タチウオ釣りを和歌山県で



太刀魚の本場とも言われる和歌山県。徳島県との間の紀伊水道を含む沿岸、沖合いが日本国内有数のタチウオ漁場となっています。沖にタチウオが豊富に居るということで、ショアでもタチウオが狙えるのでしょう。

もちろん、沖で漁師が獲るようなドラゴン級のタチウオが易々とショアから釣れるわけではなく、岸壁や堤防で釣れるのは、小型中心のタチウオです。

それでも美味なる魚、タチウオが釣れるのなら、ちょっと釣りに慣れたアングラーなら、釣りたい釣り人はたくさん居るのが自然というものです。

夜釣り限定という難関はあるものの、釣り方も古来からの餌釣りに加えて、ワインド、テンヤ、ジギングと多彩になり、タチウオ釣りに新規参入する釣り人が多くなっています。

かくいう私も、タチウオが釣りたいばっかりに、禁忌としていた夜釣りに昨年からエントリーしました。ひたすらタチウオの食味と釣趣にひかれて。

私の地元である静岡県内でも釣れますが、たまには他所の本場へも出かけるのが、趣味たるゆえんです。

和歌山市内"青岸"でタチウオを釣る-1

2019年10月27日 (日曜日)

一般道をとことこ走っておよそ8時間、初めての釣り場"青岸"に着いても、事前に地図や航空写真等で情報収集できるおかげで、スムースに釣り場に入れました。


ちょうどタイミングよく入れ代わりで、場所を確保できました。帰る親子に話を聞くと、1日やって小アジの呑ませでツバス(ブリの若魚)2尾の釣果とのことでした。

私もやる気満々で、さっそく夜釣りの準備開始です。良型は期待薄と考え、ムツネムリ針11号の1本針ワイヤー仕掛けで、餌はコノシロの短冊です。周囲での集魚灯使用が少なかったので、私も不使用で。


17時頃の日没時から釣り開始でした。時折ウキがピョコピョコしますがなかなか引き込みません。やっと引き込んでも、ジッと我慢で待つと、それっきり。

ちゃんと喰うてんか、せっかく浜名湖の美味しいコノシロ持って来たんやさかいな、ガッツリいきーな。

回収すると、針掛けした部分だけを喰い残された切れ端が針に残っています。んー、結構渋い。

お隣さんの二人の餌釣りマンにもアタリはあっても掛かりません。キビナゴ餌のようなので、かじられているのでしょう。

こちらも何度も餌をかじられ、すっかり暗くなってイライラが高じて来た18時過ぎのアタリは、沈んだ浮きが浮いてきません。それでも放置します。横に置いた車に歩み寄り、ホットコーヒーを一口飲んで時間調整。

ぼちぼち良いかな、と竿を手にして糸ふけをゆっくりゆっくり巻いて取ります。巻き終わってちょっとテンションを掛けると、クッ、クウーッと引きます。そこでグィーンと合わせを入れると、フックオーン。やっと掛かりました、やっと。


引きも弱く、揚げるのも軽々。サイズは F=2.5 と小さめ。喰いが渋いのと型は関係ないのでしょうが、散々じらされて揚がったのがこれですかー。

次は良型を、と気持ちを前向きに切り替えて続行してみたものの、アタリが止まってしまいました。これでは、ボウズ逃れで終ってしまいます。

ここまでがマズメの地合というのだとすると、ちょっと寂しすぎます。が、相手は自然なのですから、いたし方ありません。たしかに理屈はそうなんですが・・。

お隣の二人には釣果無しなので、この時点では私が1歩リードですが、競争心がほとんど無い私でも、資源量の多寡という意味で気にはなります。

20時頃になって1度アタリがありましたが、乗らず。遠距離ドライブの疲れもあって、ここでプッツンしました。

2.5Fがポツリと1尾、ですか。やってられません。お終い。


御坊市"日高港北岸壁"でタチウオを狙う


2019年10月28日 (月曜日)

