カラフトマスに出会えたのか 2020年7月

宗谷・目梨川河口海岸

新潟~小樽のフェリーを往復割引適用最長の14日間で利用して、オホーツクのカラフトマスに会いに行った記録です。


2020年7月23日(木)

早朝5:30小樽港に到着するも、下船したのは6時頃になっていました。小雨降る初日は、紋別まで走ってからその後を考えることにして出発。


小雨降る紋別港には、連休のせいか釣り人が見えましたが、釣れているのはチカでしょうか。雨の中、ご苦労様です。

市内のスーパーには、紋別産のアオマス(カラフトマス)がありました。定置網には入っているようです。


オホーツク海岸を北上して、沙流漁港を覗いてから興部へ。興部漁港にはマス偵察人らしき人影は見えるものの、魚は未だのようです。

興部町公衆浴場 で風呂に浸かり、道の駅おこっぺ駐車場 で車中泊。


2020年7月24日(金)

小雨の降る中、興部から猿払までの間の漁港と河川(河口)を見て歩きましたが、どこにもカラフトマスの存在をにおわせる兆候が感じられませんでした。




さるふつ憩いの湯 に入湯し、道路対側の いさり火の碑 前で車中泊。


2020年7月25日(土)


ようやく晴れたこの日から、実釣を開始しました。まずは稚内市の東浦漁港です。前年に ここで 岸壁際を泳ぐカラフトマスを見たのが、今回再訪のきっかけです。


それなりの期待を持って来てみたものの、何日か前にカラフトマスが1尾?揚がったことが釣り新聞に載ったとのことで、釣り人は多数居るものの、魚の気配はありません。浮きフカセと垂らしで探ってみましたが、自分も周囲も反応は皆無でした。

昼前には見切りをつけて、泊内川河口へ移動しました。いつ来ても素晴らしいロケーションです。


こんな場所でロッドを振れる幸せを感じはするものの、アタリは皆無。まぁ、真昼間でしたから、当然だったですか。


撤収して稚内市内に向かいながら、大岬から声問川河口までウォッチしました。稚内市内で買い物して、最北の銭湯・みどり湯 に入り、末広公園駐車場 で車中泊。


2020年7月26日(日)


自宅での机上調査で気になっていた 珊内漁港 がこの日の釣り場です。日曜日のせいか、先行の釣り人2名が居ました。話を聞くと「もう、カラフトマスが来てもいい時期なんだがなぁー。さっき1尾ハネたから、居るはずなんだけど。」


ここは港内に珊内川が流れ込む構造のため、漁港内に居ながらにしてカラフトマスを待ち受けることができます。ただし、鱒がいつ入ってくるのか??


ほどなく2人とも帰ってしまったので、私の貸し切り釣り場になりました。舟揚場のスロープなので、抜き上げが楽なのは大いに魅力です。釣れたら、ですが。


ちょうど昆布漁の船の出入りがある時期でしたが、それを避けて置けば、車もほぼ横付けできるので便利です。

偵察人がちょこちょこ来ましたが、見るだけで帰っていきました。私は居心地が良かったので終日粘ってみましたが、結果は無し。


2020年7月27日(月)


いつ来るとも知れぬカラフトマスをどこで待ち受けるのか。あるいは探索に走るのか・・。戦略が定まらないままの朝マズメは前日から続いて珊内漁港でした。

ここは港内なので、自作の棒ウキ でもっぱら浮きフカセ釣りです。餌は自宅から持参の"カツオのハラモの生塩蔵"と"イカ紅染め短冊のオキアミ塩辛浸け"です。基本との違いは、タコベイトをもう少し小さな ジャバラベイトミニ にしていることです。なるべく小ぶりの仕掛け、というコンセプトです。針はマダイ14号で、シングルフック61 S-61 と同等のサイズです。


それよりなにより、カラフトマスのハネもモジリも見えず、たまに針掛かりするのは、おなじみのウグイだけでした。


あきらめて目梨川河口海岸に移動してスプーンを投げてみましたが、ダメ。


昼には、流れ流れて東浦漁港に居ました。ようやく薄日が差したので濡れた衣類等を干しながら、期待薄の垂らし釣りをしましたが、ほぼゼロ人の釣り場に樺太鱒は居なかったのでしょう。


夕方には干し物が乾いたので撤収し、稚内市内で風呂に浸かって末広公園で車中泊。


2020年7月28日(火)


