アオリイカ泳がせ釣りの仕掛け(掛け針)を自作

ヒイラギに掛け針をセット

春から初夏にかけて釣れる産卵前のアオリイカは、大型ですからアングラーの垂涎の的です。でも、親イカは秋の新子のように簡単には釣れません。

ベストの餌と言われるマアジの活き餌を使っても容易ではない活き餌の泳がせ釣りですが、私の場合には現場調達の雑魚を使うので、なおさら困難です。

活き餌としてネンブツダイを中心に、メバル、メジナ、タカベ、サバ、キューセン、スズメダイ等々の小魚を過去使ってきました。

成功に至らない原因はいろいろ考えられますが、主にはこの二つです。

・仕掛けに欠点がある
・活き餌の小魚の訴求力が弱い

後者の活き餌のアピール力の弱点は、現地調達を私の泳がせ釣りのポリシーとしているので、変えません。なので、前者の仕掛けを改善することに注力するしかありません。

以前に市販の掛け針を使って 自作した仕掛け で何度かアタリはありましたが乗りません、掛けていません。釣り場が遠いので試行も少ないのですが・・。

ヒット率、ランディング率を上げるためにはどうすれば良いのか、市販を含む従来の仕掛けにとらわれずに、原点から考えてみました。

なぜ掛からないのかということを突き詰めていくと、行きつく先は針先がアオリイカに触れていない、ということです。

いかにして掛け針にイカを接触させるか。これは捕食スタイルを見れば答えが見えてきます。

活き餌に忍び寄ったイカは、2本の触腕を伸ばして魚を挟み、すぐさま8本の腕で魚が逃げないように抱きかかえます。

続いて魚の後頭部(首)を口に運び、かじります。それにより背骨の上側に位置する脊髄を切断して、餌とする魚を死に至らしめます。そして賞味するのです。

同じフィッシュイーターでも、青物やスズキのような丸呑みタイプではなく、かじって喰うのですから、仕掛けはこの捕食形態に見合う必要があります。

ネンブツダイに掛け針をセット

重要なことは、掛け針の位置です。これがイカから魚への第一撃の位置に近いほど、掛かる確率が高くなることは自明です。(警戒されにくいことも大事ですが。)

その発想で作られている市販の針もあります。
カツイチ イカつ~る フック No.2 IS-52
カツイチ N-3 のませショルダー S
マルフジ IKA-58 レッドロデオバーブレス S IKA-58

これらはみな背中に掛け針をセットして、アオリイカからのアタック早期に掛けることを狙っています。

活き餌が15㎝程度以上のマアジであればどれも使えるはずです。けれども私が使う活き餌は10㎝あるかないかの小型魚が多いので、負荷が大きすぎてNGです。

それゆえ自作するのですが、目指す方向は、なるべく活き餌の小魚への負荷を小さくし、同時にアオリイカが感じる仕掛けの不自然さも小さくすることです。

イカが活き餌の小魚を抱いて口に運び、かじろうとすると同時に、腕や触腕の付け根の口周りに針掛りする、というコンセプトです。

< 自作したアオリイカ用の掛け針 >


掛け針はトリプルフック12号が2本で、互いに干渉して絡み合うことのないフックポイントが6点あります。アイを中心に回転できますが、活き餌に固定されているので、針だけ逃げてしまうことはありません。

管付きチヌ1号の針で背掛けにするラインに、この掛け針を通してセットするので、ごくシンプルでライトな仕掛けです。

< 材料 >

トリプルフック#12 2本 15円
管付きチヌ針 1号  1本 22円
シリコンチューブ   内径1.5mm 外径2.5mm  1㎝ 4円

< 作り方 >

1. シリコンチューブを1㎝にカットします。
2. トリプルフック2本のアイを、チューブの断端から入れて重ね合わせ、チューブでつなぎます。
3. 4号程度のハリスを1m、チヌ1号の針に結び反対端にスナップスイベルを付けます。
4. 使用時は、掛け針のアイをチヌ針で縫い通します。

< 留意点 >

1. トリプル×2の針先6ポイントは、常にシャープにしておきます。
2. 活き餌の針掛け位置は背びれの下、重心直上付近とします。これにより針外れを防ぎ、死んだ後も水平を維持するので、アオリイカにアピールできます。

< 使用法 >

1. 浮き下を遊動にした浮き流し、または竿下への垂下で使います。

補足
活き餌の小魚と仕掛けハリスの接続に針を使わずに、ハリスのみで装着すると下の写真のようによりシンプルになりますが、縫い針を使って魚の背にハリスを通してから結ぶ作業が少し面倒です。


市販仕掛けとの比較を考えると、この仕掛けも遜色ないように思います。けれども、全ては実績次第ですから、2020年春からのシーズンで試行します。

結果が出次第、別の記事 でアップします。

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