タチウオを釣りたくて来たのですから、昼間は体力温存でマッタリ過ごします。和歌山市内某所で目覚め、南を目指します。


こんな景色を見ながら朝ごはんを食べ、


こんなところでトイレ休憩をし、


紀伊日ノ御埼灯台の秀麗な姿を見上げ、


灯台下の磯釣りマンにエールを送り、


着いたのは日高港北岸壁です。


夕刻までには間があるので、ブランデーの水割りをお供に昼ごはんを食べ、本を読んで昼寝をし、来るべき時を待ちます。

ここは港内の奥に位置するので浅く、朝晩のマズメ時にアジを狙う釣り人が来るくらいで、他には期待できるものは無いようです。

地元の人とも話しましたが、タチウオならここじゃ無理、と言われたので、以前に少し釣ったことがある ので・・、と返しておきました。


その時の足腰の疲労に懲りたので、釣り場での自分の動線を考えて道具類を配置しました。基本的に立ち上がらずに仕事ができるでしょう。竿は、3.6m硬調の延べ竿1本のみ。F3位までなら抜き上げられるでしょう。


タチウオ様のお口に合いますよう、餌は各種取り揃えました。右端上から、コノシロ、サンマ、サバ、イカ、タチウオ、です。


日没と同時に集魚灯に点灯し、戦闘状態に入れり。もっともすぐには何も起きるわけは無く、待つことしばし。


30分ほどして何やら仔魚か稚魚か、小魚が少し寄りました。さて次は・・。濁りの強い潮の流れは早く、毎秒5cmくらい流れていきます。

60分経過した頃に、ギラッと光る物が海面下1.5m付近に見えました。おーっ、来ましたねー、太刀魚。熱烈歓迎してくれるのかな。

昨年会った魚たちとは歳が違うので、きっと後輩なのでしょう。申し送りがあったので、来てくれたのでしょう。

でも1尾2尾じゃ困るんだけどな、という間もなく視界から失せてしまいました。あっそうか、仲間を呼びにいったんだね、はい待ちますよ。

待つ間の代理によるオモテナシなのか、スポットライトの中でイトヒキアジがトリオで繰り返し群舞を見せてくれました。紐がたくさん漂う姿は、あまり好感のもてるものでは無かったです。せっかくですが。

そして、忘れた頃になってギラッとタチウオ。んー、どうしたのかな仲間は。またしても1尾か2尾のようです。

結局2時間待っても変化は無し。どうやらスッポカサレてしまったようです。約束をたがえたな、タチウオ。どう責任を取るんだ。

後から冷静に考えれば、この間に灯の外側を浮きで流していれば、掛かったかもしれません、1尾や2尾は。もしかしたらですが。

でも、前回の太刀魚の群れを延べ竿で釣り放題した記憶が邪魔をして、浮き流しなんて考えつきませんでした、この夜は。

ごていねいなことに作業手順を考えた釣り場配置をして、そう、コンクリートの温度を下げるために打ち水までして準備万端整えて待ったのですから、まるでパントマイムのピエロです。

20時になって、この夜の釣りを断念しました。そのときになって気付いたのは、水色の悪さです。透明度が低いばかりでなく、褐色の濁りなのです。写真ではブルー系に見えますが、もっと褐色が勝った色でした。

おそらく日高川の濁りが日高港内に流れ込んでいたのでしょう。当然のこととして塩分も下がっていたはずです。主に深海に生息する魚ですから、塩分低下を嫌うのかもしれません。

あれやこれや釣れない原因を考えつつ、翌日以降の身の振り方を考えながら風呂に行って戻り、この地で車中泊の眠りに就きました。

深夜に目覚めて対岸を見ると、大勢並んで居たメインの釣り場もすっかり人が減り、集魚灯は1つ、車は1台になっていました。覚悟の徹夜マンだけが残って、他はあきらめて撤収したようでした。


旅釣りの雨で温泉を楽しむ


2019年10月29日 (火曜日)

