あおりいかヤエン釣りの活き餌と針掛け

2024.10.22 15:49 in 福井県・越前漁港

ヤエン釣りではアジを餌にしてアオリイカを釣るのが常識化しています。でも、あまり知られていないようですが、本来は活き餌として使える小魚の魚種は多く、針掛けも多様なのです。

活き餌の泳がせ釣り全般に言える基本は、食物連鎖に依拠していることです。その仕組みを考えれば自明ですが、貪食なアオリイカは、餌の選り好みをあまりしません。

人のように贅沢(好き嫌い)を言っていたのでは、1年限りの寿命の内に大きく成長して、たくさんの子孫を残すことができないからです。

アオリイカは、基本的には栄養源となる魚なら、死んだ魚すら捕食します。もちろん自衛の警戒心は強いので、不自然な仕掛けを背負った活き餌の魚は避けようとします。

なので、最も仕掛けの目立たない、針1本の"ヤエン釣り"にアタリが多いのです。だから、春の親イカのみならず、秋の子イカにまで1尾200円前後もする高価な買いアジを使って、ヤエン釣りをする人が多いのです。

そもそも自然界では、特定の餌を捕食して生きる回遊魚は、餌を求めて広範囲を移動するのに対して、居付く魚介類はそこに居る餌を捕食しています。

アオリイカに居食いされていたカワハギ
アオリイカも、回遊してくるアジやイワシが居なければ、普段はそこに居る小魚を食べています。メジナ、スズメダイ、ネンブツダイ、メバル、アイゴ、イシダイ、カワハギ、ベラ類、等々。サイズが適当で捕食可能なら、ほとんどなんでも食べるので、それらが釣り餌になり得ます。

もちろんアジが、泳層や体色等の見つけられやすさからは活き餌としての適性が高いのですが、その他の魚種もテクニックを覚えれば、多少の不利はあるものの活き餌として使えます。

そのテクニックとは、数ある小魚の特徴を知り、それら 小魚を釣る ことです。確保した後は、活き餌として弱らせず外れにくい針掛けに尽きます。アジなら尾掛けのほぼ一択ですが、その他魚種では、それぞれの個性に応じて針掛け位置を変える必要があります。

・ヤエン釣りでは、やり取りの過程で、綱引き状態になるので、身切れで外れる掛け方はできません。

・弱らせない最善の位置は、出血の少ない 口掛け です。確認回収時に障害物に絡みにくいメリットもあります。ただ、アオリイカは活き餌小魚の 後頭部(首)、頭、腹から尾に向って喰い進むことが多いので、針の付いた頭部を切り落として食い逃げされる危険が大きくなります。

なので、口掛けの場合には早めのヤエン投入が必要になり、モリモリ食べている最中で離しにくい、ベストタイミングまで待てません。

小アイゴ 針は 管付きチヌ2号 ラインはNY4号
尾掛け は泳ぎが自由で自然で良いのですが、アジのような硬いゼイゴの無いメジナ、メバル、ネンブツダイ等の魚では身切れします。ウロコが無く(細かくて剥がれず)、皮が厚くて丈夫なアイゴやサンバソウ(イシダイ)、カワハギ等では、この掛け方が可能です。背骨の下側にある大動脈を傷つけると出血が元で死ぬので、要注意です。

最も万能的な針掛け方法は 背掛け です。背びれの下に針を通せば、深さ次第ですが、外れにくい掛け方です。ただし、確認回収の際の抵抗が大きいこともあり、弱りやすい掛け方と言えます。

ゼロに近い餌代で手に入る雑魚とはいえ、釣る時間も必要になるので、忙しい人には無理でしょうが、小魚釣りそのものも意外に楽しめる釣りです。コスパとタイパを考えるなら、コマセカゴ超ミニ +1本針仕掛けがおすすめです。

冒頭の写真は、福井県・越前漁港で10月にアイゴの尾掛けにヒットした子イカです。頭をかじり始めたところを捕獲されて、なお獲物を手放さない姿に鬼気迫ります。

お時間のある方は、雑魚餌でアオリイカ釣り、お試しを。

アイゴの鰭の棘には毒があり刺されるとかなり痛むそうです。私は背びれと尻びれをハサミで切り取っておきます。生命力が強いので、活き餌として"海面活け越し"で数日はもちます。残ったら持ちかえって 調理して 食べましょう、丸煮などで。! ?

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