アオリイカを越前漁港で釣る
アオリイカの軟骨(フネ) |
それらのことは、福井県・越前漁港の釣り場におけるアオリイカにも当然ながらあてはまります。釣り方としては、秋にはエギング、浮き釣り、ヤエン等、どんな釣法でも釣れますが、冬を越した春は最も警戒心を刺激しにくいヤエン釣りが有利です。
ただし、ヤエン釣りでは定番の活き餌であるアジの入手が絶対条件となるので、買うならともかく、自前で釣るには、アオリイカとアジの来遊が、同地域で同時期に実現しないとヤエン釣りは成立しません。
例年の越前漁港では、春イカでは、アオリイカとアジの来遊が一致しにくく、買い餌に頼ることになるケースが多いようですが、2023年春は、一致することが多かったので、自給釣りアジでのアオリイカ釣りができました。
その自給活きアジでヤエン釣りができた一例を、シェアします。
2023年6月13日
朝(雨)
日の出前後の30分間ほどで、全長13~18cmのマアジ12匹が投げサビキで釣れました。
自作 活かしバケツ で活かすマアジ |
昼(曇)
海中に届きそうな近くの工事騒音があったので、それが止んだ16時半からヤエン釣りを始めました。当日未明に親イカ2回のアタリ有と、朝7時半頃に2杯揚がった場所でした。
夕マズメ(時折雨)
傍で間断なく続く耳障りな常連の会話に嫌気がさして移動した先は、地続きで最も実績の少ない場所でした。後に、若者集団が来て、釣りではなく花火を始めて騒ぐのに閉口しましたが、我慢。雨模様のために暗くなってきた日没後30分ほど経過した時でした。
活き餌のアジの動きであれば、普通は糸を出すまでにはならず、こんな感じで竿先が動く程度です。
それとは違い、ドラグが、ジッ、ジジッ、ジジッ、ジーッ、と断続的に鳴るので気になり、糸をつまんで少し引いてみました。餌の活きアジの反発の動きなら、たいていは ククッ ですが、この時は グイーーッ と力強かったので、アオリイカと推定しました。
竿を手持ちにし、リールのドラグを少し締めて巻くとジィーーーッと糸が出ました。これでアオリイカ確定です。また少しドラグを締めてやり取りを開始しました。
巻いては少し出る、また巻く。何度か繰り返していると、40mくらい先の海面に波紋ができました。早くも浮いていたのです。藻林に潜られる心配が薄く、余裕のあるやり取りを続けて20m位まで寄せたところでヤエンを投入しました。
あまりスムースではないヤエンの降下に気をもみましたが、なんとか届いたと思った瞬間、アオリイカが餌のアジを離してしまいました。アーーッッアッアッアッという声を出しつつも、直ちに回収してヤエンを外し、喰われかけのアジを、アオリイカが手離した辺りに再投入しました。
待つこと20秒ほど、ベールを返してフリーにしておいたPEラインがスルスルと出始めました。再度抱いたようでした。潜られると厄介なので、5秒後にはソロリソロリと巻き始めました。ググッと来る確かな手ごたえを感じ、直ちにヤエンを再投入しました。
今度は近いのと角度があるのとで間を置かずにヤエンが到達したので、弱めにチョイッと合わせてみました。この合わせの正否は自信無くでした。次の瞬間、ギュイーンと逆噴射が発生してラインが出たので、フックオンを確信しました。
巻いては出るを何度か繰り返し、竿下近くまで来ると盛大に墨を吐いて抵抗します。いなしながら寄せて、タモを入れます。ここで失敗することが多々あるとも聞くので、右手の竿と左手のタモの柄を操って、薄暗い中を下から救い上げました。
たも網に入ったら私の物。そろりそろりと上げてきて、無事ランディング完了。初めてのヤエン釣りの釣果です、私にとっては。ヤエンの針掛かりを点検すると、頭に近い耳の薄い縁に針1本だけ。穴が拡がって、今にもプチッと切れる寸前でした。フーーーッ、危ないところでした。
落ち着きを取り戻して、んー??。それにしても、どれだけの時間を費やして得た一杯なのか。アオリイカを本気で狙ったのは、釣行2回目です。延べ時間では、前回と今回の合計で30時間になったかどうか位だと思います。
年齢的に体力負けして長時間連続は厳しいので、車中泊の日数は延べ15泊くらいになります。活き餌のアジ釣りも未明~早朝にするために、なかなかハードな釣りです。
師も仲間も持たず、ユーチューブもほぼ見ず、活き餌は自給し、最低限の情報収集と自分の思考だけで挑む釣りは、他人に誇るような釣果は困難ですが、達成感は十分にあります。
今回のタックル
ロッド プロマリン CBリセクター磯遠投 4-360
リール シマノ リール 19 シエナ 4000
仕掛け PEライン1.2号+フロロ4号50cmで尾柄に直結び
ヤエン OWNER 掛獲ヤエン
餌 マアジ17cm(現地釣り)
今回の総括と気付き
第一の幸運は、雨模様だつたので、近くに人が居らず、夕マズメに静穏な環境が保たれていたことです。この場所は、好天なら、投げサビキや餌木を投げるアングラーが、必ずのように居るので、静穏はほぼ無理です。
第二の幸運は、活餌のアジが表層に居たようで、巻取り始めて、時を置かずに、アオリイカが水面直下に浮いたことです。中層以下は藻林なので、アジが潜っていると、たとえアオリイカが抱いても、揚がる確率は下がりますから。前回の釣行 では、それで失敗しました。
今回表層で餌にアタックしてきたということは、無理にヤエンでなくても、ウキ釣りでもヒットの可能性があると考えられます。その実績も耳にしましたが、状況と仕掛け次第です。昼間はヤエン限定、マズメ時なら浮き釣りも可能でしょう。
アオリイカ、特に春から初夏にかけて釣れる親イカ釣りは、秋に釣れる子イカと比べると、型が大きい反面難易度が高いです。故に、ハマる釣人もマニアックな人が多いため、釣り場の雰囲気的に、初心者はエントリーし難いのが、現実です。
特に、ヤエン釣りで竿を複数出す人が居ると、かなりの間隔を空けないとオマツリの危険があるので、要注意です。磯に出ればフィールドは広がりますが、足場の良い堤防や岸壁では、この釣り場確保が難題になります。
食味については以下に記しましたが、晩期だったせいか、いささか大味だったように感じました。食味より釣味が勝る、そんな感じでした。
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