日高港北岸壁の前夜の釣り場での車中泊は、深夜1時過ぎからの雨で一度起こされましたが、静かな場所ゆえに、再入眠も容易でした。

夜が明けて、対岸の岸壁釣り場を見ると、釣り人が一杯でした。まだしっかり雨が降っているというのに、御精勤なことです。常人から見れば、常軌を逸していると見えるのかも。

私は以前に雨の中で釣りをして、車の中が湿気で充満してしまい、乾燥させるのに苦労して以来、車中泊の際には雨の中では釣りをしないことにしました。なにしろカプセルホテルのような環境ですから。

車内完結の簡単なパンの朝食を済ませ、南下を開始しました。今回の釣りはタチウオを主ターゲットにしているので、その匂い(可能性)のありそうな場所を目指します。


けれども、雨。


止むのを待って、白浜町のホテル川久東側の海で竿を出しました。日中なのでタチウオはありえません。ぶっこみ釣りで漁業資源調査です。

早い潮流に流された仕掛けが止まると根掛かり。1投目から仕掛け一式をロスト。そういう場所なんですね、ここは。

2投目も ♪ 流れ流れて東京へ ♪ はい、根掛かり。いくらモルタル錘と パイプ天秤 が自作で安価とはいえ、魚が釣れるならともかく、ただただマイナスの掛け算は嫌です。

予報に無い雨が降り出したことにも背中を押されて、撤退決定。行く所無し、やること無し。せっかく白浜まで来たのですから、綱の湯温泉 とやらへ。


とってもハッピーになって、南下を開始しました。
日没前に"道の駅すさみ"に着いて、自炊夕食後に仮眠。


串本町有田漁港でオオモンハタを釣る


2019年10月30日 (水曜日)

道の駅だから仕方ないのですが、早朝からドアバッタンで起こされたので、暗い内に出発しました。

足を踏み入れた串本町は本州最南端の街ですが、その最南端に近い位置にあり、巾着のように奥が広がった有田漁港は、巾着の入口に沖堤を2つ配置しているので、波静かな良港のようです。


奥まった場所なので魚は期待できないとは思いつつ、早朝の岸壁には釣り人が居ないので、マイペースの下手ルアー釣りを楽しむことにしました。

ルアーマンに限りませんが、釣り人は他人の技に興味津々ですから、その目があると、私のような自己流の下手糞は、やりにくくて困ります。

この朝は渡船で渡る1人が見えただけで、港内での釣りは私ただ一人でした。さすがに平日にここまで来て釣りをする者は多くないようです。

船溜まりの外側での第1投はダイソージグ18gで、以後スピナー(自作を含む)、メタルバイブとチェンジして、メタルバイブにはフォール時と直後にショートバイトが何度もありましたがなかなかヒットしません。

近くまで引いてくると岸壁直下からメッキがルアーを追って浮上しますが、魚体が小さいせいか、バイトには至りません。

ようやくのこと、フォール直後のリトリーブで メタルバイブ にヒットしました。揚がって来たのは、チビと言うと失礼かな程度のオオモンハタでした。


可哀そうに、2ヶ所も針が刺さったスレ掛かりでした。でもシングルフック1本針では、掛からなかった確率が激増してしまうのでしょうね。痛し痒しです。全長は23センチでした。

この港は有田川の流れ込みがあるので、降雨後には状況が一変するのだと思われます。塩分の多寡と魚種の変化で、時期を選んで変化に富んだ釣りができるのかもしれません。

とりあえず1尾釣って満足したので、有田漁港内を見回ってから、串本港内へ移動して釣り場を覗いた後に北進しました。次のミッションは串本町の動鳴気漁港で金魚釣りです。

泳がせ釣りでタチウオか青物等を狙う計画です。活き餌としては小アジが良いのは分かっているのですが、コマセを用意して本気で釣らないと簡単には釣れてくれません。

だから次善の策の金魚なのです。ネンブツダイクロホシイシモチ は、どちらも活き餌としての効果は同じだと思っていますが、どうなんでしょうね。


動鳴気漁港に来てみると、なんだか様子が違います。そう、沖側の堤防が壊れています。2018年の台風被害でしょうか。

ちょびっとアミの塩辛を撒くと、キューセンが寄りますが、金魚が見えません。困りますねー。とりあえずメシ。日差しが強くて暑い位の陽気ですから、チープなビール風味飲料でも十分に旨いです。

