自作・活かしバケツ/泳がせ釣りの餌(小魚)用

泳がせ釣り(呑ませ釣り)には難しい仕掛けは不要ですが、餌の小魚を生かしておく装置が必需品になります。乾電池駆動のいわゆる ブクブク を使う方も多いようですが、機械物には故障がつきものである上に、海で使えばいくら気を遣っても塩害のトラブルを防ぎきるのは至難です。

ケチを付けるようで恐縮ですが、ブクの難点はもう一つあります。温度差です。陸上で生かしておくと、汲んだ海水の温度は急速に陸上の温度と同じになってしまいます。なぜなら、周囲の温度の空気を大量に送り込むので、早々に同じになってしまいます。これが大気温度と海水温度と差のある時期だと10℃くらいは違ってきますから、海に投入したときには相当のショックを与えることになります。それでも10℃程度の差で、小魚を死なせた経験はありませんが、弱らせた経験はあります。人間にとっての気体(空気)1℃と魚にとっての液体(海水)1℃は、かなり重みが違います。

私はこんなことから、ブクブクではなく活かしバケツを使っています。それも自作でチープな物ですが、おかげで小アジに限らずイワシですら元気に活かせます。過去の記事 を見てみたら、最大で34尾のネンブツダイを運搬して活かした実績があります。


以前には自作の 小型の活かし容器の記事 を書きましたが、肝心の普通サイズの物を紹介していなかったので、ここに記します。

その前に参考に、市販の活かしバケツや活かしバッカンを見てみると・・。

おーっ、さすがのダイワさんですね。活かしバケツ が2000円以上、活かしバッカンは3000円以上ですか。リッチマンはこういうのを買うんですねー。たしかにDAIWAさんの物は作りこんであって、特に文句を付ける所が無いようです。でも値段がねぇ。

それに引き換え、ワタシのは基本が100円ショップのバケツで、それに手を加えてあるので、材料費は300円位でしょうか。

私が一番便利に使っているサイズですが、容量は6L。バケツの素材が身も蓋もポリエチレン製なので耐候性はありますが、如何せん100円なので、薄っぺらいところが難点です。

ただし、プラスチックのバケツ(蓋付き)でまともな厚みの国産上等品を買うとなると、600円前後すると思います。確かにその方が長持ちしますが、過去の経験では一流メーカーの新品同様PE製でも、カキ殻にぶつけてひび割れが入ってしまったことがあります。

それはそれで、今も内側にビニールテープを貼って、外置きで野菜洗い等に使っています。内から外に水圧が掛かるので、これでOKです。とことん使います、ecoなワタクシは。

このポリエチレン=PE素材の耐候性はナカナカのものです。これがポリプロピレン=PPになるとかなり耐候性が落ち、ポリスチレン=PSになると、衝撃に弱く割れ易いこともあって、ほとんど使い捨て、ですね。

100円ショップのプラスチック製品の素材の使用率はこの逆の順番ですから、弱くてもたないのは当然なので、手に取ったらまずは素材確認が必用です。

泳がせ(呑ませ)釣りに使用する活かしバケツは、使用時に岸壁近くに位置する関係で、特に波のある日はカキやフジツボ等で傷付きますから、高価な物では心配ですね。


さてこの活かしバケツですが、ドリルで穴を開けただけ、と言えばその通りです。プラスチック(PE)の比重が1.0以下なので水面に浮かんでゆらゆら揺れながら穴から新鮮な海水が入りますので、酸素欠乏の心配無用で活き餌の小魚は元気です。

スカリと違って海面から上げる際にも、魚は海水に浸かった状態ですから、傷めることがなくて長持ち、と言うわけです。このバケツの工夫らしき部分は唯一フタの固定が簡便というところです。

ショックコード を使っているので、フタの開閉(押さえ)はパタパタっと簡単でしっかり固定されます。直径4mmで強度十分、というかオーバースペック気味ですが、このショックコードは1巻持っていると色々に使えてとっても便利です。そのためにはあまり細いと汎用性に欠けるので、この程度の直径が無難だと思います。


この自作活かしバケツに合わせて、このバケツごと収用できる フタ付角バケツ10L を、活き餌の運搬時には使っています。こちらのフタはかみ合わせにより密閉(完全ではない)できるので、車で運搬する際にも困ることはありません。二重バケツの中全体に海水を入れると、ほぼ10L入れたことになるので、穴あきバケツ単体の2倍近くの水量を使うことになり、結果として活かせる時間が2倍程度になる勘定です。


泳がせ釣りはなかなか面倒な釣りでもありますが、活き餌の小魚を自分で釣れば、こんなに安上がりの釣りもあまり無いでしょう。全ては活き餌次第ですから、この活かしバケツさえ持てば、今日から大物釣り師の仲間入り、です。ただし魚が来なければアウトという博打でもあるのですがね・・。


今夏は早々と梅雨が明けてしまい、猛暑の中での釣りはキビシクなってしまいました。
酷暑が終わるまでの間は、秋の釣りの戦略を練ったり、道具を整えたりで過ごすことになりそうです。これも趣味の内、ですね。

追記 2018.10.30
 穴数の不足を感じて改良 → 自作・活かしバケツの改良

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