車中泊用冷蔵庫の選び方-自作経験を元に
エンゲル ポータブル冷蔵庫 MT45FP |
車中泊をするための車には冷蔵庫が欲しくなります。というか冷蔵庫が無いと、外食するか、コンビニ弁当に頼ることが多くなり、旅暮らしの質は低くなります。
私は、旅でも家でもほぼ完全自炊しているので、車載冷蔵庫には自作の 車中泊用の調理済み食品 を収容して行きます。自作の仕切り板を入れた右側(2/5?)だけで、400mlのヨーグルト容器が9個入ります。
今時は専用のキャンピングカーを買えば初めから設置されている冷蔵庫ですが、自作車両などでは、自分で調達して設置しなければなりません。
さて、どんな 車載冷蔵庫 を買うのか。それなりに使用期間が長い物ですから、買い替えは簡単ではありませんので、よく考えましょう。
簡潔に言えば、冷蔵庫の選択は、予算 と 電気供給量 と 設置スペース の許す範囲内で、目的 に合わせて選べばいいのです。言葉では簡単ですが・・。
予算
誰にでもその人なりの限界があるので、悩むことではありません。コンビニ依存症を改めれば、立派な冷蔵庫が買えます。
電気供給量
冷蔵庫は、日帰りキャンプで着くまで動いてくれればOKというのを別にすれば、ON・OFFを繰り返しながら継続して一定温度を維持するのが役目です。電気が終わったら、冷蔵庫も終わり、では困るのです。
車のシガーソケット(バッテリー)から給電する場合に、走行中以外に冷蔵庫を運転すると、容量不足になることが多いはずです。基本的には、冷蔵庫はサブバッテリーで動かす物、と考えるのが無難です。
サブバッテリーへの充電は、走行充電以外には以前ならエンジン発電機が普通でしたが、今はソーラーパネルからの方が多いでしょう。それらの給電システムの1日当たりの、給電可能量に見合う電力消費量の冷蔵庫が導入の限界となります。
これに大きな影響を及ぼすのが、車内温度です。夏の閉め切った車内は容易に40℃を超えますから、そんな環境下で冷蔵庫を運転すると、断熱材の薄い冷蔵庫のコンプレッサーは動きっぱなしになって、電力消費は極大になります。どんな環境下で冷蔵庫を使うのかが重要です。
設置スペース
置く場所が決まらないと冷蔵庫の限界サイズが決まりません。冷蔵庫の重量も考えながら、排熱を逃がしやすいスペースを選びましょう。
使用目的
この使用目的が、予算に次ぐ決定要素です。飲料だけ冷やせればいいのか、それとも私のように飲食のほとんどを自給したうえに、釣った魚まで保存するのか。人それぞれの大きな違いがあります。
必要以上に容量を増やしたり温度を下げたりすると、電気供給量も大きくしなければならず、そちらの負担も増します。
そもそもの冷却能力も大事で、冷蔵・冷凍タイプ なら、冷蔵ですら冷え切らないというトラブルは発生しないでしょう。
<<参考>> 私の 軽バン自作キャンパー では、真夏とと真冬は使わない前提で、120000mAh // 400Wh の ポータブル電源 と150W/h のソーラーパネルをセットで使って、冷蔵庫+αの電気がほぼ賄えています。ただし連日の曇や雨になると、通常の凍らないギリギリの庫内温度設定を上げてしのぐこともあります。余裕のために走行充電も併用しますが、基本は太陽光発電のみの日が多いです。
車載冷蔵庫選択のための電気知識の基礎
上の電気供給量の話では触れませんでしたが、いろいろ検討するには最低限の電気の知識が無いと、考えられません。中学で習ったはずですが、私のように忘れてしまった人は、紙と鉛筆で書いてみると少しずつ分かってきますよ。mAのように、m(ミリ)が付くと1/1000という意味です。
V=W/A
A=W/V
W=V×A
ボルト(V) 電気を押し出す力=電圧を表す単位です。
アンペア(A) 電気が流れる量=電流を表す単位です。
ワット(W) 消費される電気エネルギー=消費電力を表す単位です。
ワットアワー(Wh) 実際に使った電気エネルギーの量をあらわします。
Wh=W×h
実際には力率も影響するのですが、それは自習しましょう。
越前海岸 |
この記事を書くきっかけは、先日行った越前 で、車中泊入門者に呼び止められていろいろ尋ねられた中に、「冷蔵庫の選び方」があったのです。車中泊の目的が定かでない未経験の人だったので、雲をつかむような話になってしまいました。結論は 目的次第、ということになりましたが、未経験者には難しい選択ですね。
でも、冷蔵庫は良いです。暑い時期の海辺で、キンキンに冷えたビールを呑みながら釣りの浮きを眺めているなんて、至福の時間です。昨今の世の中は嫌なことが多いですが、それでももう少し生きていたい、、そう思えます。
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