昼寝から覚めて、再びアミの塩辛を撒くと、少し時間がかかったものの、金魚が見え始めました。

活性が低くて浮いてこないので釣りづらい状況でしたが、20尾ほど釣ってお終いにしました。あまりたくさん釣ると、移送時 に酸欠を起こす危険があるのです。


次なる目的地は勝浦港です。2重バケツで金魚を移送します。前には蓋無しバケツで運んだこともありますが、そりゃー無謀というものでしたね。助手席の床に海水が溜まりましたから。


勝浦港に着くと15時過ぎでした。岸壁横付けに後20歩という釣り場で、水深もあるのでかなり好条件なのですが、目の前をホテルへ往復する船が頻繁に通るのが、釣り人としてはうっとおしいところです。

あまり贅沢を言うと、この国には釣り場が無いことになるので、はい沈黙。

夜釣りでタチウオを狙うために金魚を拉致して来ましたが、さてタチウオは居るのでしょうか。辺りをうかがい、地元の人に話を聞きました。どうやら、居なくはないという程度のようです。夏にはたくさん釣れたとか。

それでも昼の釣り人が帰るのと入れ代わりに、夜釣りマンが釣り座を構え始めました。どうやらタチウオのようです。

私も見習って準備を始めつつ、3人ほどの先行者の釣りを眺めていました。ちょうど薄暮のベストタイムにかかり、浮きが沈んでもいい時間でしたが、一向に沈みません。

こりゃ駄目かな、そう思って準備を中断してウォッチに専念しました。水中集魚灯は点けていたのですが、背後の常夜灯が煌々と明るい灯を海面にも落とすので、ここでは集魚灯の必要は無さそうです。

見ていても一向にタチウオが主役のドラマは始まらず、徒に時が進みます。なんだ、ダメかー。テンションが下がると、流れてくるタバコの煙が気になってしまいます。運悪く、風上にチェーンスモーカーが2人居たのです。私の我慢の糸は、ナイロンの0.3号程度のようです。プッツンして、お片付け。

"天然温泉公衆浴場はまゆ"に行って温泉を堪能して釣り場に戻ると、なんと、ちょうどタチウオが釣れたところで、暴れていました。

F3.5だったでしょうか。(たまたま釣った人と翌日話す機会があったので聞くと、その夜は全員でその1尾だけだったそうです)

私はもうこの勝浦港ではやらないと決めていたので、見てしまったタチウオに引かれる後ろ髪を断ち切って転進しました。

金魚達を再び車に乗せ、走った先は新宮港。ここが私と金魚達の今夜のネグラで、明日未明からの釣り場です。

さっそく活かしバケツの金魚を海に降ろすと、干潮のせいか、恐ろしく感じるほど海面が低く、ロープがギリギリでした。

広い岸壁には7、8人の釣り人が電気浮きを並べていましたが、私はまずは眠るのです。そうしないと明日がもちませんから。

車のベッドに座って寝酒を飲みながら、浮きを眺めました。他人の釣りを眺めるのは好きです。釣れなくても心は穏やかで居られますから。

電気浮きが海面下に沈むのは回収時だけのようで、タチウオ特有の、ジュワーという引き込みの沈み方がありません。

自分もやりたくなってウズウズしますが、もう風呂に入ったので、今夜は釣りはしません。数時間の仮眠が大事なので、お休みなさい。


新宮港で3目釣り


2019年10月31日 (木曜日)

