アオリイカ釣りのテコ式仕掛けを自作(工法編)
カーボンシャフトとステンレス線の接着方法
アオリイカ釣りのテコ式仕掛け を自作する材料として 中国製のカーボンロッド を主軸に使うことを 材料選択編 で決めました。それにより、また難題が出てきました。加工方法です。
シャフトにステンレス線を使うのなら、その接続は、末端を曲げて作ったループアイを使うだけのことで、簡単です。
ところが、カーボンロッドは同様の加工ができません。別に作った物を接続する必要が生じます。それが何であれ、接続、接着することになります。
ここではステンレス線で作ったU字型の部材を、2つの方法で接着を試み、実用化を目指します。目標は静的(吊り下げ)荷重で10kgと言いたいところですが、実用上は、その半分の5kg以上あれば足りるでしょう。
接着剤の候補は、100円ショップにも在る汎用のエポキシ樹脂接着剤とシアノアクリレート接着剤です。
カーボン軸は直径0.7mm、ステンレス線は直径0.55mmです。0.5mのカーボンロッドの両端に2種を接着して試験しました。
E. エポキシ樹脂接着剤
2剤を混合して硬化させるものですが、正確な等量混合が必要で、そうでないとE.は十分な強度が出ません。でも、微量しか使わないので等量を計測すること自体が困難です。
等量を目指して混合、塗布しました。粘性が強いので、糸を巻いて強化してからの塗布では浸透しないように思ったので、塗布のみです。25℃で3日ほどの乾燥で、ほぼ固まったように感じましたが、やはり等量でなかったのか、わずかなべたつき感が残りました。気泡が多いのも気になります。
C. シアノアクリレート接着剤(低粘度)
使用は容易ですが、衝撃に弱い点が不安です。気休めかもしれませんが、仕上げに接着部分を熱収縮チューブでカバーすることも考えます。
U字型の部材でシャフトを挟み、接点部分にC.を付けて一旦固めます。次に接着部分を糸で巻いて留め、C.を塗布して、浸透させて固めます。瞬間接着剤といえども、完全な強度が出るまでには、12~24時間かかります。
実用強度試験(吊り下げ荷重)
シャフトを吊り下げ、下端のフックに荷重を掛けて、E.またはC.の接着部分が破壊するまでの荷重を測ります。
4Lペットボトルに少しずつ水を満たしていき、荷重を増やし、E.が破壊(脱落)したのは、荷重が3.3kgの時でした。カーボン側のすっぽ抜け状態でしたから、硬化不足か摩擦不足か?
硬化していたはずのエポキシ部分をペンチで挟んだら、劣化したゴムのような塑性変形が見られたので、硬化不足のようです。やはり、等量混合がネックで、計量不能な微量の使用にはE.は向かないようです。
C.の方は変化無しだったので、それ以上の強度があると考えられます。
次に、脱落したE.接続に替えて、カーボンロッドとステンレスフックの接する面積を増やしたC.接続で再実験です。両端共にC.接続になっています。
徐々に荷重を増やしていき、7.5kgになっても破壊(脱落)しませんでした。手ごろな錘がなくなったので、ここまでで終了。ラインやスイベル等、システムの他の部分の耐力を考えれば、これくらいの強度があれば良いでしょう。(衝撃に弱いことを忘れずに使います。)
今回は0.7mm径のカーボンロッドの長さ8~10mmへの接着ですが、相手方のステンレス線と複雑な接し方をしているので、本来(理論値)の強度計算方法が分かりません。とりあえずは、結構強いもんですね、としておきます。
ステンレスの掛け針とカーボンロッドの接続は、接着面積が広いので、先に済ませたE.接続のままとします。
これで、いよいよ最終段階のテコ式仕掛けの製作ができます。
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