車中泊可能な気温/最適温度と限界温度


独立したルームエアコンで空調できるキャブコンやバスコン等のリッチな車中泊専用車両には無縁のことです。

ワンボックスカー、ミニバン、SUV等のごく普通の車での車中泊は、車内温度≒外気温になるので、外気温の暑い寒いが大きな問題になります。

軽バン 使用の私は、真夏と真冬は車中泊しません、というより出来ません。真夏は暑くて、真冬は寒くて安眠できませんから。

今までも気温は気にしていましたが、経験不足で、自分にとっての最適温度と限界温度が分かりませんでした。

今夏も終わりに近付いて秋の旅を計画する時期になり、いつからどこへを考えるにあたり、気温をベースに据えて考える必要に気づきました。


医学的には快眠温度は26~16℃と言われているようです。たしかに、この範囲を外れると、車内でも眠りにくいのは、経験上明らかです。

15℃以下の場合には寝具を増やしたり、厚着したりした上で、マスクをして乾燥を防ぐなどすれば、ある程度安眠可能です。

ただそれにも限界があります。冬山に登れるような頑健な人は別にして、私のような暖地(中間地)住まいの軟弱者を基準にすると、10℃位が下限だと思います。

それ以下だと、目が覚めても起き出して活動することにも支障がありますので、実用的ではありません。

経験上、日の出前の朝は 外気温=車内温度 なので、最低気温は10℃以上が車中泊の必要条件と考えられます。

一方の最高気温は、最低気温以上に重要です。着ることに限界はありませんが、脱ぐことには限りがありますから。

汗だくで眠れないのは、不快なだけでなく、体力を消耗します。ましてや車中泊で熱中症なんて、笑い話にもなりません。

車中泊で眠りに就く時刻は人それぞれですが、これまで見てきた例では、早くに消灯する人が多いのが実態のようで、私も平均すると21時には眠りに就きます。

この時刻では、昼間照られて、車や車載物が蓄熱していると、21時では外気温まで下がりきらず、外気温+2℃(以上)程度のようです。

そうすると、外気温が21時に24度以下でないと安眠できないことになります。そこから類推すると、日中の最高気温はおおむね30℃以下が求められそうです。

一日の最高気温は30℃以下、最低気温が10℃以上、これは車中泊の必用条件であって、上限下限付近では快適とは言い難く、最適温度は別にあります。


実験によれば、人間の基礎代謝は気温22℃で最少になるそうですから、その温度を快適と感じるはずです、多分。

ライフスタイルを無視して考えると、日平均気温が22℃の時期が最適温度ということになりますから、その温度になる時期も調べます。


例えば、夏の酷暑が終ったら福井県の 越前 で車中泊をしたいけれども、いつ頃なら気温的には大丈夫そうなのか。

気象庁が公開している 過去の気象データ で、平年値(1981~2010年の観測値による長期平均値)で旬(10日間)ごとの気温等の数値が分かります。

今回の地点は条件の近い「越廼」を選び、次に「旬ごとの平年値を表示」します。この一覧表示で、一年間の概略の気温が読み取れます。

秋に最高気温が30℃を下回るようになるのは9月上旬の28.2℃ですので、9月に入れば、30℃にはなりにくいと考えるのが妥当でしょう。

終わりの時期を考えるには、最低気温が10℃を下回らない日を探します。11月の中旬が10.1℃なので、11月中旬までは10℃以下になりにくいと推測できます。

より細かに検討するなら半旬や日で見ればいいのですが、実行にあたっては週間天気予報で風雨も見て、よりリアルなデータで判断すべきですから、計画段階では前述の旬間データの検討が適当でしょう。


ついでに、私的に年間の釣行候補地を調べてみました。基準は最高気温が30℃を超えず、最低気温が10℃を下回らない車中泊可能日の時期範囲です。


目的地 沼津市戸田
表示地 松崎
可能日 4下~7中 9上~11上
最適日      6中     9下

目的地 焼津市鰯ケ島
表示地 静岡
可能日 4中~7中 9上~11上
最適日     6中     9下

目的地 新宮市佐野
表示地 新宮
可能日 4中~7中 9上~11中
最適日     6中     9下

目的地 御坊市北塩屋
表示地 和歌山
可能日 4中~7上 9中~11上
最適日     6上     9下

目的地 上越市大字黒井
表示地 大潟
可能日 5上~7下 8下~10中
最適日     7上     9中

目的地 射水市海王町
表示地 伏木
可能日 5上~7中 9上~10下
最適日     5下     9中

目的地 越前町道口
表示地 越廼
可能日 4下~7中 9上~11中
最適日     6下     9下

目的地 稚内市宗谷
表示地 浜鬼志別
可能日 7上~9中
最適日     無

調べてみて感じたのは、太平洋側と日本海側の違いが、真冬の気象では大きいのでしょうが、春と秋は意外に小さいことです。(北海道・浜鬼志別は比較の対象としません。)

それでも可能日の多寡で言うと、最長の和歌山県・新宮では180日に対して、最短の富山県・伏木では140日と、40日の開きがあります。日本海側の福井県・越廼が可能日170日は、その長さにちょっと驚きました。

ただし、可能日には梅雨が含まれていることも考えねばなりません。湿度が高い時の車中泊は、とても不快です。



追記 2019.10.04

今年の9月は暑い日が多く、車中泊で不眠に陥ることが2度ありました。地球温暖化の進行を疑うのが当然でしょう。

具体的には車中泊の場所、特に地面が土なのかアスファルトやコンクリートなのかでも、大いに違いが出ますし、車内の通風も重要なファクターになります。

この9月の経験から思うのは、私の場合には就寝時の室温は27℃以下でないと、自身の放熱や冷蔵庫からの廃熱のせいで、途中で30℃に達して目覚めてしまう、ということです。

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追記 2019.11.30

寒さから逃げて家に閉じこもることは前向きではないとも言えるので、寒中の車中泊対策 を考えました。車内温度10~0℃での車中泊にチャレンジ、です。

追記 2022.09.22

初代の エブリイ から二代目の NV350キャラバン に乗り換えた際に、車内の換気を3ヶ所に設置した ファン で行うように自作しました。効果が上がっているので、ご参考に。

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