タチウオの味/新宮港での釣果
F3タチウオ 2017.11.20 05:50 撮影 |
F3タチウオ 2017.11.20 06:14 撮影 |
今回の太刀魚は新宮港で釣り上げたのが11/20の6時前後で、すぐに脳の後方で血管と神経を切断して血ヌキをし、続いて頭と尾を落とすとともに内蔵を除去して海水で洗い、続いて真水を使って内外を洗いました。それをビニール袋に入れて水氷に浸けて急冷後に、+5℃ほどの車載冷蔵庫内で保存しました。帰宅後も+5℃ほどで冷蔵保存を継続。利用前に再度内外を真水の流水で洗浄。およそ2日半後となる11/22の18時頃、既に死後硬直は解けていて、食べ頃感がありました。切った段階で脂が皆無に近いことも判明。上品な白身の魚で、そもそもの臭いは皆無です。鮮度が落ちやすい魚ですが、完璧に近い管理状態ですから、いわゆる魚(屋さん)臭さもありません。
<タチウオの塩焼> 11/22 18時
塩を振ってから少し置いて焼きました。
一口運んで、ホロッとくずれる食感に、「おー、タチウオ」。しっとり柔らかな身肉から出るジュースは、旨いっ。脂の助けなしでこの旨さは、太刀魚ならでは。旨いなぁー、太刀魚。
<タチウオの刺身> 11/23 19時
三枚におろしてから皮目に縦に包丁を入れた後に薄目のそぎ造りにしました。釣りタチ特有の綺麗な銀色を愛でる銀皮作りです。
いまだ透明感のある身がとても美しいです。まずは目で食べ、そして口に。コリコリとした身肉と爽やかな旨みが美味です。これに脂があれば絶妙と言えるのですが、今回は妙なる味としておきます。
<タチウオの煮付> 11/24 19時
元々が身の薄い魚ですから少々食べにくいのが難点なので、煮付けは向いている調理法です。せっかくの上品な旨さを殺さないように、少し薄味で煮付けました。
これも旨い。これが1番というのは私だけかどうか。やはり醤油の旨みとの相乗効果でしょう。食べにくさも忘れて、箸を使いました。ナイフフォークでは決して味わえないですね。
2尾しか釣れなかったので、以上3品でおしまい。もっと色々に調理したいところですが、和食の基本3品でおおよその味は分かります。洋食で油を使うと魚本来の味が分かりにくいので、これで良いでしょう。
ちなみにポピュラーではない調理法ですが、私は「タチウオのみりん(醤油)干し」が大の好物で、これは旨いです。F3(体高が指3本巾)以上なら素人さんでもおろせるでしょう。
今回の紀州のタチウオは脂が無かったことと小型だったことで少し残念でしたが、私にとって旨い魚のベスト10に入るタチウオの位置は不動です。
おかっぱりの世界では神出鬼没と言われるタチウオゆえに、思い通りに釣れる訳ではありませんが、これからも釣獲すべく努力し、美味なるタチウオに出会いたいと思います。
追記 2019.11.08
今秋に行った 紀州へのタチウオ釣り で釣った小型のタチウオや尾に近い細い部分の食べ方を考え、作ってみました。
刺身で食べられる鮮度の内に、幅2、3mmに骨ごとスライス(出刃包丁)して軽く振り塩をして混ぜ、しばらく置いてから穀物酢をひたひたに注いで3時間ほど置きます。一旦ざるに上げて、新たに穀物酢と砂糖で甘酢を作った中に入れます。
背越しの甘酢漬け (釣獲 日後)
美味しい食酢に砂糖が加われば、それだけでも旨い物ですが、そこに魚の味が加わるのですから、不味いはずがありません。
淡白な白身、ではなく芳醇な旨みを持った太刀魚ですから、薄い身の部分でもそれなりの旨さが有ります。骨の堅さが残って食べにくいのですが、奥歯で噛みしめると骨からも旨味が湧いて出ます。
骨の堅さを改善すべく、少し残して冷蔵庫に1週間ほど置いてみました。すると硬さがとれて、とても食べ易くなりました。ただし、鮮度感は失せました。
どちらかというと、後者が好ましかったと思います。食べやすさも大事ですね。
追記 2024.01.02
浸け焼き (凍結保存30日)
前年秋の釣行で釣ったF4タチウオを浸け焼きにしてみました。脂の乗りが今一つでしたが、柔らかな身質に旨味があり、醤油とみりんが支えた味わいはかなりのものでした。気楽には言えない「絶品」の言葉が、頭を過ぎりました。
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