストーブ や コンロ を使うと、狭い車室内の室温は容易に上がります。
ただし空気もすぐ汚れて、一酸化炭素中毒の危険も大きいので、COガスセンサー は必ずセットで使うべきです。換気に細心の注意ができる人、のみが使える暖房器具です。
車中泊の外部環境と使う車種によって、対策はいろいろありますから、それらを上手に組み合わせることが大事です。目的は体温の維持です。
寒さ対策を怠ると
寒いことを不快に感じるのは、ヒトの防衛本能です。体温が下がると免疫力が低下します。だから、寒いままで居ると風邪をひくのですね。車中泊は多くの場合に旅先ですから、風邪が大ごとになる危険もあります。
日本の四季は均等ではなく、暖房を使う期間は意外に長くて、暖地と呼ばれる地域でも、11~3月の5ヶ月間は必用です。断熱されていない車中泊では、およそ半年は寒さ対策が必要になります。
寒い6ヶ月は車中泊せず、対策がもっと難しい暑い夏もしないとなると、車中泊は本当に短い期間限定になってしまいます。 車中泊可能な気温/最適温度と限界温度 もご参考に。
私自身、前年までは12月になると旅を止めていましたが、もう少し頑張ってみようということで、この冬はチャレンジしてみます。
私の車は、車中泊専用のキャンピングカーではありませんが、それに近い装備が既にあったので、今回新たに増備するのは、上記5.の カセットガスボンベ用のコンロ だけです。
手軽に温かい食品が摂れるだけでなく、廃熱も利用しようということです。寒い時期は、ほぼ食事の度に使うことになるでしょう。
さて、早朝は確実に10℃を下回る真冬に、どの程度頑張れるか、事後のレポートは、別記事 にてシェアします。
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