コマセカゴ&コマセ充填器を製作/アミコマセ簡易充填法

アジを狙うサビキ釣りでは、時合を生かす手返しが釣果を左右します。それに有効な、上カゴ棚撒きタイプで無駄なコマセを撒かず、ワンタッチで充填可能なコマセカゴと充填器が100均商品で安価に作れます。

サビキ釣りで釣れるか釣れないかは、多くの要素(タナ、サビキ、コマセ、技量など)の総合力が結果に表れるので、下カゴ仕掛けでも釣れます。それを否定はしませんが、より良くと考えると疑問があります。

サビキ仕掛けとコマセの同調を考えると、どう考えても下カゴは位置が逆のように思います。上カゴからポロポロ落ちてくるコマセが、サビキ仕掛けと同調しやすいのはニュートンに聞けば明らかでしょう。

左=正立     アミコマセ簡易充填カゴ     倒立=右

ここでは、上カゴタイプのコマセカゴとそれへのコマセ充填器を自作します。これには、それに見合った簡単充填用 "調製アミコマセ" も自作し、それら3点をセットで利用することにより効果を上げます。

簡単充填用コマセカゴの製作

サビキ釣り用の上カゴの主流は、比較的安価な ロケットカゴ でしょう。私も従来からSサイズのロケットカゴを改造した 自作ロケットカゴ を使ってきました。今も、パン粉サビキ釣りではそれを使いますし、それでアミコマセを使うことも基本可能です。

ただし、ロケットカゴの難点は、下カゴ(オモリ一体のフタ無し)と比べると充填にやや手間取ることです。両手を使う開口部の開閉がネックになります。後段に紹介する充填器によって充填は片手で容易になるので、問題は開口部の開閉動作だけです。

片手で持って押したら開いて、力を抜くと閉じる、これが求める形です。仕掛けロストもゼロにはできないので、高価な物は避けたいです。

当然のごとく、素材は軟質プラスチックが適当と考えられます。このような素材を使った物の製作は、浮き止めのシモリ玉 でも考えたように、素人のDIYではまず無理です。樹脂製品の製作は、基本が金型を使う射出成型ですから。

左上から完成品、部品のフックと水中浮揚弁、そして本体です。

そうであるならば、市販製品の(加工)流用しかありません。110円ショップを探索して見つけ出したのがこれ(写真の右)です。2個入りで110円で、化粧品のコーナーにありました。市販のロケットカゴSS(写真左下)と容量はほぼ同じですが、ロケットカゴを改造するよりコストダウンにもなります。

改造は難しくはありませんが、使用するコマセは"アミ姫"のようにドロリとした粘性の物を注入(充填)する必要があります。

作り方

1. キャップを外したボトルの尻(仕掛け上部側)に5ヶ所(2.5mm径)、口の付け根には2ヶ所(1.0mm径)の穴を開けます。
2. 尻の中心の穴に10号程度のNY糸でループを結びます。
3. ステンレス硬線0.8mm径 で、写真のようなフックを作り※、口元の二穴に挿し込んで、仕掛け下側の接続フックとします。
4. ボトルのサイドの継目(写真の黒線)をカッターナイフで切開します。
5. 発泡スチロール薄板(納豆パックのフタ等)で18mm径の円板を作り、水中浮揚弁としてボトル内に入れます。
 ※ ステンレス硬線の曲げ加工には ループプライヤー を使用するときれいに出来ます。

使用方法

反対の手でボトルを圧迫すると注入できます

ボトルの口を下にして指2本で上下をはさみ、力を加えます。変形してスリット(切開部)が開くので、浮揚弁が出口をふさいでいることを確認してから、後述の充填器で"調製アミコマセ"を注入します。注入量は容量の(22ml)半分程度が適量です。

コマセ注入後に力を抜くと元の形に戻り、投入可能になります。投入後の海中では、カゴ内部で浮揚弁が上昇して、下部の口が開放されて、そこからコマセが落下します。

竿下で釣る場合には、このボトルの下にサビキ仕掛け、錘を付けます。棚に合わせて浮きを付けた方が、コマセの想定以上の放出を抑えられるでしょう。投げサビキの場合には、メインラインに遊動浮きもセットします。

"調製アミコマセ"は、解凍アミの水分量とトロミ剤のバランス次第で状態が微妙に変わるので、水中でのコマセの出方を知るために、最初は竿下の見える位置でコマセカゴと周辺の観察をお勧めします。

このカゴはSSサイズで容量が少ないですが、投げサビキの場合で竿を煽らずに波(浮き)まかせなら、ポロリポロリと10分程度は断続的に出続けます。

簡単充填用コマセ充填器の製作

柔軟性のあるボトル本体に、内径1cm程度の口の物であれば、多少のDIYは必要でしょうが、何でも使えます。


ここでは2種類のボトルを例示します。一つは容量740mlの蜂蜜の 空容器 です。もう一つは、ダイソーで購入した容量350mlのボトルです。

いずれも、ぶら下げ用のDIY針金細工のフックを付けています。地面に置いて使用すると、疲労で足腰を痛めかねないですから、立ったまま作業のできるこのフックの使用は何気に大事です。

越前漁港にてアジ釣り

ここで紹介したコマセ充填器とコマセカゴ、そして別記事の"調製アミコマセ"を使用して、楽してたくさん安価に魚を釣ってサビキ釣りを存分に楽しみましょう!!

追記 2023.12.05
過日の 越前漁港での実釣 での気付きです。上記作り方5. の水中浮揚弁は、波の無い穏やか過ぎるような時にはコマセの放出が少なすぎるので、外したほうが良いことが分かりました。弁は不要ということです。頻繁に投入を繰り返す"時合"の際も同様に考えて差し支えありません。弁が無くても、"調整アミコマセ"には粘性があるので、注入(充填)時に下部排出口から流れ出すことはありません。

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