サバ皮サビキ仕掛けを自作

サバ皮だけからティンセル付きのフラッシャーまでいろいろ

サビキ仕掛けは市販品にも種類が多いのですが、針とハリスと疑似餌の組み合わせが限られているうえに、喰いを重視した細ハリスの物が主流です。

たしかに魚の喰いが良いのは細いハリスですが、縮れる切れるで傷みやすいのも事実です。メーカーとしては、また売れて儲かるのですから、細ハリスにするのは当然です。

喰い渋りにはそれで良いのですが、喰いがたった時に細ハリスではトラブルのもととなります。それが不満なら、自作することになります。材料の疑似餌の サバ皮 や ハゲ皮 も市販されているので、手軽に作れます。

私はコストダウンも考えて、皮から自作します。それには入手が難しいハゲ皮材料のウスバハギではなく、サバを使います。大型のマサバの皮なら良いのでしょうが、市販サイズのゴマサバで間に合わせます。

サバ皮 乾燥前

三枚おろしの鯖の薄皮を頭側からていねいに剥き、脂を抜くために洗剤を薄めた液でもみ洗いの後、浸け置き洗いしてからゆすぎ、クリアファイルの上に広げて、爪楊枝を転がして空気を追い出し、端を引っ張って伸ばします。

サバ皮 乾燥後

乾燥期なら、室内に一晩置いて自然乾燥すると、パリパリに乾きます。使うまではカビが出るといけないので、室内の通風の良い場所にぶら下げておきます。

ここからがサビキ針作りです。今回製作するサビキ針は、幹糸5号、ハリス1.75号、針7号小アジ針で、それに合わせた擬餌を調製します。

まずはじめに、サバ皮をカットしますが、これには主に2通りの方法があります。シラスカットと矢羽根カットです。小針ならどちらでも大差ないように思いますが、やはりシラスカットがより良いと思います。

シラスカットには無駄(半分)が出るかわりに楽な切り方もありますが、ここでは無駄の出ないカットをします。型紙を作りましたので、シェアします。元はA4でシラスカットサイズは長さ3cm×幅1㎝ですが、プリンターで印刷する際の拡大縮小機能で、大きさは変えられます。今回は7号針なので長さ2.5㎝で使います。



カッターマット の上に魚皮を置き、その上に型紙を置いて、千枚通しで線の交点に印を付け(穴を開け)ます。ハサミかカッターで、魚皮の点と点を結んで切り離します。これを折りたたんで25mm×4.2mmにします。

左から  カット たたみ 切れ端

切れ端は、より小さな針用に再カットして利用できるだけでなく、適宜カットしてチョン掛けして疑似として使えますから、捨てることはありません。


ハリスを結んだ針に魚皮を被せて、糸で巻いて縛ります。バイス が無いと難しい作業ですが、この程度の作業なら安い物でもできます。この時、魚皮の縛られる部分をわずかな水で湿らせておくと、針にフィットして結びやすく、外れにくくなります。接着剤は必要に応じて。これで、サビキ針の完成です。

回転ビーズの効用


ハリス付きのサビキ針は最後に幹糸に結びますが、その接続には 回転ビーズ を使うのがお勧めです。


この接続にしておくと、予備のハリス付きの針の用意があれば、1か所だけの交換が簡単にできます。


回転ビーズの使用価値はそれだけでなく、そもそもエダスが回転するので絡みにくく、その結果クセが付きにくいという効果があります。

回転ビーズはサイズ(穴の大きさ)とラインやハリスの太さが合わないと、入らない、すっぽ抜けるという難点があります。すっぽ抜け対策は、ハリスを折り返して8の字結びにして結びコブを大きくすることでOKです。

小さいのに高価なアイテムですが、一度使うと、幹糸と枝素を直接結ぶのが妥当でない(仕掛けの使い捨て)ことが分かって手放せなくなります。


追記 2021.05.04

極小針で作る際には、バイスで挟む前に、ハリス付き針にカットサバ皮を被せて目玉クリップで挟んで仮固定し、針のチモトから微量の瞬間接着剤を流し込み、固まってからバイスで挟んでミシン糸で巻いて縛ります。


追記 2022.11.10

自作サビキ針のフラッシャ-の選択

サビキ針の主材料が魚皮、スキン等なんであっても、一緒にフラッシャーを使うことがあります。無しでも釣れるのは事実ですが、やはりフラッシャー付きの方が釣果が上がるように感じます。

市販のフラッシャーにも色々あって選択に迷います。もちろん釣りをする場所、時、対象魚などによって効果が変わるのは当然でしょうが、定番的な物はあるでしょう。

私が使っているのは以下の3種です。


この3種の効果を正確に測るのは困難ですが、すこし前に福井県の越前漁港で、アジ投げサビキ釣り をした際に、細ハリスだったせいで縮れてしまい、針をリユースするために解体した結果の3種のフラッシャーです。左から5.5.1本です。


針掛かりしたゆえに縮れたのですから、フラッシャーの効果の高低に関係するように思います。ここでの数が多いフラッシャーが、アジに効果が高かった可能性があります。あまりに少ないデータなので、あくまで参考ですが。(ケイムラ=1本 というのが意外です)

フラッシャーサビキの作り方

上=フラッシャー付き 下=サバ皮のみ

前記のフラッシャー3種を極少量、1、2本ずつサビキ針に組み込みます。この作業は、正直のところ手間のかかる仕事です。なので、市販品 を買うと安くはないです。

1. フラッシャーは魚皮の長さに合わせてカットし、3本束ねた片端(チモト側)を微量の瞬間接着剤で接着しておきます。
2. カットして二つ折りにした魚皮にフラッシャーと針を挟んで、バイスに固定します。
3. ミシン糸のような細い糸で3要素を縛って留め、微量の瞬間接着剤で接着します。(サバ皮の糸で縛る部分は、微量の水で軟化させておくと密着度が上がり、確実な固定ができます。)

ハリス結びは最後に

針の装飾とハリス結びの順序は大事です。

作り易さを優先するなら、針とハリスの接続が先です。小針の場合には、ハリスが付いていると作業性が上がります。ただし、ハリスを結んだ上から魚皮やスキンを装着すると、使用時にハリスにくせが付いたり縮れたりすると、エダ1本分全交換になります。

これに対して、ハリス結びを後にする作り方では、針と装飾が利用可能なら、ハリスだけの交換により部分リユースできます。

市販のサビキ針仕掛けはほぼ使い捨てにされますが、自作物は何でも愛着が湧くことが修理と再利用につながり、コスパも上がります。

製作上の注意点ですが、針だけでない装飾付きの針は ハピソン針結び器 細糸用 YH-713 のような器械では、針軸の固定にやや難ありで、手作業の増し締めは必須です。器械の使い方などは、極小針をハリスに結ぶには にあります。

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