越前漁港(道口)でアオリイカを狙う
2019年5月24日 (金曜日)
詳細は別に記しますが、越前漁港の釣り場 はなかなか魅力的に思えます。
地図や空中写真で見ると広い港湾です。それゆえ、どこで何を狙って竿を出そうか迷いました。が、季節が5月ということで、港内はどこもかしこも海中は藻だらけ。
こうなると狙いは自ずと決まります。アオリイカでしょう。で、場所は・・。潮通しの良い堤防先端付近は、車から遠いのと、万一の転落時に上がる設備がないので、勝手の分からない釣り場では、私は避けます。
ヤエンで釣れた良形のアオリイカ |
半日あちこち見歩いて決めたのは、実は、他人の釣果を見てしまったから、という分かりやすい選択でした。
それにしてもここ「道口」は、ちょっと類を見ないくらいに利便性が高いのです。
駐車位置からの距離が、
釣り場まで40m トイレまで20m お風呂(越前温泉道の湯)まで60m
これで魚が釣れるなら住み着きたいような場所です。
でも、現にこの目で釣果のアオリイカを見たのですから、風呂必須の私には天国場所に違いないでしょう。
さて、今夜の ネグラ(泊地) も決まったので、昼飯を自炊し、午睡して夜に備えます。
道口海水浴場の北側隣接地 |
15時になって行動開始です。ここでは狙いはアオリイカのみ。そのための活き餌を調達することから始めます。
アミの塩辛を撒いて、イカの塩辛の小粒を小針に刺して、延べ竿で釣るのは、ここでは小メジナです。メジナ以外にもこんなメバルの子や
ベラの仲間とは分かっても同定ができないこんなのも釣れました。(帰ってから調べたら、オハグロベラのようです。)
15時過ぎでは陽が高くて、釣り易いとは言えません。私はコマセをごく少量しか使わないので、なかなか警戒心が落ちないために、10尾ほどを釣るのに1時間も掛かってしまいました。
17時、いよいよ浮き流しの活き餌泳がせ仕掛けを投入します。ここでこの日に使うとは想定外だったのですが、補修塗装 した 自作のハネアゲ式仕掛け です。
前回釣行の 西伊豆・戸田漁港 ではアタリすら無く、本当に大丈夫かこの仕掛けで、という疑心暗鬼の自作物です。
でも、自分では実績が無いものの、小メジナも活き餌に使えると聞いているし、仕掛けも(多分)大丈夫のはずですから、コレでいつかは釣れるはずです。
藻だらけの海中なので、仕掛けの下部の掛け針が藻の上スレスレになるように、浮き下はおよそ1ヒロです。もう少し深くしたいところですが・・。
藻の中を泳ぎながら上を見ているアオリイカが、上方に泳ぐ小メジナを見つけて、下から密やかに素早く襲い掛かる、というシナリオです。
ただしシナリオを書いたのが四流の脚本家なので、そんな絵に描いたように上手くいくのかどうか、はなはだ心もとないのです。
明るい内は何事も無く終わり、ケミカルライト37mm を着けて、引き続きアオリイカにアプローチします。でも、一向に反応がありません。
あろうことか、タックルトラブルで仕掛けを2つ失い、テンションが下がりました。さて直そうか、と時計を見たら20時15分。今からセットし直していると、風呂の営業時間が終ってしまいます。
はい、今夜はおしまい。小メジナ入りの活かしバケツを海に預けて、また明日。引き際が潔いのは性格か諦めか。
2019年5月25日 (土曜日)
目覚めた3時頃には周りの車が増えていました。義務感に燃えて、かどうか自分でも分からないままに起きだして仕度して、冷蔵庫から出してきたケミカルライトを着けて準備完了です。
休養十分で元気一杯の小メジナを掛けて、仕掛け一式をフワーッと投げ入れます。さぁ、ボチボチ何か起きてくれませんかね。念じたからといって、通じるわけがないことは分かっていても、そこはほら、人間だもの。
ようやく変化が起こったのは明るくなった5時頃でした。はるか北方で1杯上がりました。1kg以上、そこそこの形のように見えました。揚げたのはエギングマンだったような。
でも、これっきり。この朝マヅメは横一線に並んだ、活き餌浮き流しの私、ヤエン1人、エギング5人の総勢7人でトータル1杯の釣果に終ったようです。見落としが無ければ、です。
