コマセカゴ超ミニ(小魚釣り用)を自作

自作のコマセカゴ-ウルトラミニ3種

コマセを使う釣りには、竿下の小アジ釣り、遠投カゴ釣り、メジナのフカセ釣り等々、多くの種類があります。柄杓で撒く場合を除くと、多くの場合にカゴを使用します。それらの完成された市販のカゴでは対応できない場面に当って、以前から困っていました。

先日行った  越前漁港 では、小アジがたくさん居て、コマセを入れると真っ先に浮いて競って喰うのですが、アッという間に終わって沈んでしまいます。同調できなかった付けエサで釣れるのは、カワハギとメジナでした。過去にもこんなケースが何度もありました。

私は、小アジを釣る時は、できる限り少ないコマセで満腹にさせないように注意しながら釣ります。そのためにサビキのセットを使わず、浮き無し のべ竿で1本針の見釣りをします。
この釣り方で朝夕のマズメ時なら、比較的容易に小アジを釣ることができます。しかし、肝心のマズメ時に活き餌用の小アジを釣っていたのでは、私の本命である泳がせ釣りができません。

活き餌は昼間のうちに調達しておきたいのです。ところが小鯵と言えども、昼間は警戒しますから、コマセから離れてしまった針付きの刺し餌はなかなか口にしません。要するに、豆アジと言えどもコマセと付けエサの同調が求められるのです。

竿下のサビキ釣りなら、縦一直線にコマセとサビキ針が並んでいるので、竿を上下するだけで同調させられますが、コマセを入れたところに餌付き針を後から投入するとなると、3次元の同調は難しくなります。風のある日などは、同調は至難です。

つまり、コマセと付けエサを別々に投入したのでは、同調は困難ということです。それならばというわけで、超ミニサイズのコマセカゴを用意することにしました。もちろん市販品にそんな物はありませんから、自作することになります。

さてさて、どんな物を作れば良いのか。求められる要素は、使用簡便、小型軽量、同調容易、と四文字熟語が3つ並びました。と、こんなところで言葉遊びをしている場合ではないので、真面目に考えます。

使用簡便 を実現するには、投入の度にいちいち開閉するような手間をかけるのはダメです。そう、常時開放の口からコマセを入れられるタイプが良いでしょう。反転カゴ なら水面だけでなく、沈めて深いタナを攻めることも可能です。

小型軽量 は、のべ竿に無理が掛からなければいいので、金属でなく樹脂材料で小さく作ればOK。

同調容易 はカゴに接続されるハリスが短ければ、自ずと条件を満たすでしょう。

決まりました、樹脂材料で作るミニサイズの反転タイプ、ということです。思案の結果たどり着いた今回の材料は、シリコン製の指サックです。12個で110円。良いですね、安いのは。

< 材 料 >

指サック(カゴ本体用) ダイソー
スナップスイベル#7
自動ハリス止め
ガン玉
ステンレス軟線 0.55mm径

< 作り方 >

上の写真の通り3種類作成しました。

 1. (①②共通) カゴ本体の底部分に、3mm径位の ポンチ で複数の(水抜き)穴を開けます。

標準反転タイプ・・普通の反転カゴに準じた物
 2. ステンレス線をカゴ本体の内外に一周させて内側で留め、上端にガン玉Bを付けます。
 3. スナップスイベルに本体外側のステンレス線と自動ハリス止めを組み付けます。

簡易反転タイプ・・ステンレス線を省略した物
 2. スナップスイベル#7の背側の元ににガン玉2Bを付け、これにカゴ本体を刺し付け、自動ハリス止めも組付けます。

非反転水面専用タイプ・・錘無しで水面限定の物
 1. カゴ本体にスナップスイベル#7を刺し付け、自動ハリス止めも組付けます。

< 使い方 >

1. ハリス止めには、10cm程度の短く細いハリスに小針に生餌(米粒大のイカ等)を刺した物を付けます。コマセの種類と魚の活性次第では、サビキ針を使えるケースもあります。