日付が変わって起き出した時には、未だ1名居た釣り人も帰ってしまい、私が竿を出したときには、ただ一人になってしまいました。

いくらか月明かりと星明りがあるものの、漆黒に近い闇の中の広大な岸壁で・・・満天の星に見守られて、、、やるんです。

おそらくは昨夜もほとんど釣れて居なかったのかと思うと、自分にだけ釣果がもたらされると考えるほど、御目出度くはないので、気持ちが高揚することにはなりません。


まずは水中集魚灯を点灯し、道具を展開します。念のために持参した フローティングベスト を着用して、危険に備えます。実は初使いでした。

海面までの高さを考えると、高所恐怖症の私は、着水前に失神しそうです。だから沈めないフローティングベストを着用します。

沈まなければ生きる術もあるでしょう。梯子の位置は確認してありますが、何より落水しないことです。


悲壮な覚悟を胸に秘め、仕度を終わっての第1投が1時頃でした。本来は金魚を活き餌にする計画だったのですが、活かしバケツの揚降作業に危険を感じたので、身餌に変更です。

コノシロの短冊をムツネムリ11号の1本針ワイヤー仕掛けに付けて、潮上に投入します。流されたら回収して、餌を確認して、また潮上に投げ入れます。

この操作を何度やったのか。単純作業を繰り返すうちに夜があけてしまいました。つまり反応皆無だったのです。オーマイガー(=なんてこったい)、という状況です。


ただ手をこまねいているのでは釣り人の名折れになりますから、悪あがきでジグサビキを始めたのです。ダイソージグ18g+ダイソーサビキ8号3本針(半分)で挑みます。以前 にもここでマアジが1尾釣れましたが、この朝は如何に。

メタルジグも風が無ければ、非力な私では18gでも28gと比べて飛距離があまり落ちずに、フォールに時間がかかります。これって良いと思います。

何投目だったか、底付近でヒットしました。が、あまりの軽さにバレたものと思いながら巻いてくると、魚が付いていました。


念願のタチウオです。しかもしっかりと口に掛かっていますから、釣ったのです、たしかに。ただし・・・。


私の白魚のような指でも2本ありません。1.7本ですか。過去たいした数を釣ってきたわけではないですが、こんな細いタチウオは私の最小記録です。

一晩やって餌では釣れず、ジグに釣れたらこのサイズ。こういうのを踏んだり蹴ったりと言うんじゃなかったですかね。私らしくもなく、リリースしました。

でも、とにかく釣ったんです。はい、続行、と投げたら、ジグだけが飛んで行ってしまいました。

あっ、そうか。タチウオを釣ったんだから、ラインの点検が必要でした。ジグの前にワイヤーリーダーを入れていなかったのが災いしました。ジグを交換して続行。


数投の内にまたヒットです。今度もジグに来ました。魚はオオモンハタ。ちょっと小さいのですが、美味 を知っているので今度はキープ。


またまた数投でヒット。今度はサビキに来ました、マアジです。これで3目達成です。

さあ、続いてドンドンいってみよう。そう気合を入れた途端にパッタリと止まってしまいました。小物3尾で終わりはちょっと酷くないですか、それも思わせぶりに1尾づつとは。

そんなことを言っても自然相手では、どうにもなりません。結果をありがたく受け入れるのみです。


たった1尾の小アジですが、これを大魚に化けさせる作戦開始です。泳がせ(呑ませ)釣りの餌に小アジを投入しました。底から1mに中通し5号錘をキープし、その先にNYハリス4号を0.7mにチヌ針5号です。

