釣りのオモリをモルタルで自作

モルタルおもり       数値は号数

釣りの錘は鉛が一般的ですが、素材比重の違いにより同じ容積で重さ(質量)が変わるので、空気中や水中での抵抗とコストを考慮して、金属の中でも高価なタングステンや安価な鉄が使われることもあります。

ここでは、金属よりも安価に容易に自作できるオモリとして、モルタルで作る錘の作り方をシェアします。混ぜ物次第で、7.7号~15.5号の錘が作れます。

オモリに使われる金属等の比重

 タングステン 19.3
 鉛 11.4
 鉄 7.8
 セメントモルタル 2.1
 コンクリート 2.3

モルタルは、セメントと骨材としての砂を水で練って、化学反応で固めるものです。コンクリートは、モルタルに砂利を加えて強度を上げたもので、砂利の種類で比重は変わります。

釣りのオモリをモルタルで自作する意味は二つあります。その一つが、有毒な鉛で環境を汚染しないためです。二つ目は、趣味にかける費用の軽減です。鉛オモリとの比較では、手間賃を無視すると、モルタル単独なら約 1/10 のコストになります。

このDIY.モルタル錘は、長所と引き換えに短所もあります。それは、比重が鉛等の金属と比べるとかなり小さいために、遠投や深海の釣りには向かないことです。

私は、この錘をブッコミ釣りに使いますが、根掛かりが激しい場所では、一投ごとにオモリを失うこともあります。

鉛を使っていたのでは、費用がかさむだけでなく、環境汚染も気になるので、この自作モルタルオモリを使います。

< 材 料 >


成型用樹脂型 (プラグトレー) 119円/200穴  ホームセンター

普通セメント 200円/2kg  ホームセンター

 0円 海で採取

アルミワイヤー 110円/18.8m  ダイソー

パチンコ玉 (11mm径=5.5g) 1.0円/個  ヤフーオークション

< 作り方 >

1. アルミワイヤーを5cmに切って曲げ、オモリに埋め込むフックを作ります。


2. 深さ3㎝位の食品トレーに砂を2㎝ほど敷きつめ、必要量切り離したプラグトレーを置き、上から抑えて少し埋め込みます。


3. プラグトレーの穴から砂に向かって、フックを1cmほど埋め込みます。


4. パチンコ玉を上から落とし込んで、穴をふさぎます。


5. モルタルを調製します(下記)。(今回は、400gヨーグルト容器を使用しました。)


6. 調製したモルタルをプラグトレーに、スプーンで流し込み、日陰で1日養生します。(低温下で凍結すると固まりません。)

7. プラグトレーを下方から押し上げて錘を取り出し、完成です。(すぐに使用することも可能ですが、完全に固化するまでは、モルタルは割れやすい状態です。) 型は再利用が可能です。

モルタルの調製方法

[ 砂:セメント:水 ]を重量比で[6:2:1]とするのがモルタル作りの基本ですが、同じ容積比でも可能です。出来上がり量は、容積比では、砂の量とほぼ同量のモルタルができあがります。

始めに砂とセメントを良く撹拌し、水は規定量を一度に加えるのではなく、少しずつ入れて混ぜ、様子を見ながら加え混ぜます。

通常の固さに仕上げると流し込み難いので、上記比率よりも少し柔らかく仕上げるために、水をわずかに増やします。

プラグトレー(2.5×2.5×4.5㎝)1穴の容積は約14㎤で、水なら14gですが、モルタル単独では29gとなり、オモリに換算すると7.7号相当です。

この8号程度のオモリでは、ラインや仕掛けにもよりますが、餌釣りでの遠投は困難です。そこで体積はこのままで、重量を上げるのが以下の方法です。

釣り用のモルタル錘を重くする方法

穴埋めのために1個入れたパチンコ玉を増量することで、モルタル単独より重くなります。


数字はパチンコ玉入り数

見た目は同じオモリですが、埋め込んだパチンコ玉の数の違いで、号数では2倍以上の差が出ています。

パチンコ玉1個は、約0.7㎤で5.5gです。比重2.1のモルタルに埋め込むと、比重7.8の鉄と入れ替わるので、その差分だけ重くなります。

完成オモリでは手作業による誤差が大きいですが、表の数字から傾向は読み取れるでしょう。

潮流の早い場所では最も重い17号でも流される可能性があります。その場合にはプラグトレーのサイズを変えて、より重いオモリを作ることになります。

なお、プラグトレーの底穴ふさぎにはパチンコ玉が向きますが、重量アップが目的の増量なら、鉄の廃材、不要な釘やボルトナット等、何でも利用できます。

このモルタル錘は環境にも財布にもエコですから、お暇な方はどうぞお試しください。忙しい方は安価な 鉛オモリ を利用されるのが現実的なのでしょうね。

使用の際の蛇足ポイント
フックに仕掛けを直結するのではなく、切れて欲しい号数の捨て糸を、予めループにしてセットしておくと、不用意な仕掛けのロストを防げます。

コメント

  1. 素晴らしいアイデアです!
    私も作ってみます!

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  2. Unknown さん、お褒めに預かり光栄です。ロストのショックなくガンガン攻めて、大漁になると良いですね。

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