7時半には背中に陽が当たり始めると同時にジリジリ焼け始め、8時には辛抱するのを止めて休憩です。また夕方ね。
車内から釣り場を望む |
東屋と車内を行ったり来たりして日中をやり過ごす時間の長いこと、もったいないとは思えども、暑くてどうにもなりません。
なんとか夕方を迎えて、小魚の追加から始めます。食いが渋くて、数尾釣って止め。でも、その中にメバルの大き目がいたので、何となく得した気分。
そのメバルを温存して、前日に釣った小さい方のメバルを夕マヅメの第1投に使いました。でも、メジナほどには動かず、その割りに弱りが早く、早々に上がってしまいました。メバルは泳がせの活き餌には不向きなのかも。
そう思いながら、小メジナに選手交代して試合続行。土曜日の夜になるとさすがに見える範囲のあちこちに電気浮きが浮かび、キャップランプの灯りが交錯します。
めぼしい場所はすべて埋まり、あぶれた人が港の奥まった位置にまで釣り座を構えています。んー、アオリイカの数より人の数のほうが多いのかな。
暗くなる前に対岸の厨漁港堤防の先端で1杯上がりましたが、それ以後は見えなかったのかどうか、周囲でも釣れないままに、私のタイムリミット20時半を迎えてしまいました。
今夜も駄目かぁー。トンネルは長いなー。
2019年5月26日 (日曜日) AM
目覚めたのは2時半頃でした。夜中の内に到着した車のドアの開閉音で何度か起こされ、あまり上質の睡眠ではなかったのが難です。だからいつもは週末を避けているのですが、少々事情もあったのです、今回は。
さっそく起きだし、昨夜のポイントを確保して、第1投が3時前。ほぼ同時に隣に来たヤンキー兄さん達のエギングの風切り音をうるさく感じながら、悶々鬱々の時間が過ぎていきますが、自分を含む周囲には変化なし。
夕マズメ 朝マズメ 夕マズメ 朝マズメ と4回目の釣りですから、この朝が終ると合計20時間位になるのでしょう。そろそろ切れるな、と自分で分かります。
継続は力なり、という言葉を知らないわけではないのですが、ちょっと体力的に厳しいものがあります、今回は。何しろ暑い、熱過ぎます、5月としては。
非力な私としては、この辺りが限界でしょう。そう、本朝を持ちましてひとまずの区切りとしますか。そう決めたら、頑張ります。
活き餌も、たった1尾いる大き目の小メバルに出場願います。大きな口ですから、上顎掛けが容易です。
活き餌が重い分、飛距離も出ます。さーて、頑張って泳ぐんだよー。見ていると、さすがに浮きがぴょこぴょこ動きます。動いてくれると、生存確認が不要で助かります。
この場所はどうも右に左に、割りに頻繁に流れが変わるように感じます。この時点ではかなり左奥方向に浮きが流れ出て行きます。少しずつ道糸を送り出して、37mmケミの灯りが見えにくくなってきました。
そういえば、この8円ケミを4回使っているなー。冷蔵庫 保存がここまで効くとは思わなかったです。などと経済の大勢に影響の無い愚考をしながら浮きを眺めていたら、浮きの動きが止まりました。
あー、道糸が張っているな。でもこれ以上送ると見えにくいしなー。どうするか思案していたら、浮きが右に流れ始めました。へぇー、また潮の流れが変わったのー?
と思う間もなく、突然ウキがスーッッッ、とスピードを上げて右へ走り出しました。流れるではなく、明らかに走ったのです。少し沈んだ瞬間もありましたが、ほぼ横一直線でした。
おーーーっ、アタリだぁー !!!
このアタリまでに苦節10年。ではなかった、去年の和歌山 でも1度ありました。
それにしても待ちに待ったアタリです。さーて、どう料理してやろうか。なんて余裕があるはずもなく、えっえっえっ、この後はどうするの??
仕掛けがハネアゲ式だから、向こうアワセで掛かる、とはいうものの・・。んー、困った。知らん、分からん。
とりあえず相手のイカに聴いてみるか。わずかな糸ふけを巻き取って、ソーッと聴いてみます。グィーー、と返事がありました。ひょっとして、もう掛かっているのか??
