パン粉で投げサビキ釣り-5_実釣編

越前漁港

ショアからのマアジの釣り方は、サイズによっていろいろあります。少しでも良型を狙いたいのが釣り人の常ですから、最近は"投げサビキ釣り"が主流になっています。

そのコマセ餌は普通はアカアミ(+集魚剤)ですが、そのコマセをパン粉のみにした「パン粉投げサビキ釣り」を完成させようというのが、私のアイデアです。

タナを自由に変えられる"遊動浮き式"と、底付近を狙い打ちする"底立て式"の2種類の仕掛けで、使用する コマセカゴ が変わります。


パン粉投げサビキ釣りで真鯵を狙い打ち in 越前漁港

2020年9月16日(水)

この日の実釣では、水深不明で、おまけに海底に起伏があるそうなので、底から立てる仕掛けを選択しました。投入位置辺りのブイを避けるために、薄明5時からの釣り開始になりました。

フロート内蔵のコマセカゴの下に自作サビキ仕掛け( サバ皮サビキパン粉サビキ )を付け、先端に3号捨て糸付きのナス錘10号というシステムです。海面上に浮かんだPE糸を見える化するために、中通し玉ウキ を通しておきました。

実はこのシステムのテストが済まないまま来てしまいましたので、ここでの実釣が"パン粉投げサビキ釣り"のテストを兼ねることになりました。というか、そもそも私のマアジ釣りの実績は、過去には小アジしか無かったのです。

まずは不慮の事故を避けるために、自作サビキは脇において、市販の ハゲ皮サビキ で開始しました。パン粉が市販の5mm目サイズのせいか、いまいち放出が悪いので、ロケットかごの外筒に貼ったフィルムを一部剥がしてみました。

日の出(5:30)頃、置き竿のトップを小刻みにゆする初めての魚信があり、小さ目ながら一荷で2尾揚がりました。市販仕掛けでしたが、ともかく、良し!! 魚が居ないことにはテストもできませんから。

何投目かで根がかりして1.5号の幹糸から切れたので、自作のサビキ仕掛けを投入しました。幹糸5号で枝素が1.75号ですから、切れても枝素だけのはずです。このサビキ仕掛けは、上から、サバ皮のみ、スポンジのみ、サバ皮+ティンセル、スポンジのみ、サバ皮+ティンセル、という5本針です。


この「パン粉コマセ投げサビキ釣り+自作サビキ」への記念すべき初ヒットは、日の出後の6時13分でした。もっとも、ここは東に山を背負っているので、実際に陽がさすのは、この時期で8時前頃ですから、まだ余裕の朝マズメなのでした。


そして、7時には4尾になっていました。



その後も納竿の8時03分までの間に追加があり、釣果は、17~22㎝が6尾でした。尺アジなどという欲深な夢を脇に置けば、マアジ初体験としては上出来のテスト結果でした。

この日のサビキ針別の実績は、

2尾 自作サバ皮サビキ 7号針
1尾 自作スポンジサビキ 5号針
1尾 コノシロ腹小角身餌 5号針
2尾 市販ハゲ皮サビキ 4号針

ヒット針の位置はカゴ下の1番目と2番目に限られていましたが、その理由として考えられるのは、擬餌針がパン粉コマセに近いことか、底からの位置(100±10cm)ですが、特定できません。

マアジ狙いのパン粉投げサビキ釣り‥実釣からの考察

1. 周囲でアミコマセが使われていなければ、パン粉コマセの効果は少なくともマイナスではなく、プラスの可能性があること。回りくどい言い方ですが、ジグサビキでコマセを使わないのと同じように、朝マズメの時合ではコマセが無くても、誘わなくてもサビキ針にマアジがヒットすることが有るからです。この日に即して言うなら、パン粉は邪魔はしなかったけれども、無くても釣れたんじゃないの?とも考えられるということです。
現にフォール中のアタリや着底直後のアタリが多く、そもそもの狙いである、コマセがぽろぽろ落ちているタイミングへの魚の突っ込みというのがほとんど無かったのです。
私の感覚的な推論では、パン粉コマセには視覚的な寄せる効果はあって、魚皮をパン粉ではなくシラスと錯覚して喰ったように思います。(翌日の敦賀新港での魚皮の有効性体験も裏打ちしています)

