タチウオF4を和歌山・新宮港で釣る

撮影 2023.11.26  19:58
タチウオは食味が良いことから、関西のショアを中心に狙う釣り人が多く、シーズン中はどこの釣り場も場所取りが熾烈です。その混雑を避けるには時期を遅らせるか、遠隔地に向かうのが常道です。

夜の静かな海に浮かぶ電気ウキを眺め、アタリが出たら駆け引きを楽しみ、フックオンさせる頭脳ゲーム的な釣趣を楽しむのは、込み合う釣り場ではなかなか難しいです。

さて、いつどこでタチウオを狙うのが正解なのか。ユーチューブや釣具店の情報などは、ネットに晒された途端に場所取り競争が起きるので、静かな釣りなどできるはずがありません。

そんなことから私は、あえて情報の無い場所に向かいます。もちろん、常識的な公知の事実や自らの経験は考慮しますが、計画段階から釣り(ゲーム)は始まっています。

~冬
・行くのが困難
・水深が5m以上
・過去に釣れた実績がある

そんな時と場所に「釣れてないよー」のタイミングを狙って行くと、釣り場は静かで快適です。自分も空振りの可能性は高いですが。

2022年は1尾のタチウオにも出会えなかったので、2023年は今年こその気持ちで臨みました。本来なら9、10月から竿を出しているべきだったのですが、他の釣りで 北海道 に居たり、北陸 に行ったりしていたので、遅くなってしまいました。

タチウオ狙いの前に 越前でアジ釣り をして貧果、アオリ釣りはボウズ、転戦して三重県紀北町・引本漁港で鰺ボウズ、尾鷲市・尾鷲港でも鰺ボウズ。

歌山県・新宮港へは、多分タチウオには会えずに終わるのだろうという、ダメモト気分で向かいました。

行ってみると、釣り場の新宮港では日中は投げサビキのアジ釣りを中心に、その釣果の小アジの泳がせでヒラメ狙い、そして遠投カゴ釣りでヤイト(スマ)狙い等で、込み合わない程度に年金釣師達が時を過ごしていました。

そんなマッタリな釣り場で聞くと「タチウオ? ここ二月ほどは見ないし聞かないなー」で、夜になって電気ウキを点すのは、200m余の岸壁に0~3人だけでした。

17~20時の夜、3~6時の朝をそれぞれ1回として、ちょうど10回のタチウオ狙いの釣りをしました。途中の2回は紀宝町の鵜殿港で試みましたが、水深が浅い(5m以下?)ために根掛かりして無理でした。

新宮港では、主に現地調達した10cm前後の小アジを活き餌として使いました。不足時はアガッた死にアジを つらぬき仕掛け で使いました。

撮影 2023.11.26  19:39
新宮港とその近辺に丸5日間も滞在しての釣りになったのは、運良く初日(月齢12.7・大潮下げ3分)に釣れたからです。結果的にはこれ以外の泳がせ釣りの釣果は、タイワンカマス の38㎝の1尾だけでした。

他には朝マズメの鰺釣りで、マアジ、マルアジに混じって初対面の カタボシイワシ が釣れました。地元の常連年配釣り師が「これか?、サバだよ。」には驚かされました。??

カタボシイワシ
タチウオ釣りの仕掛けは全4種類を使いましたが、釣れた仕掛けは以前に作っておいた、普通ワイヤーの1本針仕掛けに活き小アジでした。シンプルイズベスト、なんでしょうか。

ただし、いろいろな仕掛けを試してみて、つくづく大型タチウオの手強さを感じました。ただでさえ少ないアタリで見られた、針を避けて活きアジの半分だけ喰われる残念な事態を解消するには、仕掛けの改良と作り込みが必須と思い知らされました。

旅釣りで夜釣りメインの際には、私は昼間に風呂を使って岸壁で車中泊します。風を除けて置いた晩秋の車内で、ホットウイスキーを呑みながら電気ウキを眺めるのは、至福の時です、少々寒いですが。

その寒さに応じて数が釣れるなら満足ですが、そもそもF4以上のタチウオは群れではなく単独行動と言われていますから、そう易々とはヒットしないのでしょう。同じ場所で以前釣った F3タチウオ は初心者にも1回で複数釣れたのですから。

太刀魚釣りの仕掛けを考える

コンセプトは針掛かり率アップです。数釣りでない大型狙いでは、しっかり呑ませて掛けるのがセオリーのようですから、自作ゆえにローコストな仕掛けの損耗は無視します。

この時は、初使いの 結べるワイヤー を持参したので、3種類の仕掛けを作りました。

タチウオ釣り仕掛け3種
上2つはごく普通の 水平2本針仕掛け と 垂直2本針仕掛け です。ただし、餌が活きアジなので、垂直2本針の方は、下針をフリーにします。

下は現場で考案した オリジナル仕掛け です。前針は背掛けor鼻掛けで後針(管付きチヌ針をハリスに通す)を尾掛けという形です。ワイヤーハリスが縦ではなく、横になる形です。活き餌のアジが自由に泳ぎ易い利点がある反面、下から見上げて餌に向かうことが多いタチウオがハリスをどう認識するのか。

いずれもこの場の実釣で使ってみましたが、如何せんアタリが少なく釣果も無しで評価できかねました。水平2本針で(タイワン?)カマスが釣れたのが唯一の釣果でした。

今回使った結べるワイヤーは柔軟性があるので自由に曲がるため、環付きでないタタキの針にも容易に結べるのは良いのですが、癖がつきやすいので違和感も感じます。魚の感想を聞いてみたいものです。旧来の ナイロンコートのステンレスワイヤー とどちらがタチウオ釣りに向いているのか、要検証です。

2023年はタチウオの漁獲が少ないそうですが、遊漁者の釣果はどうだったのでしょうか。釣り場で聞く限りは、芳しい話は聞こえませんでしたが。

年年歳歳、遊漁者にも職漁師にも魚資源環境が厳しさを増すように感じますが、地球を壊した上にロクな資源管理をしていない日本では、当然の結果なんでしょうね。

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