車中泊で使うカセットガスコンロをDIYで改良


カセットガスコンロ買い替え(増備)の経緯


車中泊では、カセットガスコンロは必需品に思うほど便利な物です。冬本番になるのを機に、タイプの異なる新機種を導入しました。


今までは、調理用具として最小モバイルサイズの イワタニ ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB (写真-中)を使ってきました。

なによりコンパクトで便利に使ってきたのですが、使うたびに畳まれている3本の脚と4本の五徳を立てるのが、正直のところ厄介でした。私が不器用なだけかもしれませんが。

新たに買ったのは、同じくイワタニの普通スタイルの カセットフー プチスリムII CB-JRC-PS50(写真-右) です。

比較参考に年代物(写真-左)も並べてみました。大きさの違いが歴然ですから、スペース狭小の軽自動車(バン)車中泊の装備に加えないのは仕方ありません。

今回はじめて知りましたが、これらのガス器具は、ボンベの接続部分にOリングを使用していて、その耐用年数が10年だそうです。なので、年代物は、すでに安全に使用できる期限を迎えているはずです。

さて、車中泊で使うといっても、カセットガスコンロは本来は車内での使用は危険なのでNGです。私も、使い初めは車外に置いて使っていました。


でも、ガス火は風に弱く、雨の中では無理という現実から、必要に迫られて車内で使うようになりました。自己責任の安全管理下ですが。


脚が3本のトリポッドは安定が良い形というのは間違いではありませんが、いまひとつ足幅が狭く、重心も高いことが転倒の危険を高めています。

万一転倒させると、言うまでも無く、車内は悲惨なことになります。最悪の場合には、車1台が全焼でゴミになってしまいますから、絶対にあってはならないことです。

実は今回の新機種導入には、その安全性の向上以外にも理由があります。別の記事 車中泊での冬の寒さ対策 に詳しく書きましたが、それは暖房です。そんなこともあって、ガスコンロを増備しました。

届いたばかりの イワタニ カセットフー プチスリムII CB-JRC-PS50 をさっそく試してみました。国産至上主義ではありませんが、チャイナ企画の物は動作に不安があるので、つい。

ボンベをセットして点火一発、合格。テストを終えて仕舞おうとして持ったら、五徳の付いた本体上部がスルリと外れ落ち、鉄板の角が床に深い傷を付けました。あーあ。

外れなくては掃除(洗浄)がしにくいので、外しやすいのは良いことです。が、五徳部分が本体に乗っているだけというのは、出し入れの際には外れて落ちやすいので、危険で良くありません。原因は、嵌合が浅いことです。

本来なら、通常時は外れず、外す際には容易に外れるのが、あるべき姿です。そういう意味では不親切とも言えます。でも、今さら返品も考えにくいです。仕様ですから、という返事が聞こえるようです。

旅に出てから使いにくい思いをしてイラつくのは嫌なので、出かける前に対策をして使いにくさを解消しておきます。


イワタニ CB-JRC-PS50 を自作で改良

五徳(しる受け)の落下防止


DIYの改良ですが、直火を使う道具で材質が鉄板ですから、ゴムバンドで留めるなどという安直な方法はダメです。容易には思いつきません。

できれば旗丁番とパッチン錠のセットで作りたかったのですが、技術的な難易度が少々高く、コスパも良くないので、不採用としましした。テーブルの上に置いて、時折眺めて数日間。

鉄板に傷をつけると錆びの原因になるので、それを避ける方法で・・。ガチガチに止める必要は無いのですから、必用十分な固定ということで。


しる受け脱落防止対策完成

< 材料 >

ステンンレスワイヤー 1本
モビロンバンド(ポリウレタン製) 1本
ステンレス針金(軟線) 1.6mm径 少々


< 作り方 >

使用時にワイヤーの緑のビニールコーティングが燃えるといけないので、表面に出る部分を事前に焼いておきます。


本体の裏側の既存の穴の内側に引っかかり、ループの頭が外側に出るような針金工作物を作り、そこからワイヤーを表にぐるりと周回させ、最後にモビロンバンドをつなぎ、末端にフックを付けて、はじめの穴に引っ掛けて留めます。


細いワイヤーですから、見た目には弱弱しいのですが、このワイヤーの耐荷重は多分10kg前後あると思われるので、切れる心配はほぼ無いでしょう。

これで五徳部分の脱着が容易で、かつ通常は外れないという状態になりましたので、完成です。この対策をしたら、どこをどんな風に持っても大丈夫になりました。結構大事な対策だったように思います。

私は手持ちのワイヤーを使いましたが、要するに燃えない線材でグルッと一回りさせて留めておく、ということです。もしかして、シリコーンゴムなら使えるかも。


耐熱木製下敷きを製作-食用油で塗装


ついでに、コンロそのものの改良ではありませんが、使用に必要な物の製作です。通常は車で食事の際には、いろいろな物を108円のプラスチックトレーに全て乗せて、まとめての移動を容易にしています。

万一の吹きこぼれ対策として、ガスコンロもそれに乗せて使いたいのですが、何分にもプラスチックですから、熱を浴びせると、溶けないまでも変形が心配です。トレーの上に断熱板を置こうというわけです。


そこで、手持ちの材料を探したら、ぴったりサイズの4mm厚のシナベニヤが出て来ました。これは 網戸の枠を作った 際に切り抜いた物です。何でもとっておくと出番が来るもんですね。

ちょちょっとサンドペーパーで滑らか&綺麗にした物に、さて塗装をどうするか。無塗装では、すぐに手垢とシミで汚くなるのは目に見えるようです。薄汚い車中泊の爺は一見するとホームレスと紙一重なので、それなりに気を遣います。

でも、こんな物にまで手を掛けるほど暇人ではない?ので、簡便な方法を探したら、ありました。木工の世界では誰もがやる、とまでは言えないようですが、食用油を塗るという方法があるようです。

サラダ油とか胡麻油などは不飽和脂肪酸ですから、以後の脂質酸化で悪臭が出るように思うのですが。良いのかなという疑問は、簡便さが押し切られて、実行しました。キャノーラ油を板の表面に残らない程度に、浸み込ませただけです。

薄いベニヤですから、反りが出るのは想定内です。でも燃え出す危険はほぼゼロです。木材の発火温度はおよそ450℃ですが、そこまで上がることは無いでしょうから。でも、浸み込ませた食用油はもっと低い300℃位ですから、気を付けます。

これにて、カセットガスコンロの使用準備完了。

ではなく、実はもう1点あります、悩みが。今までのコンパクトバーナーの収納場所にはプチスリムは納まらないので、新たに考えなければなりません。冬は衣類もかさ張るので、結構な難題です。


追記 2019.12.12
この記事のプチスリムⅡを 一酸化炭素警報機の試験 で初めて使いました。結果は、コンロがかなり熱くなり、ちょっと驚きました。本体が小さく薄いのが災いして、本体そのものが熱くなるのかと思います。したがって、コンロの下に断熱板は必須のように思います。


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