2. 岸壁際にアミコマセを撒くと豆アジが寄りますが、それ以上のサイズのマアジは寄らないので、中大型のマアジを釣るには、沖目に仕掛けを投入するのが合理的であり、上ずってくる前のマアジを狙うためには、底狙いが有効であること。マアジは底性の餌を漁る魚ではないので、ベタ底ではなく少し上の0.3~1.0mを狙うのが適当のようです。

3. パン粉コマセに対応する擬餌針は、主に魚皮サビキのようです。スポンジサビキにもヒットはありましたから、無効ではなく、サブで使えるように思います。スキンサビキなら、ピンクでなく白が有効かもしれませんので、いずれ試してみます。今回使った針は、主に胴打の小アジ7号針でしたが、このキラリ効果があれば、ティンセルのフラッシャー効果は必須ではないように思います。この日のヒットはティンセル無しの針だけでしたから。ただし、夜釣りではグロー系も効果ありのように思います。



この朝の場所では、未明の4時から 遊動パイプ天びん 仕掛けでブッコミ釣りもしました。付けエサは、前の日に釣った冷蔵小魚トリオの、豆アジ、メジナ、カワハギの稚魚各1尾の計3尾を使いました。

ネムリ針を口から通してエラブタから出し、肛門から差し込んで体内止めとして投入したので、外れることはありませんが、結果は3尾とも取られて、正体は見ずに終わりました。コノシロの身餌に替えてからは、取られたり残ったりでした。

海底に起伏があるようで、投入ポイントによって着底までの時間差が大きかったです。そのうえ海藻も多いために、盲滅法の釣りで、結果はゼロに終わりました。

朝の部を終わってから風呂に行って山に上がって、木陰に置いた車の中で涼みながら、ビールもどきで夕方までの長い休憩を取りましたが、まだまだ暑くて、体力を消耗します。

夕方は、場所を横移動しました。朝同様の仕掛けでしたが、根掛かり頻発と、風呂の時短営業に縛られた短時間勝負で、結果はあっさりとボウズに終わりました。

周囲は朝夕共にアオリイカ狙いのエギンガーが多かったのですが、ポツリポツリ程度の釣果でした。あんなに1日中攻められたら、子イカが絶えてしまいそうですね。

風呂に浸かって車中泊。何とか眠れる 限界温度 の30℃位でした。

ブッコミ釣りで釣れた魚は熱帯系 in 越前漁港

2020年9月17日(木)

前日の朝も夕も空振りに終わったブッコミ釣りの真の狙いは、何を隠そうキジハタでした。この朝も期待はそれ1点。以前にここで、活きカニを餌に小型のキジハタが揚るのを見たのです。まだ暑いこの季節にここへ来たのは、キジハタがまだ居るかもしれない、という思いがあったればこそなのでした。豆アジがキープできれば、泳がせで大物を狙うというシナリオもあったのですが、持参の身餌になってしまいました。

この朝は未明の2時に起きだし、前日の朝と同じ場所に釣り座を構えての第1投が午前3時頃でした。

まだ暗い4時40分、パイプ天秤のブッコミ仕掛けを点検回収していたら違和感がありましたが、道糸ナイロン6号+フロロハリス4号という小場所にしてはゴツイ仕掛けをゴリ巻きしたせいか、魚の反応を感じないままに魚が揚がりました。


釣り場での初対面の第一印象は、大阪弁ハジメ「あんた見かけん顔やけど、誰やねん。メイチダイかいな。んー、ちゃうなー、口がとんがっとるもんなー。なんやしらんけど、フエフキダイとかいうのんに似てないか。そやけど、フエフキダイ言うたら南方系の魚やろ。ここは北陸やでぇー。」大阪弁オワリ

たしかに暖流は佐渡あたりまで流れるので、越前町では暖海の魚が見られてもなんら不思議はないですが、フエフキなら暖帯というより熱帯、亜熱帯なんじゃないですかね。昨今は海水温度が上がっているから・・。