この小アジの針掛けが良かったのか、随分長く元気に泳いでいました。朝の7時頃から撤収の午後2時頃までと、約7時間も頑張ってくれましたので、上出来です。

途中で30分間ほどは臨時に活かしバケツに収用して買物に行っていましたから、その負担を含めると、小アジは本当に持ちの良い魚です。

結果として、日中に小アジを襲うフィッシュイーターが来なかったのは、私の運が特別良くはなかっただけですから、普通のことです。

泳がせ釣りも夕マヅメが良いことは分かっていますが、そうなると必然的に夜もここでタチウオ狙いになります。

金魚の在庫があるので可能ですが、未明からのタチウオ餌釣りがアタリ皆無の完敗だったので、この夜の再チャレンジは避けるのが賢明でしょう。

ということで、転進を決定。そろそろ今回の釣り旅の終わりへの道筋も考えねばなりません。このまま素直に東に向かって紀伊半島一周の旅とするか・・・。

否、やはりもう一度はあの岸壁に立ちたい。ということで御坊市の日高港を目指すことにしました。Googleのナビに従ったら、熊野川沿いの道を教えられ、夜の山道をカッ飛ぶことになってしまいました。

19時に着いた無人の日高港北岸壁で、さっそく集魚灯に点灯し、様子をうかがいました。10/28から3日間を経たこの夜の水色は明らかに違っていました。


透明度が上がり、褐色が落ちて、通常の抹茶様の色になっていました。これならイケルか。

少しばかりの期待を胸に秘めつつも、道具類の展開は一切しません。タチウオが寄り、やれると判断するまでは、模様眺めです。3日前の準備倒れで懲りましたから。

30分ほど経った時、水中でギラリ。サーベルが輝きました。おっ、来ましたね。何度かのギラリはあったものの、すぐに終ってしまいました。

灯が見えたので様子を見に来たタチウオが、ベイトが少ないので効率悪しと見切ったのか・・・。しばらくして再訪があったものの、どうも1、2尾のようで、じきに姿が消えてしまいます。

1時間ほど待機してみたものの、好転の兆しを感じることなく、撤収を決定。風呂に行って戻って、ここで車中泊となりました。


和歌山市内"青岸"でタチウオを釣る-2


2019年11月01日 (金曜日)

日高港北岸壁で目覚めたのは薄明の頃でした。泳がせ釣りに使う小アジを狙って起き出すか、それとも疲れの残る体をもう少し横たえているか。


悩んだ末に後者を選択して、まどろみ続けました。眠りに落ちることもできずに起き出したのが6時頃。対岸を見るとズラリと車が並んで、朝から盛況です。


目の前に海を見たら、アングラーの性として、やはり何もしないというわけにもいかず、アミの塩辛を撒いてみました。が、全く姿見えずで、ギブアップ。

早朝のアジ釣りに来ていた人も早々に引き上げましたから、ダメだったのでしょう。


この数日間、和歌山県内を右往左往してタチウオの尻尾を追いかけてみましたが、or尾の貧果に翻弄されてしまって、いつの間にか迎えた朝は最終日。

この夜は振り出しに戻って、和歌山市内の"青岸"でタチウオに別れの挨拶をしようという計画を立てました。

ただし、夕方に行っても場所が確保できない可能性が高いので、昼前には釣り場に入ります。


かなりの混雑具合の中で、ちょうど帰るタイミングの人の後で待つことしばし、場所の確保ができました。足元が泥の固まった地面で、何から何まで汚れそうですが、贅沢は言えません。

夕方まで無為に過ごすのも愚かしいので、ぶっこみ釣りで漁業資源調査を試みることにしました。


自作パイプ天秤で底に這わした金魚は、何に喰われたのか、ボロボロの姿で回収されます。何でしょうね。錘の鉄筋は 北海道釣行 の際に拾ったものです。


浮くカゴ+胴突き2本針の仕掛けには、度々ヒトデが掛かりました。いつ見ても嫌な奴です。でも、これって食べられないんでしょうか、唐揚げかなんかで。貪食の私は、ふと気になりました。