圧倒的に足りない経験値からは、正しい対処の仕方が出てきません。仕方なく、エイヤッとアワセを入れました。
ふっ。
しばらくの間は、再度の抱き付きを待ってみましたが、こちらから断った相手が再び好意を示すなんてことは、無いんですね。人の世でも、イカの世でも。
去ってしまったアオリイカに未練を残さず、餌の交換のために仕掛けを上げました。
活き餌の小メバルを見ると、頭の後ろの一撃(口)に続いて二口目をかじったところでした。圧倒的に早過ぎ、ですよね、アワセが。
あーーーっ、なんてこった。後悔先に立たず。
一体全体このアタリひとつに何日かけたと思っているんだ、馬鹿者が。
いや、だって、ほとんど掛けたこと無いんですもん。
その経験を補うのが、人間の知恵というモンだろう、大馬鹿者が。アオリなんて高望みはもう止せ、へぼ。
なにも、そこまで言わなくても・・。うっうっうっ。
夜明け前の静かな海を前にして、ドックンドックンと脈打つ拍動が治まりきらない体の、心の内は真冬の日本海の様相でした。
そしてこの朝、チャンスが再び訪れる僥倖に浴することなく、ジ、エンド。
今日も暑くなりそう。
映画ならここで、ミーンミーンミーンと蝉が無く場面ですね。あっ、未だ暗いんだから、カナカナカナですか。
転進先の敦賀新港で竿を出すのは夕方からにするので、食事しながら消化試合の竿を出していたら、隣の親子男子が、ブッコミで釣りました。餌は捕まえてきたサワガニだそうな。お利口親子ですね。
23cm位だったような |
へぇー、キジハタが釣れるのなら竿を出しておくべきだったのかな。時期的にはまだ早いし、投げ込んでも99%は藻絡みで釣りにならないと思ったんだがなぁー。
まぁ、そんなことは良いとして、それにしてもあのアタリはなぁー、もったいなかった。
泣きじゃくるように込上げて来る口惜しさは、いつまで続くんでしょうか。子供ならじきに笑顔が戻るのですが、この爺はしつこいからなー。
消化試合を何事も無く終えて、完全閉店が10時。敦賀新港では小魚釣りがちょっとやりにくいので、ここで捕獲した 犯人移送 準備をして、正午前に出発。
でも、ここへは必ずまた来ます、たとえアオリイカのリベンジ戦ができなくても。なぜなら"越前温泉道の湯"の回数券を買ってしまって、まだ3枚残っているのです。
次回は秋かな。
PMは → 敦賀新港でサゴシを狙う
越前漁港(道口)でのアオリイカ泳がせ釣りの総括
1. 活き餌仕様のハネアゲ(テコ)式仕掛けでアオリイカが釣れなかったのはなぜか
春の親イカはそもそも秋のような数釣りできるものでないことは、釣った人の「久しぶり・・」「やっと・・」などの口振りからも分かります。前提として、容易でないことに挑んでいるとの自覚は必要でしょう。
活き餌 = 私の活き餌は、現地調達した10cm強の小メジナが主で、他に小メバルとオハグロベラでした。見た限りでは他の釣り人は、ヤエンのアジが15~20cm位の購入アジのようでした。この違いは大きいと認めざるを得ません。この時期この場所のアオリイカは2kg前後ですから、私としては、少しでも大きい自給餌(小魚)の調達を心がけるべきです。魚体が少し大きくなるだけで、持久力と動きがかなり良くなります。小メバルにアタッたのは一つの経験をプラスできましたが、魚種以上に大きめの餌だった、というファクターのほうが作用したのだと思います。
仕掛け = 自作のハネアゲ式仕掛けに始めてのアタリがあり、ステルス性能には問題ないことが立証されました。掛けられなかった原因を考えてみると、存外簡単なことだったのかもしれません。ぶら下げでも、ハネアゲでも共通するのは、釣り人と道糸と仕掛けとイカがすべて一直線上に並んで引き合った時でないと、掛かりにくいのだろうと思います。そのような状況を作るには、しっかり喰わせながら、ゆっくりと時間を掛けて、一直線状態に持ち込んでからアワセることだと考えられます。今回は横走りしたイカにアワセを入れたのですから、掛けられなかったのは当然だったのかもしれません。
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