2. カゴ本体に1.を入れ、その上にコマセをかぶせ入れます。

3. 投入時は、海面に着水すると同時にラインを緩めてフリーにします。①②は狙うタナまで送り込んだらラインを張って止めます。投入位置が竿先直下であれば、コマセと刺し餌は同調します。


コマセを手返し良くコマセカゴに入れるには、道具が必要です。私の場合はアミコマセではなく パン粉 を使うので、注入器を自作しました。ヘアカラーの容器のノズルの先端をカットしています。45ml容量なので、満量で50回位は使えそうです。

< 針の選択 >

0.6号以下のハリスは、喰いは良いのですが切れやすいのが難点です。その場合には針を飲まれると外しにくく、結果としてハリスを切ることが多くなります。小針でネムリは無いので、次善の策としてバーブレスの針を使うか、返しをつぶして使うと、外しやすくなります。ただし餌付けが頻繁に必要になります。それにしてもハリスが消耗するので、交換を容易にするために自動ハリス止めを使います。

私が多用する針は 鮎エサ針 の2号ですが、ハリス付きの物はハリスが0.3か0.4号で、あまりに弱いため、バラ針の2号に0.6か0.8号のハリスを結んでいます。


小魚釣りにここまでやるか?という声が聞こえてきそうですが、活き餌を自給できないことが、決定的な 泳がせ釣りの弱点 になるので、真剣にならざるを得ません。



基本形の反転タイプのカゴは、40年ほど前に自作した物があったので参考に載せておきます。今はもう手に入らない?フィルムケースで作ったものです。三又サルカンの上方には道糸が、下方にはハリスが結ばれます。この姿勢で投入すると、錘が先頭になって飛行し、着水すると錘が海底に向かって沈んでいきます。降下中は下からの水圧で押されてコマセは出ません。遊動浮きがストップをかけると、カゴが海中で停止し、同時にコマセが放出されます。通常は刺し餌付きの針もカゴの中にセットしておいて、コマセと同調させます。実績もありましたが、ハリス絡みに悩まされたカゴでした。

追記 2024.06.19

この記事で作ったミニかごは出番が無く、先日いざ出番となった際に改良の必要を感じたので、簡単に記します。

ここ1年程前から、アミ姫の様な物を自作して使うようになったので、その充填器に合わせた大型化(開口部口径)が必要になりました。

材料は、同じくダイソーの指サックですが、3種の中のを使用しました。


形は反転カゴタイプです。

中通し0.1号   錘   ガン玉1号
使用時は餌付きの針をかご内に収めてからコマセを注入するのが基本で、沈下時には反転して開口部が下を向くので放出されず、カゴの沈降をタナで止めると同時に、カゴの中身が出ます。

投入前         投入後

追記 2024.10.10


いろいろな釣りをあちこちでするので、この実釣記事が足掛け4年後になってしまいました。活きた小魚を餌にしてアオリイカを狙うために、真剣に小アイゴ釣りをしました。微風と弱潮の環境下で同調にやや難ありでしたが、その結果が好調だったのです。充填器 で入れたコマセは、製造から約1年経過で溶けていた 調製アミコマセ にパン粉を混ぜて粘度調整したものでした。刺し餌はイカ塩辛風の米粒サイズ。初め0.4号ハリスを毎回のように切られたので、途中から0.8号に替え、針もアユえさ2号から 袖3号 に換えて、順調に30尾ほどを確保しました。その結果、このアイゴを活き餌にして アオリイカが釣れた のですから、この超ミニこませかごの殊勲とも言えます。残ったアイゴは、手間が掛かりましたが、美味しく完食 しました。

追記 2024.11.03


不具合を思い出したので、細かな物に細かな改良です。小魚がコマセに狂喜乱舞すると、水面近くに浮き上がってきます。そうなると、水面で反転カゴを振ってコマセを出すことになります。その結果水面で反転したまま、カゴに空気が残って沈まなくなってしまいます。小魚はコマセの沈降に連れて沈んでいくので、カゴと刺し餌付きの針が水面に取り残されて、同調しなくなります。結果、釣れません。改良のために、カゴ内の空気が抜けるよう、カゴの底面に切り込みを入れるか、微細な穴を開けます。これで空気が抜けるので、沈みます。

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