アメマスの味/オホーツク沿岸での釣果


2019年7月の 宗谷地方オホーツク海岸釣行 で釣った魚です。北海道在住の釣り人は持ち帰る人は少ないようですが、鮭鱒に憧れのある私は、はるばる静岡県・浜名湖岸まで大事に持ち帰って食しました。

釣獲後の保蔵中は車載の冷蔵庫で0±2度程度を維持したので、長期の鮮度維持ができました。ただし、さすがに早いうちに釣った物は、硬直が解けて軟化していました。



釣獲後7日目の3尾を身おろししてみると、魚体で身質が違います。左の大と中は本来の身色になっていますが、右の小は色が淡くて未完成の色と言えるようです。

熟否はラウンドのサイズで、全長30cmがおよその境目のように感じます。この綺麗なピンクの身色が加熱で失われなければ、この魚の評価も上がるように思いますが。



酒蒸 (釣獲3日後)

美味しく食べる以前に、どんな持ち味かを知るための調理法でした。未だ硬直中だった GG の魚を酒塩に1時間ほど浸してから、5分程で蒸し上げました。


口にすると、柔らかな身が自然に壊れていきます。そしてほのかな旨味が拡がっていきます。間違ってもチリ銀のようなインパクトはありません。あくまで優しく控えめな、旧日本女性?のようなしとやかな味わいです。

ポン酢をかけて食べると、味は2階級特進して、十分な味に変身します。んー、馬鹿にする北海道のアングラーには失礼ながら、この繊細な旨さが分かりませんかねー。



ムニエル レモンバターソース (釣獲7日後)

鮭鱒といえばこの料理が1番に浮かびます。先ずはオーソドックスに作ってみました。フレンチならスキンレスが常識かもしれませんが、皮目の味を失いたくないので、これは皮付きです。

バターだけだとくどいので、少し植物油を加えて焼き、仕上にレモン果汁を絞り入れて火を止めます。


熱いうちにいただきます。おーっ、香ばしくて美味。洋食は脂を使うので、旨くて当然なのですが、素材が悪ければマイナスになるのも当然。でもこれは減点無しです。

自己主張の無い素材だけに、料理として素直に美味しいです。やはり、洋食向きの魚なんですかね。付け合せの自家菜園製の甘唐辛子がピタリでした。



ワイン蒸し アイオリソース (釣獲8日後)

本当は温製のオランデーズソースを考えていたのですが、ちょっと億劫で、アイオリソースの簡易版(マヨネーズにみじん切りの生ニンニクとコショウを混ぜ、牛乳で伸ばしただけ)です。

魚にとっても相性が良いので、今回はこれ。


魚が暖かいうちに、室温のソースをかけていただきます。ソースの付いていないところを口に含むと、ワインの芳香が口に広がり、後から魚の味が追いかけて来ます。まさしくフレンチの世界です。これはこれで美味。

ソースを付けて口に運ぶと、トロリのマヨネーズの中にニンニクの香りと旨味が頑張っています。どうだ旨いだろう、そう言わんばかりです。

おっと、魚の味が・・。たしかに負けています。無理もありませんね。酢と油と卵黄に加えて生ニンニクですから、ちょっと勝負になりません。

でも、やはりソースだけ舐めても、この味にはなりませんから、アメマスの味も参加しているのです。旨いです、これも。



フライ (釣獲9日後)

新旧大小混合の雨鱒フィレのフライです。私個人的には、魚の食べ方として最も無難で美味しいのが、フライと刺身だと思います。しかも今回はアメマスという鱒なのですから、この料理を外すわけにはいきません。


揚げたてを運んでガブリ。んー、柔らかな身がカリカリの衣にくるまれて、2種の食感のハーモニーが秀逸です。モグモグすると衣の下から魚のジュースが湧き出てくるようです。淡い旨みが香ばしさを掻き分けて顔を出します。

レモンの絞り汁と塩をかけて、なまら旨いわ、これ。アメマスだけでなく、付け合せのオニオン入りキャベツとトマトも自家製で、満足の一皿になりました。


実はもう1品、どうしても食べてみたい料理がありました。それはルイベです。一旦凍らせてからたべる刺身です。私が使っている 車載の冷凍冷蔵庫 を冷凍で運転すれば可能なのですが、他の食料品まで凍ってしまうので出来ません。

中型以上を釣り上げたら、それぞれに応じた熟成時間を置いてから柵取りして、短時間で凍結し、24~48時間後に食べるというのがベストだと思います。それゆえ、持ち帰ってからの冷凍では鮮度(熟度)が相応しくないように思います。

もちろん、いきなりの生食はNG。アニサキスの危険があるので、絶対ダメです。特に時間の経ったものは、腹腔内から筋肉組織に移動してしまっている場合が多いので、発見が困難ですから。

残念ながら、遠征の旅釣りでルイベは無理でしょう・・。


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