シマノのスピニングール [シエナ] 推し

シマノ スピニングール [シエナ]

釣りの必需品ともいえるリールに、シマノのスピニングリール シエナ をなぜ推すのか。そして実釣(使用)で期待は満たされたのか。

シエナ は、実売で3000円を切る価格の製品ですから、スピニングリールとして高価な部類の物ではありません。推測ですが、リールを実売台数でみるなら、2~5千円クラスが多数を占めているようです。

そのクラスの実用品の中から選ぶとしたら、このシエナは価格と仕様のバランスが良く、コスパに優れているのが特徴だと言えます。ただし、キャストとリトリーブを延々と繰り返すルアーフィッシングに長期間使うのは難しいようにも思います。

投げて巻くというリール本来の機能は、新品なら必ず備えていますが、リールの価格は仕様と比例するので、高価格帯のリールは素材や精度を極めているため、耐久性に優れます。それゆえに、長時間連続の使用(アクション)に耐えられるのです。

裏返せば、シエナ の価格からは、常時のアクションを必要としない、待つ時間のある餌釣りでの使用に向く物と考えられます。

付属するラインがナイロン4号糸であることからも、メーカーの意図が察せられます。ただ、NY糸の選択は、単に安価だからとも考えられますが。

この シエナ のスペックを、シマノの汎用スピニングリールのラインナップ直近上下の製品と比べてみます。いずれも4000番です。参考価格はAmazon2023.03.26現在です。

FX (2073円) AR-C スプール Ama.ベストセラー1位
  ベアリング数(BB/ローラー):2/1
シエナ (2898円) AR-C スプール
  ベアリング数(BB/ローラー):3/1
セドナ (4918円) AR-C スプール HAGANEギア G フリーボディ
  ベアリング数(BB/ローラー):3/1

高価でないリールを使う際の不具合は、主に耐久性を要因とした、巻き上げ時の重さ、ゴリ感、ガタつき、固着です。これらは、必要に応じた早めのオーバーホールで防げることもありますが、5000円前後といわれる料金負担がこのクラスのリールに相応しくないことは明らかです。

リールは使用時に地面に置かない、ぶつけないのは当然として、使用後に自分でできる水洗いと乾燥や注油を前提とすると、使用感の良否は"ベアリング数(BB/ローラー)"に左右されます。

上記の FX は価格に魅力はあるものの、ベアリング数が(他-1)なのが弱点になりそうです。シエナセドナ のベアリング数は同じですが、セドナ の高機能は、シエナ との比較で言うなら、ギアや重心位置の点でルアー釣り向きです。

私はセドナの3000HGと5000HGを餌釣りに使っていますが、ルアーフィッシングに使うほどの使い易さは感じていません。

調べてみると、売価10万円クラスのハイエンド機種では、このベアリング数は 14/1 にまで増えます。スムースな回転にとって重要なベアリングですが、これが 0 という安価なリールも実在します。

試しに、リールだけでのフリー回転(力いっぱい回して自然に止まるまでの回転数)させてみると、違いは歴然です。

 シマノ 19 シエナ 4000
  約 06 回転 ベアリング数(BB/ローラー):3/1 ※末尾に追記

 ダイワ 16 EM MS 2508PE-H
  約 11 回転 ベアリング数(BB/ローラー):6/1

後者は、ルアーフィッシングの際の専用としています。スペックの違いは用途次第というわけです。

前者は、パワーを見ると [実用ドラグ力(kg):4.0 / 最大ドラグ力(kg):8.5] ですから、ブリやサケだって寄せられるでしょう。当然、ゴリ巻きするとギアが傷むとは思いますが。

使用感の想像と実用許容度、価格等々を総合的に勘案すると、この シエナ は、未使用ながらも優れている物と推察します。FX との比較で言うなら、「1000円弱余計に出して、快適により長く使いませんか。」ですね。

ただ、機械ものの宿命である当たり外れは仕方ないとしても、耐久性がどの程度かは、長期使用してみる以外に知る方法はありません。それが分かる頃には販売されていないはずなので、見込みの判断が大事になります。

私は今回、長期使用(可能)を見越して、ラインをPEとNYで使い分けて幅広く使えるように、(本体+替えスプール)×2セットを購入しました。スプール組 の単価が、セドナの物は定価3410円に対して、シエナは定価1485円と格安なのもありがたいところです。

2台同時買いのメリットは、使い分け以外にも、当たり外れの平準化、慣れた予備機を持つ、寿命近くになっての部品取り、等で有意義です。

実釣はこれからなので、追って使用感は別記事でシェアしますが、特別の可不可は多分ないでしょう。そこがシマノやダイワを使う意味と価値でもあるので。

近年、釣りのタックルでは中国製品の製品水準が上がってきていて(価格も上がっていますが)、消耗品においては嫌わずに使う方が良いと思えるものも散見されます。

左:ネジ4本錆(ベアリング=10)  右:ハンドルめっき剥がれ(ベアリング=6) 

しかし、継続的に使用するリールは、同価格帯なら日本製をおすすめします。中国製品は、表面上のスペックとコスパでは日本製をしのぎますが、派手なデザイン優先の物が多く、部品(ネジ等)の材質や工程を軽視しているようで、錆びたり剥げたりで、失格です。と言いながら、動かないわけではないので、写真の2品は未だ使用中です。

国産メーカーでは、シマノとダイワからの選択になるでしょうが、これは好みです。私は、ギアシマノマグシールドダイワを状況と目的次第で選びます。

使用頻度が多くはないので、未だかつてオーバーホールの経験はありません。安物リールは壊してダメにするし、高価なリールは丁寧に扱うので、不具合が出ません。

今回は、40年物の磯竿1本と、10年物の投げ竿1本が使用不能になったために、竿の入れ替えに伴うリールの増強でした。

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追記 2023.03.29
文中の "フリー回転数" は、の投げテスト後に再度測ると、11回転を記録しました。テスト使用でギアの微細な角が取れて滑らかになったのだと思います。使用初期とはいえ、驚くほどにスムースです。

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