釣り用極小中通しコイルおもりを自作

中通しコイルおもりナツメオモリ

市販の中通しオモリの最小の物は、ナツメオモリ0.2号 です。0.2号の錘は、3.75g×0.2=0.75g です。これに相当するのは、ガン玉の2B、割ビシの中 で、このタイプにはもっと軽い物があるのですから、同様の重さの中通しオモリが欲しくなる状況もあるはずです。

その軽い中通しオモリを何に使うのか。繊細な釣りはいろいろありますから、様々な使われ方があるでしょう。私の場合は、見えチヌの這わせ釣りです。餌の重さだけでは届かない所に投入するためです。

互いに見えるような近距離に投入するのですから、動き、影、竿さばき、音、振動、等々、相手同様に神経質になる必要があります。なるべく離れたところからアプローチする必要があるのです。そのために必要になるオモリなのです。

小さく軽いオモリは、通常は ガン玉割ビシ になりますが、これを使うと複数の問題があります。

① 針軸にガン玉等を挟み付ける場合には、専用のチヌ針 であっても針掛かりの有効幅である針のフトコロが狭くなるので、針掛かりしにくくなります。

② ラインに圧着すると糸(断面)を変形させることになり、強度低下することがあります。

③ ①②いずれの場合にも、餌に重みが乗りますから、その分だけ僅かながらも違和感が増します。

この3つのマイナス要素を取り除けるのが、ハリスへの中通しオモリの効果です。チヌでなければここまでの気遣いは不要なのかもしれませんが。

さて、冒頭写真で種明かしが済んでいるので、何を作るかは説明不要でしょう。糸錘(ワイヤータイプのシンカー)をコイル状に成形するだけです。

出来上がりの重さや穴径は、材料の長さや巻き付ける芯材の太さでどのようにでも作れます。この自由度は大きなメリットです。ここでは直径1mmの芯材で、ガン玉3種類相当の物を作ります。

10cmあたりの重さは0.8g/直径1mm

2B(0.75g)---9.4cm  16mm
  B(0.55g)---6.9cm  11mm
  1(0.40g)---5.0cm     9mm

完成品のコイル長を右端に記しました。

作り方は、芯の ステンレス硬線 に所要の長さのワイヤーの中心から外に向かって、締め付けながら巻き付けていき、最後はラジオペンチで両端を押さえます。

完成コイル長を短くするには、太い線径(1.5mm程度)の物を使うことで容易に変えられます。コイルに通したラインの滑りはとてもスムースです。鉛は柔らかいので、ラインを傷つける心配もほとんどありません。

釣具(材料)はおしなべて高価なので、コストダウンするなら、多少は比重が異なりますが、安価な半田 を使うとお得に作れます。(製作品の写真は全て半田です。)

ナツメおもり 13.5g(0.2号×18)=473円
 @ 35.00円/g (店舗に在れば安価なはず)
ワイヤーシンカー 16g=220円 
 @ 13.75円/g
ワイヤーはんだ 50g=360円
 @   7.20円/g

使用時の注意

このコイル錘に限らず、錘を中通しするなら、釣法によっては完全フリーで針のチモトに接するのは好ましくありません。チヌが吐水で餌を舞い上げる際に、ハリスが錘の影響を受けないよう、20~30cm程度手前で錘が止まるよう、浮き止めゴム 等で接近阻止のストッパーを設置すべきです。

併せて、ハリスは魚から見えにくい ハリス の使用をお勧めします。太目のハリスを使えれば、ライントラブルによるバラシが減ります。私は ステルス効果アリ と感じています。

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