下の頭はマアジ

活かしバケツ がちょっと窮屈なサイズでしたから、お持ち帰り決定です。帰ってから同定したら、ハマフエフキでした。

この時のブッコミ釣りの刺し餌は、たしかコノシロの切り身だったような。もしかしたら、先月の北海道 で使った残りの紅染めイカ短冊だったかな、失念。

マアジ狙いのパン粉サビキは、前日の経験があったので、真っ暗な中で前日同様の浮き無しの 底立て投げサビキ釣り 仕掛けを投入していました。

前日のアタリ位置がサビキ仕掛けの上方に片寄ったので、オモリ上の捨て糸を長くして、少し上のタナを狙ってみました。これが災いしたとは考えにくいのですが、アタリ無しの沈黙が続きました。


ようやく何とか小型1尾を得たものの、この朝はこれのみ。ヒットしたサビキは、サバ皮のみの7号針でした。

午後からの雨の予報を信じて、暑くなり始めた8時には魚を〆て始末し、敦賀新港へ移動しました。

オモック・サビキで釣れたのは in 敦賀新港

駐車場に着くなり、釣り場を見ることもせずに、ビールもどきを飲んで熟睡1時間。アルコールが抜けるまでの間、風を受けて曇り空の下で気持ちよくルアーフィッシング。のはずが、照られました、暑ーっ。


まぁまぁの込み具合で、一応は隣人に御挨拶したら、サゴシ空振りのボヤキを聞きました。さっそく私も釣り開始。青物orサゴシのナブラでも立てば別ですが、そもそも真昼間の釣りにさしたる期待は無く、主目的は オモック のテストでした。

まぁ底を狙っていれば、まかり間違ってキジハタor青物orサゴシ等が掛からないとも限らないという程度の期待は無くは無かったのですが、とにかく酔い覚ましが第一。

オモックを投げて、あの鉛だけで勝負を賭けるというほどの信頼感は未だ無いので、保険を掛けて、ジグサビキ風に使ってみました。フラッシャーピンクスキン、土佐かぶら、フラッシャー白スキン、その他というリユース4本針のチンドン屋サビキでしたから、本気度の低さが分かるというものです。

肝心のオモックは8号で約30gですから、メタルジグなら28gと言うものに匹敵するウェイトです。ロッド の負荷限界が35gなので、バランスは悪くないでしょう。

投げてみると、追風を受けて爽快に吹っ飛んでいきます。注視していないと着水の波紋が小さいために見落としてしまいます。ただ、サビキ針の空気抵抗のせいか、飛距離はジグ28gと大差無いように感じました。

必要十分の飛距離が出ているので、何も文句は無く、キャストを繰り返し、底を叩いたり、中層を引いたりしながらも、主には底付近を狙っていました。しばらく投げなかったら、また右流れのクセが戻ってしまったなぁー、なんて考えながら。。

ん!、掛かった。プルプル。小さい。でも何はともあれ、釣ったんですからね。姿は見届けたいので、テンションは抜かずにゆっくり巻いてくると。


あー、ここの定番でしたね、マエソ。フラッシャー無しのベーシックな 土佐カブラ にヒットしました。悪食の代表格の魚ですから、まぁ何にでも食らいつくのでしょう。型が良ければ持ち帰るのですが、リリースサイズということで、ポイッ。
 

中層、上層では何もヒットせず、底付近に下げると、また。ちょっと大きめ、でもリリース。また土佐カブラに来ました。


次に来たのは、、スレ掛かりの後ろ姿だけで正解が出せるかなー。シロサバフグですね。少し欲が出て、もうちょっと気の利いた魚が見たくなり、リスキーな手前の捨て石周りを小突いていたら、グッ。

地球を釣って、初使いのオモックを失ってしまいました。環境に悪く、財布にも悪いことをしてしまいました。どこかの偉い人と違って、私は口先だけではなく、責任をとって潔く身を引きました。

ということで、この日のオモック初使いでは、鉛の塊にアタックする魚にはお目にかかれませんでした。今回のように、ジグサビキの錘代わりに使っていけば、その内にオモックへのヒットもあるかもしれません、ということで。

アルコールも抜けたので、釣行はこれにて オ シ マ イ 。

コメント