朝一は気になる東浦漁港に行ってみたものの、カラフトマスの気配は無く、その後に強い西風の予報が出ていたので、この日は日本海側に逃げての調査釣行に向かいました。


抜海漁港はマスではなく、シロサケの釣り場のようで、時期尚早のこの日は釣り人ゼロでした。


シーズンには大挙して釣り人が押し寄せるのかもしれませんが、大きな港はそのアングラーを受け入れてくれるのがスゴイところです、北海道は。


本州なら、有無を言わさずに「釣り禁止・立入禁止」になるのでしょうが、発想と文化の違いを感じます。漁港の広さに余裕があるのも、釣りを許す理由の一つでしょう。北海道と沖縄には過去だけでなく今も、莫大な開発費用の国費が投入されていることが、漁港を見ても分かります。


名も知らぬ小河川を覗きつつ南下し、勇知川河口を目指しました。河口への入口付近で昼寝して夕マズメを待ち、探検に出発しました。


身長を超える草やぶの中の踏み跡をたどるので、初めては緊張します。一度目はロッドを持たずに空身で河口まで往復してみました。


なんとか大丈夫だったので、装備を持って進み、河口に立ちました。誰も居ない海岸で好き勝手にロッドを振るのは、気分爽快です。


斜め後ろからの風を受けて、利尻島と夕日に向かって、7gのスプーン をひたすらキャストしました。


雄大なロケーションに文句は無いのですが、赤い太陽が沈む直前に、7gのスプーンに釣れたのは、いつものこれ、ウグイでした。



気分を変えて別のお風呂、稚内温泉童夢 に入湯してから定宿になりつつあった 末広公園 に帰って車中泊。


2020年7月29日(水)


声問漁港に立ち寄って見ましたが、釣り人は見えず、カラフトマスの気配も無く、またもや珊内漁港に向かいました。


いつになったらカラフトマスの群れが入港するのか。この時期にはどこにでも居るのが当然のように思っていた、自分の無知を恥じてみても始まりません。

ここまで来たら、ひたすら仕掛けを入れて待つのみです、ひたすら。でも時折かかる魚も、ひたすらウグイだけです。


この日もウグイで終わりました。みどり湯で汗を流して末広公園で車中泊。


2020年7月30日(木)


天気予報と残り日数を考えた結果、残されたチャンスが少ないことから、目梨川河口で未明3:43開始の釣りになりました。はるか向こうには、浮きフカセの電気ウキも浮かんでいました。


7gのシルバーのスプーン単体に、ピンクのフェザーとティンセルで装飾したトリプルフックで臨みました。シングルフックが常識のように言われていますが、トレブル6号なら規制違反とは思えません。


夜が明けてくるにつれ、大勢の釣り人が見えてきました。目視の限りでは、カラフトマス?が1尾釣れていたようです。7時頃から早朝組の撤収が始まり、私もあきらめて宗谷港のポイントをチェック(無人)しながら、珊内漁港に向かいました。


船揚場のスロープが使用中だったので、水路の対岸に釣り座を構えて、車横付けの横着釣りでした。ウグイは居てもカラフトマスは未だ来ず、のようでしたが、ここで夕刻まで時間調整しました。


再び朝の場所、目梨川河口に戻って再開しました。追い風を受けて、5gのスプーン 単体を17時過ぎから投げて巻き・・・延々と・・・。


ちょうど日没時刻頃の19時前にヒットしたのは、今回初めてのマスでした。手ごたえもそれなりにあったのですが、鱒はマスでも違います。残念賞のアメマスでした。明るい所で計測したら49㎝でしたから、アメマスとしては前年の私のレコードを書き換えました。

日没ゲームセットとして、釣ったアメマスを持って てっぺん公園 に向かい、暗い中でヘッドレスにして 車載冷蔵庫 に仕舞いました。そして、いつも通りに稚内市内に戻って湯に浸かり、公園で車中泊。


2020年7月31日(金)


前日のフル活動が響き、この日は夕マズメのみに絞りました。前日までのルアー単体で成果が出ていないので、この日は目梨川河口で浮きフカセで臨むことにしました。


餌が付いているのですから、やはりスプーンよりも反応は出易いです。カツオとイカを同時に針掛けしても、ウグイはもっぱらイカタンを盗んでいきます。


次々に掛かるのはウグイだけ。


いい加減にしてもらいたいと思うのはヒトの我儘ですか。

結局、この日もカラフトマスには出会えずに終わりました。

もう定番になった風呂とネグラで、1日が終わりました。


2020年8月1日(土)