炎天下で逃げ場の無い、苦難の暇つぶしがようやく終わり、陽が傾いて夕マヅメを迎えての初めの行動は、16時半からのジギングです。

少し前に知ったのですが、ダイソーのジグでもタチウオが釣れるのだとか。へーぇ、そんなモンで、ホンマニ釣れるんかいな、と試してみたのです。


ホンマニ釣れました、というより掛かりました、スレで。底付近でしたが、薄暮より前の時間でも、もう入ってきているんですね。

それにしても小さい、F2。とりあえずキープしました。もしかしたら、これだけで終ってしまうかも、なので。

餌釣りを始めた17時頃からは浮きに神経集中です。ムツネムリ11号1本針にワイヤー15cm+NY60cm、タナは2m、餌はコノシロの短冊。

ピコッ、ピコッ。スーッ、フーッ。無無無。いろいろなパターンで餌をかじり取ります。頻繁に餌を付け替えますが、なかなか食い込みません。

浮きから目を離してホットコーヒーを作っていて、振り向くと、浮きが沈んでいます。ジュワーっと海面下でピンクの灯が滲んでいます。

ほーー。今度はどのステップまでいくのかな、と放置していると、しばらくして、スゥーーー、と浮いてしまいました。

少し張って誘いますが、無視されました。何度かやった後に回収してみると、針掛けした部分だけが残されてきました。渋いなー、今夜も。これじゃー、数釣りなんてとても無理でしょう。

潮の流れが速くてすぐに浮きが持っていかれますが、幸いにも私の場所は潮下が立入禁止領域で人が居ないために、流せて好都合でした。

頻繁に切り取られていた身餌がそのまま戻ってくるようになり、20時頃からは無為の時間に突入。


それでも努力をということで、竿1本足元への垂らしも追加しますが、事は起こらず。

風が出てきたために、車の位置と向きを変えて防ぎます。それでも砂(泥)塵が舞う中、我慢を重ねつつ地合を待ちます。

暗くなって出没していた猫が、私がちょっと気をそらした隙に、ついに車に上がりこみました。付け餌の匂いで窃盗未遂を働いたのです。タチウオが来ないで泥棒猫とは、嫌な釣り場です。

おそらく2時間くらいはアタリ無しの空白時間だったのでしょう。この真空状態が破れたのは22時半近くなったときでした。

浮きが沈みました、ジュワーーーっと。待ちに待ちに待ったアタリですからおろそかにはできません。ゆっくりゆっくり糸ふけを巻き取って備えます。

でも、無情にも、スゥーっと浮いてしまいます。すかさずテンションを少しかけて誘います、ツゥッ。するとまた、ジュワーーー。。。フゥーっ。

もう一度、ツゥッとテンションをかけて誘うと、またもやジュワーーー。。。しばらく待ちましたが、今度は浮きが沈んだままです。

そろそろ良いかな。今度はクゥーーーっと引いてみます。するとグゥウーーーっと手応えが返って来ました。よしっ。

グイーーーンっと合わせを入れると、ググッグッ。フックオンです。まったく何時間待たせるんですか、1尾釣るのに。


やっと釣り上げたタチウオは、F2.5。まぁ、釣れないよりは良いんだけどね。お隣さんもゼロで帰って行ったんだから。

泥棒猫に持っていかれるのは勘弁ですから、さっさと始末してしまいこみ、次の投入です。

すると、流した先でまたもや浮きが沈みました。おー、地合到来か。慎重に手順を踏んだ、、、つもりだったのですが。

直前の1尾獲得が慢心を生んだのでしょう。丁寧さに欠けていたと気付いたのは、空振りした後でした。くーーーっ、口惜しい。この愚か者めが。

その後はまた沈黙の時間に突入してしまいました。この沈黙が破れるのがいつなのか、タチウオのみが知る。もしかして明朝とか。

風が強まって、砂塵の攻撃に耐えかねて、車に常備しているマスクを着けましたが、目が守れません。

しばらく我慢して続行しましたが、砂塵まみれのまま風呂に入らずに車中泊をするのはNGですから、銭湯が営業を終らないうちに行くことにして撤収を決めました。ヤメやヤメ。

釣果ゼロのボウズではなかっただけで、満足には程遠い結果に終わりました。まぁ、自然相手なので、ということにしておきます。

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