カセットガスボンベを自動車内で安全に保管
CB缶とも呼ばれるカセットガスボンベは、便利さと安価ゆえに多用されますが、かなり危険な物です。ゆえにキャンプや車中泊の利用では、高温になる車内での保管に注意が必要です。
カセットガスボンベが危険物であることが再認識させられる場面はいろいろあると思いますが、私の場合には車中泊の旅でフェリーを利用する時です。基本的に、カセットボンベは積載持込禁止です。ただ、そう言われても車両甲板では、普通は爆発するような高温になることはありませんから・・。
そのカセットガスボンベにとっての"危険な温度"ですが、いろいろな情報をまとめてみると、メーカーの言う安全な温度は40℃まで。これは安全率の掛かった絶対安全推奨限界温度です。実際の危険が生じるという意味では、80℃から上の温度では大いに危険。90℃以上ではいつ爆発しても不思議がない、ということのようです。
エンドユーザーとしても、もちろん危険を避けるのは当然ですが、不便も困ります。素人判断に目くじら立てないのであれば、許容する高温限界として[ 60℃以下で ]というのはどうでしょうか。
ただ、これは微妙な温度で、夏の車内ではそこまで上がることがあり得る温度です。なので、何らかの断熱保護をして、60℃以上は避けたいと思います。
そこで考えたのが、断熱性能の優れた発泡スチロール箱の中への格納です。そもそもは、狭い車内の収納整理と使い勝手の必要もあって作った 収納兼用テーブル です。
この箱の使用開始後、初めての夏が来たので、盛夏の高温下で未済だった温度試験をしてみました。どの程度の断熱性能があるのででしょうか。
発泡スチロール箱の断熱性能を検証
自動車内設置の発泡スチロール箱で保管するカセットガスボンベの温度変化
テスト条件(2021.08.27実施)
・真夏の快晴高温下で自動車の窓を全閉
・真南に向けた車の助手席に格納箱を静置
・06~20時の間に2時間ごとに温度を計測
温度計測位置
A テーブル上(プローブは日射を遮蔽して宙吊り)
B カセットガスボンベ収納庫内上部(ボンベに貼り付け)
C 気温・・スマホアプリ表示の予報値(静岡県・浜松)
左=A 右=B |
朝の6時から温度計測を始めましたが、ガラス越しのために写真うつりが悪いので、以後は目視で読み取って記録しました。
数値の温度Aは、安価なデジタル温度計の校正方法 により修正した値を採用しました。
テスト結果の考察
発見
・閉め切った車内助手席温度は、外気温より19℃高かった。
・発泡スチロール箱の断熱効果により、箱の内外の温度変化は、内部が遅れて外部に追随するけれども、内部は外部と同じ温度までには上昇しない。
・箱内外の最高温度差は4℃であった。
気付き
・肉厚20mmの発泡スチロールの断熱性能には、過大な期待はできない。
・静岡県西部沿岸地域では、真夏の快晴日でも、車内で直射日光の当たらない場所に置いたカセットガスボンベの温度が60℃を超えることはなく、スチロール箱内では、概ね50℃を超えないと考えられる。
総合判断
テスト前に考えた、安全推定目標値=60℃より低い50℃以下が維持できるのであれば、発泡スチロール箱でのカセットガスボンベの保管は差し支えないと、私は考えます。(あくまで私は、です。)
なお、あえてここで危険なシーンを想定するなら、スチロール箱への引火火事です。交通事故でクラッシュや車外からのもらい火は別にしても、車内での直火の使用には厳重な注意が必要です。安全運転に加えて、です。
スチロール箱の使用で温度上昇の抑制ができるメリットと、箱が燃えやすいというデメリットを十分に勘案して、使用を判断すべきです。
めったに起きない事故でも、どんな時にその危険が高まるかを常に頭に置いていないと、痛い目に遭います。旅や釣りは楽しいものですが、非日常なだけに思わぬ危険が潜んでいます。
計測中のアクシデント(16時)
アッ、真っ黒。液晶表示が死んでいました。あーあ、車載冷凍冷蔵庫に設置する前のおまけの仕事だったのに、、壊れました。直射日光が当たり温度が上がり過ぎると、壊れるんですね、LCDは。
もしや、と思い、反対側の窓に移設してみました。しばらくすると、時計の端から表示が表れ始め、その後、温度計の表示も復活しました。ホーッ、ほっ。
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