午前中は珊内漁港で、棒ウキの浮きフカセで探りましたが、反応なし。


夕マズメは目梨川河口海岸でした。ずらりと並んだアングラーの釣り方は、浮きフカセがメインで、釣り座から10mほど前に棒ウキが浮いていました。


反対側はルアー単体や浮きルアーのアングラーも居て、いろいろでした。見えている先端を回ってその先1kmも歩くと、この時点でのベストポイント=時前川河口海岸に行けたのですが、根性か体力の無い者がここに居たようです。私はどちらもないので、当然にココ。


前日の浮きフカセがウグイの攻撃を受けて終わったので、いよいよ浮きルアーの出番です。道外の釣りでは考えにくいメソッドですが、実績があるのですから、真似るのは当然です。ただし 2.5gのスプーン は、セオリーから外れています。餌は前日と同じ。

自作の飛ばしウキ 39mmがお隣の アキアジ クルセイダー 並みに飛んでくれたので、タックルとしては周囲の人とも遜色無かったはずですが・・。

およそ10人位が並んで釣って約2.5時間。結果は、2人に1尾ずつのカラフトマスが授与されました。単純に計算すると確率=1/5。こんなもんなんですね、実態は。数日前に河口近くで並んで釣っていたカップルの片方が釣り揚げた時は、抱き合わんばかりにハイタッチしていましたから。

霧雨が降り出した日没には、傷心の釣り人が次々引き上げていき、私一人残されても頑張ったのですが、あまり濡れると後が面倒なので、19時に終了としました。

定番の風呂に寄ってネグラに帰り、1日が終わりました。


2020年8月2日(日)

この日を含めて2日間が、残された釣り可能日でした。正味1週間までの延長は可能だったのですが、台風がらみの悪天候予報があったので、1週間延長しても2日間の可能日が見込まれるだけでしたから、変更は無し。


この日の釣りは午後のみ。釣り揚げて3日経過するアメマスをおろしてカットし、道すがら汲んだきれいな海水を持っててっぺん公園に行き、そこで海水で煮熟しました。これを冷蔵庫にしまったので、家に持ち帰れます。


気になっていた小河川を実見してから目梨川河口に入って、釣りを始めたのが16時頃でした。この日は追風4mほどの条件だったので、飛ばしウキ を30mmにサイズダウンしての浮きルアーでした。


波打ち際で掛かった物を上げてきたら、イシガレイ?でした。幼稚園児クラスだったのでリリースしました。明るい内に掛かったのはそれだけ。


日没直前になって、タコベイト代わりの ジャバラベイトミニ ケイムラ から グロー に替え、UVランプ を当てて投入すると、さっそくバイトがあり、揚ったのは、おなじみのウグイ。


いくらも間を置かずにまたヒットしました。バイトのコツコツがかなり強くしつこく、グローの効果がアリアリのように感じました。なかなか面白いです。これがカラフトマスなら、随喜の涙ですが・・。


ウグイに遊んでもらっていたら、いつの間にか月が昇って夜に変わっていました。最後の一人になるまで粘りましたが、当然のごとくカラフトマスの顔を見ることはなく、この日の釣りも終わりました。

残るはあと1日。そろそろ私にも1/5の確率上の結果が到来しても、不思議ではないはずです。9回裏のソロホームランで試合が決着、になるのか否か。


月明かりの下で片付け、走行中の発電でお湯を沸かすべくセットして出発しました。

宗谷岬の集落に入り、50km、40km制限となったあたりでした。

夜の早い漁村ですから対向車は無く、対向車線にエゾシカが数匹たむろしているのが見えました。

鹿が動く気配が無かったのでそのまま進み、鹿の脇を通り過ぎようとしたその瞬間、1頭の鹿が突然私の車線に向かって走り込んできました。

急ブレーキをかけましたが間に合わず、ドンッ。車の真正面でぶつかった鹿は横倒しになりましたが、次の瞬間には起き上がって、山に向かって姿を消しました。

車から降りて小さなライトで見た限りでは、車の損傷もほとんど見えなかったので、まさかこれが旅の終わりになるとは・・・あぁ。


以後の経緯は釣りとは無縁の話ですから、自動車保険のロードサービスはお得 に記しました。カラフトマスが釣れなかったこの記事より、有意義のように思います。

釣れない不運に加えられた交通事故の不幸はあまりに可哀そうでしたが、厳しく考えるなら、釣りは実力不足、事故は注意不足なのですから、反省して再起を果たすことにします。


翌日、予定を一日早めて、カラ身で宗谷を去りました。A320の機上から見た大沼、メグマ沼、声問川が瞼に残りました。今度来るのはいつ??


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